人生読本~20代からの読書日記~: 2018

2018年4月27日金曜日

作業を徹底的に効率化する!「光速パソコン仕事術」ヨス著

今回の本はこちら。



●書名・・・効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術
●著者・・・ヨス



どんな作業でも「もっと効率化できないか?」と考える


著者のヨスさんは「効率化の鬼」と言われるほど自他ともに認める効率化オタク。

そんなヨスさんが書いたこの「光速パソコン仕事術」ではパソコンでの作業を効率化できる様々な方法が書かれていますが、本当に重要なのはその考え方。

つまり普段行っているいろんな作業をあらためて見つめなおし、自分の頭で「これはもっと効率化できないだろうか?他にいい方法はないだろうか?と考え続けることです。

この本に書かれているそれぞれのテクニックをマネして取り入れるだけでももちろんかなりの時間短縮ができますが、考え方そのものを取り入れれば今後どんな作業でも効率化していくことが出来ます。

これはパソコンに限ったことではありませんが、普段の何気ない行動に疑問を持ち効率化する方法を探したり工夫する思考回路が、自分の生産性を飛躍的に向上させるのです。


効率化のために投資した時間は、あとで何倍にもなって返ってくる


考え方が大事だとは言ってもやはりこの本で紹介されているテクニックもそれぞれ効果的で魅力的です。


中には1秒単位での時間短縮をするものもありますが、

「そんな短時間短縮してどうするの?」

と思う人もいるでしょう。

しかしこの"1秒"が、大切なのです。

もし1日に10回行う作業を、1秒短縮することが出来たらどうなるでしょうか?

1日で10秒の短縮。

1ヶ月で5分(300秒)の短縮。

1年で1時間(3600秒)の短縮。

そしてこの1秒短縮をさらに10種類やったら?100種類やったら?

ここまでくれば効率化のために調べ物をしたり設定をすることに使った数分~数時間なんて簡単に回収できます。

しかも投資した時間を回収した後もずっと時間を生み出し続けてくれます。

この効率化によって生み出した時間をさらなる効率化に投資することによって、時間効率を雪だるま式に改善していくことができるのです。


王道のショートカットから単語登録、ブラウザの設定から情報共有まで様々


この「光速パソコン仕事術」には作業を効率化するための様々なテクニックが紹介されていますが、その多くは誰でも簡単にできるものばかりです。

単語登録やブラウザの設定など若干手間のかかるものもありますが、上記のようにその時間は今後パソコンを使っていくうえで簡単に回収できますしそもそも本の中で設定方法などが丁寧に説明されているので決して難しいものではありません。

実際僕もこの本を読み進めながらすぐできるものはどんどん実践しましたし、それ以外もチェックを入れておいて順次取り組んでいく予定です。

この記事を書くにあたっても、今まで使ったことのないショートカットキーを少しずつ使い始めてその効果を実感しています。


またこの「光速パソコン仕事術」では自分のパソコンでの効率を上げる方法だけでなく、チームで働く際に効果を発揮する"情報共有"を効率化する方法も多数載っています。

具体的にはクラウドを利用したEvernoteなどでの情報の共有、Googleが提供するGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどです。

これらは他の人との情報共有が簡単なため相手とのやり取りでもかなり時間を短縮できますし、ネット環境があればどの端末でも作業ができることから「作業に使うパソコンが壊れた!どうにもできない!」という事態になるリスクを軽減することにもつながります。


まとめ


ヨスさん自身が"効率化の鬼"と呼ばれるだけあってこの「光速パソコン仕事術」には自分で調べたらかなりの時間がかかりそうなテクニックが多数載っています。

その調べる時間を短縮できるだけでもこの本の効果はかなり大きいのですが、それ以上に大切なのはやはり実践を通して"自分の頭で「もっと効率化できないか?」と考える癖をつけること"です。

この考え方の癖さえつけば、今後はどんな作業でも自分でどんどん効率化することが出来ます。


作業を効率化して時間を生み出し、その時間で人生の質を高める。

この本はその一歩を踏み出すための、大きな助けになってくれるでしょう。





関連書籍記事

「レバレッジ時間術 ノーリスク・ハイリターンの成功原則」本田 直之著
「佐藤オオキのスピード仕事術」佐藤 オオキ著

2018年4月17日火曜日

「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合 陽一著

今回の本はこちら。



●書名・・・これからの世界をつくる仲間たちへ
●著者・・・落合 陽一


現代の魔法使いともいわれる落合陽一さんの2016年の著書です。

魔法をかける人="クリエイティブクラス"になる


コンピュータテクノロジーが発達し、私たちの生活は劇的に変化し続けています。

その変化の中で、落合さんは今後人が「魔法をかける人」と「魔法をかけられる人」に二分されていくと言っています。

"魔法"とはコンピュータによってブラックボックス化された技術のことで、例えば普通の人は普段パソコンの中で何がどう動くことによってメールが使えたりネットが使えたりするのかよくわかりません。

