人生読本~20代からの読書日記~: 9月 2017

2017年9月24日日曜日

「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」河野 英太郎著

今回の本はこちら。

●書名・・・99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ
●著者・・・河野 英太郎

「デキる人」への道は、ささいな工夫の積み重ね


「仕事のコツ」なんて聞くと、なんだか誰も知らない秘伝の奥義みたいなものを想像しませんか?

でも本当の”コツ”って、そんなものじゃありません。

いつもの作業にほんの少し工夫を加えることで、大きく成果を上げる”コツ”となるのです。

そして世の「デキる人」と言われる人たちは、この「少しの工夫」を誰よりも多く実践している人だったりします。

「誰にでもできるけど誰もやらないこと」を「誰よりも多く」やる人が結果的に「デキる人」になるのです。

この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、そんな「少しの工夫」の事例が数多く載っています。


"「まじめ」と「みじめ」は一字の違い"


そもそも、なぜそんな「少しの工夫」をみんなしないのでしょうか。

みんな不真面目なのでしょうか?

そんなことはありません。
むしろ、”まじめすぎる”のです。

まじめに礼儀を考えすぎたり、まじめに相手に遠慮してしまったり…

その結果、必要以上に時間を失ってしまったり、相手にこちらの意図が伝わりきらなかったりして効率が悪くなっていくのです。

この本の冒頭にも書かれていますが、まじめも度を超すと効率を落とす原因になります。

だからといって不真面目になれということではなく、いままでまじめに(悪く言えばかたくなに)やっていたことを少しだけ違う角度から見直して、成果につながる「少しの工夫」を実践していきましょう。


"「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる"


この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には本当にすぐ実践できるものがたくさん書かれているのですが、その中でもとりわけ簡単かつ今すぐ実践できるものをご紹介します。

それは、

〈いつもなら「とりあえず」と言ってしまう場面で「まず」と言う〉

ことです。

ただそれだけです。

それだけですが、この言葉を変えるだけで自分の意識も、相手への印象も劇的に変わります。

上司や先輩に仕事を頼まれて「”とりあえず”資料作ってみます」というような返事をしてしまう人は多いと思います。

しかしこれではその仕事を「やっつけ」や「一応」やるかのような、半端な仕事のような印象を与えてしまいます。

これを「”まず”資料作ってみます」と言い換えるだけで、自分の意識の中では「次に」というステップが見えてきます。

そして相手にも、「すでに先のステップまで考え始めてる仕事の速い奴」という好印象を与えることができるのです。

普段使っている口癖というのは知らず知らずのうちに自分にも相手にも大きな影響を与えているもの。

これを少し見直して良い言葉に変えるだけで、「デキる人」に一歩近づくことができます。


まとめ


「神は細部に宿る」とはよく言われますが、小さなことをないがしろにするような人に大きなことが成し遂げられるわけがありません。

なぜなら大きなこととは、小さなことの積み重ねでしかないからです。

どんなに特別に見えることでも、その土台は「無数の小さなこと」が支えているのです。

そしてこの「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、その「無数の小さなこと」の多くが書かれています。

この本に書かれていることをひとつずつ愚直に積み重ねていく。

それだけで、いつの間にか周りから一目置かれる存在になることができるでしょう。


2017年9月12日火曜日

「超速片付け仕事術」美崎 栄一郎著

今回の本はこちら。



●書名・・・仕事が速い人ほど無駄な時間を使わない!超速片づけ仕事術
●著者・・・美崎 栄一郎


モノは”使用頻度”で管理し、”in”と”out”のバランスをとる


日々働いているとついついデスクの上が散らかってしまうという経験は誰にもあると思います。

しかし片付けのために長い時間を確保することも難しい。

そもそも片付けるために長い時間を使うようでは、忙しくなればまたすぐもとの散らかった状態に戻ってしまいます。

このような状況を回避し常に片付いた状態を実現するためには、そこにあるモノを”使用頻度”によって順位付けし位置を決めて管理し、その場所に入ってくるモノ(in)と出ていくモノ(out)のバランスをとることが重要です。


散らかるのは”in”が”out”を超えているから


そもそもモノが溢れ返って散らかってしまうのは、”in=入ってくるモノ”の数が”out=出ていくモノ”の数を上回っていることが原因です。

これは具体的な物に限らず仕事の案件などのコトも一緒で、いつも忙しそうにしている割になかなか成果が上がらない人というのは”in”が”out”を上回っているために仕事をさばききれない状態になっていることが多々あります。