よくはわかりませんが、中身の技術に精通していなくてもパソコンの使い方さえ知っていれば誰でもメールやネットを利用することが出来ます。

このように"魔法"の中身を知らなくても生活に支障はありませんが、例えばパソコンならプログラミングのような"魔法の中身"を知っていることでできることは格段に広がります。

このような人たちは"魔法"を知り"魔法"の力を使うことで新たな価値を創造していく「クリエイティブクラス」となるのです。


今後はコンピュータに使われる人と、コンピュータを使う人に分かれる


現在コンピュータはあくまで道具の一つとみなされており、「人がコンピュータを使う」という認識が当然されています。

しかし今後AIが発達してくると、逆に「コンピュータが人を使う」という状況も珍しくなくなっていきます。

たとえば建築現場などは「全体を見て指示を出す現場監督」がいて「実際に手を動かし建物を作る労働者」がいるわけですが、AIが発達して作業の指示を人間の現場監督よりも効率的に出せるようになればAIの指示で各労働者が作業に取り掛かるという状態に変化していきます。

このとき人間の労働者はAIの末端機関として作業をするわけですから、「コンピュータが人を使う」という状態になっているわけです。

他にも同様の変化が起きてくる業種は多数あるでしょう。


逆に、人間が考えたことをコンピュータの力を借りて実現してくと言うようなこともこれまでより多くなってきます。

発達したAIや蓄積されたビッグデータは、今まで以上に強力に人間を手助けしてくれることでしょう。


これらはどちらが優れているかという話ではなく、あくまで個人の生き方の選択の問題です。

しかし、コンピュータに使われる側の人間というのは替えが効くのでどうしても大きな価値は生み出しにくいでしょう。

己の価値を高めコンピュータを使う側になるためには、"魔法をかける人"になる必要があるのです。


"魔法をかける"ことができるほどの専門性は、コンピュータにはない「モチベーション」によって身につく


"魔法をかける人"になるためにはいくつもの能力が必要なのですが、その中で重要なのが「専門性」です。

専門性はどうしても気になる疑問を考え抜いたり、好きなことを突き詰めたりすることで獲得することが出来ますが、その原動力となるのは「これがしたい」「これを知りたい」というモチベーションです。

そしてこのモチベーションという力はコンピュータにはありません。

コンピュータは指示されたことをやったりものすごい数の作業を淡々とこなすのは得意ですが、今のところ自発的に「これをやりたい」といったようなモチベーションを発揮することはできません。

これこそが現時点での人間とコンピュータの違いであり、人間がコンピュータに対して持っている優位性の一つなのです。

このモチベーションをもって専門性を高め、自分の価値を確立することで今後の世界のどこでも活躍できる「魔法をかける人」になることができるのです。


まとめ


これから先の世界でコンピュータに使われる"魔法をかけられる人"ではなく創造性に富んだ"魔法をかける人"になるには様々な能力が必要です。

この「これからの世界をつくる仲間たちへ」ではコンピュータによる今後の社会の変化、またそれに対応し"魔法をかける人"になるために必要なことなどがかなり詳しく書かれています。

文章もロジカルでありながら落合さん自身の「モチベーション」も感じることができ、不思議な読みやすさを感じました。


これからの世界で自分の専門性を高め"魔法をかける人"になる、ひいては今後の自分自身の生き方の指針にもなるような、そんな大きな可能性を秘めた一冊です。






関連書籍記事

2018年4月5日木曜日

「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン著

今回の本はこちら。



●書名・・・エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
●著者・・・グレッグ・マキューン


最近漫画版も出版された、ビジネス書の良書です。

インターネットやスマホの普及により人々が得られる情報は増えコミュニケーションの速度は格段に上がりましたが、そのスピード感の中で消耗し自分が今何をしているのかさえ把握しきれないほど忙しい人が続出しています。

この本ではそんな複雑で煩雑な多くの物事の中から本当に重要なものに自分の時間やエネルギーを集中して投資するための思考法、「エッセンシャル思考」を教えてくれます。


今、自分は正しいことに力を注いでいるか?


世の中にはありとあらゆる選択肢やチャンスが転がっています。

しかもその多くは魅力的なもので、実際に大きな結果がついてくるものも数多存在します。

目の前に現れたチャンスについ飛びついてしまいがちですが、本当にそれでいいのでしょうか?

たとえそのチャンスが魅力的なものだとしても、今の自分にとって本当に重要なものなのでしょうか?

多くの人は深く考えずチャンスに飛びつきます。
いや、本人は考えているつもりでも、それが目の前に現れてから考え始めては間に合いませんし、そもそも忙しすぎて深く考えるほどの時間がない場合がほとんどです。

そして人には様々な制限があります。

それは日々の時間だったり、自分のエネルギーの上限だったりします。

そもそもリソースの限界があるのですから、無駄なことに時間やエネルギーを浪費しないように常に自分が正しいことに自分の力を注いでいるかを意識しなくてはならないのです。


「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、私たちは知らず知らず何かを失っている


それに、無数のことを全部やろうとすることには明確な、そして大きなデメリットもあります。


たとえば、100の方向に1cmずつ進むとします。

これではひとつひとつの向きには当然ですが1cmしか進めません。

しかしもし同じ時間とエネルギーをかけて、たった一つの方向に進んだらどうなるでしょうか。

これまで100方向分に進んでいたエネルギーを集めると100cm=1m分も進むことが可能になります。

これは仕事や作業も同じで、多くのことを並行してやろうとするとどうしても集中力が散漫になりますし、時間も少しずつしかかけることができません。

時間もかけず集中もできない仕事にいったいどれだけの成果が出るでしょうか?


そして僕たちの自分の仕事に対する想定はどうしても甘くなってしまいます。

つまり、何かを実行すると常に自分の予想より時間がかかってしまうのです。

これが100個の仕事それぞれに起これば時間やエネルギーの浪費はますます大きくなり成果は出なくなります。

様々なことを一緒にやろうとするのは、それだけ無駄も多くなるのです。


絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである


では、時間やエネルギーの無駄遣いをなくすためにはどうしたらいいでしょうか。

答えは単純。

本当に重要なこと以外をすべて切り捨て、その分のエネルギーを残った重要なことに振り分ければいいのです。

しかしプライベートな用事でも業務上のことでも、全く重要でないことというのは実はそんなにありません。

どれもそこそこ重要に感じられるから引き受けてしまうのです。

これこそが僕たちの時間やエネルギーを奪っていく元凶。


この"そこそこ重要な案件"をどんどん切り捨てるためにはどうしたらいいのでしょうか?


それは、「採用基準をとことん厳しくする」ことで可能になります。

というか、そうしなければ無理です。基準が甘いとどんどん浸食されます。

なんとなくやりたいことではなく、どうしてもやりたいことをやる。

どうしてもと言いきれないのならそもそも受け入れない。

これくらいやって初めて自分に考える時間的余裕が生まれるし、本当に重要なことを見極めることができるのです。


より少なく、しかしより良く


エッセンシャル思考とは多くの物事をうまいこと成し遂げる技術ではありません。

エッセンシャル思考とは本当に重要な数少ない物事について、最大限の成果を出せるように自分のリソースを効率的に配分する技術です。

より少なく、しかしより良く行うための思考法なのです。


またエッセンシャル思考とは何か問題が起きた時にその対処法として用いるような類のものではありません。

常日頃、普段の生活から「より少なく、しかしより良く」を実践することがエッセンシャル思考なのです。


本の中ではエッセンシャル思考を

  1. 見極める
  2. 捨てる
  3. しくみ化する

という三つに分けて説明しています。

これらの技術を習得することで僕たちは膨大な"重要じゃないこと"から解放され、"重要なこと"で最大の成果を継続して出す方法を身につけることができるのです。


この「エッセンシャル思考」は何を行うにしても絶対に必要な考え方で、かつ一番初めに習得することでその後の作業で成果が出やすくなります。

情報が溢れ、あらゆるチャンスに手が届く現代だからこそ、この本を読む価値は限りなく大きいのです。




関連書籍記事

AmazonのPrime Reading(プライムリーディング)で本を読みました

Prime Reading:Amazonプライムの利用料金だけで、多くの本を読みまくれる


先日AmazonのPrime Readingというサービスを利用してみました。

このブログを始めた頃は紙の本を読んで記事を書いていたのですが、徐々に保管場所がなくなってきたこともあり最近はほとんどAmazonのkindleを利用して電子書籍で読んでいます。

他にも日常生活でAmazonを使う機会が多いので有料会員制度であるAmazonプライムを利用しているのですが、最近になって「Prime Reading」というサービスが増えていることに気が付きました。

このサービス、なんとプライム会員であれば数多くの本・漫画・雑誌などが読み放題というもの。

気にはなってる本だけどどうも決心がつかなくて購入は迷ってる…なんて本があるときはとても便利なサービスですので、今日はちょっとこの「Prime Reading」について書いていこうと思います。


Amazonプライムが便利すぎる


読書日記というこのブログの趣旨からは少し離れてしまうかもしれませんが、「Prime Reading」の前提