これを解決するためには”in”と”out”のバランスをとり、最終的には”out”が”in”を超えるようにしてモノを減らすサイクルに入ることが必要です。


①よく使うモノ、②たまに使うモノ、③使うかもしれないモノ に分ける


例えばデスクの上を片付ける場合、紙袋などを用意しパソコンや電話等確実に必要な物以外をすべてそこに入れてしまいます。

そして実際に仕事で使っていく中で、それぞれの物を

①よく使うモノ
②たまに使うモノ
③使うかもしれないモノ

の三種類に分別します。

分別したらまずこの中で③使うかもしれないモノを捨ててしまいます。
そうしてから①よく使うモノは机上に残し、②たまに使うモノは引き出しにしまいます。

こうすることで机上には①よく使うモノしか残らないはずなので、今後の仕事でデスクを効率的に使っていくことができるのです。


まとめ


何も対策をしなければモノはすぐに増えてしまいます。

だからこそ様々な工夫を重ねて常に”out”が”in”を上回るような仕組みづくりをしておくことで、常に整理され快適な職場環境を維持することができるのです。

この本では他にも書類や名刺の管理の仕方やパソコン上のデータ、スマホのアプリ等の管理の仕方も説明しています。

また使用頻度で分けやすい引き出しの使い方や作業が効率的になるデスク上の物の位置の決め方のように具体的な例も載っているので、読んで実践することで是非その効果を体感してください。

とにかくよく使うモノだけを残し、使わないものは捨てる。

こうして”in”と”out”のバランスをとることが、整理された環境を維持し仕事の効率を上げることにつながるのです。




2017年9月8日金曜日

「未来に先回りする思考法」佐藤 航陽著

今回の本はこちら。



●書名・・・未来に先回りする思考法
●著者・・・佐藤 航陽

社会が変化する”パターン”を知り、それを読める者が未来に先回りすることができる


いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちは、その多くがこの”未来に先回りする思考法”を身につけています。

中には純粋に運だけでなる人もいるのでしょうが、この”未来に先回りする思考法”を身につけていなければ継続的に成功し続けるのは難しいでしょう。

成功の種は、今まさに盛り上がっている所にあるわけではありません。
今はまだそれほどではなくとも、社会の変化にともないいずれ盛り上がるであろう場所にあります。

そういう場所をいち早く見つけ、適切なタイミングで自分がそこにいることで成功することができるのです。


社会には変化する時の”パターン”があります。

これは時代が変わっても不変なので、それを見抜くことができれば次に何が変化するのか、未来に何が起こるのかを先回りして知ることができるのです。


”変化”とはテクノロジーによってけん引される


社会の変化とは、主にテクノロジーによって引き起こされます。

テクノロジーといっても別に難しいものではなく、古代の人類が大きな進化を遂げるきっかけとなった石器などの道具もテクノロジーです。

支配階級が独占していた知識や知恵をみんなで共有できるようになった紙や文字もテクノロジーです。

こうしたテクノロジーが浸透することで、常に社会は変化していきました。

そしてテクノロジーには決まった”変化のパターン”となる3つの本質があります。

それは

「人間を拡張するものであること」
「いずれ人間を教育し始めること」
「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」

この3つです。

このパターンを見極めることができれば、未来に先回りすることが可能となるのです。


電気からインターネットへ


あらゆるテクノロジーが、上記のパターンに当てはまります。

例えば現在我々の生活を支える大きな力となっている「電力」。

これも元々は水車や蒸気機関などと同じ、人間の動力の拡張でした。

徐々に社会に電力が浸透してくると、影響力が大きくなるため今度は電力を中心に物事を考え始めます。
夏の電力不足への注意喚起などがわかりやすいでしょうか。

そして最初は人間の周りで使う動力というだけだった電力も、最終的には宇宙へと拡大していきます。
ロケットにももちろん使われていますし、衛星などは人間がかかわらなくても電力で動いています。


そして現在では電力に変わり、コンピュータやインターネットが同じように広がりつつあります。

もともとは高性能な計算機として、人間の頭脳の拡張するために作られたコンピュータも、インターネットにつながり今では日本中に浸透していきつつあります。

コンピュータというと持ってない人もいると思うかもしれませんが、スマホならもう大半の人が持っているのではないでしょうか。
スマホも、ただの電話ではなく超小型コンピュータです。

それに自分の物以外でも現在はインターネットにつながっているものが多いので、本当にコンピュータやインターネットと無関係だという人はほとんどいないでしょう。

世界規模で見ればまだまだ数十億人の人がインターネットに接続できる環境にないので伸びしろはありますが、それでも徐々にインターネットも社会に浸透し空気のような存在になっていくでしょう。

そしてあらゆるもののデータをインターネットを経由して集めることができれば、そこからまた社会は変化していくのです。


まとめ


社会には決まった変化のパターンがある。

そしてその変化とは、テクノロジー(今は主にインターネット)によってけん引される。

このパターンを見抜けた者だけが、未来に先回りすることができる。


この「未来に先回りする思考法」には他にも政治や国の成り立ち等、さまざまな角度から社会の変化について書かれています。

しかしどのような変化も大本は一緒で、必要性がありシステムやテクノロジーが生まれ、それらが成熟することによってより大きな変化へとつながっていきます。

変化のサイクルはこれからどんどん短くなって行きます。

これまでは数世代にわたって起きた変化が、これからは数年で起きることも不思議ではありません。

この「未来に先回りする思考法」はこれからの世界でこそ、必要とされる考え方なのです。





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「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽著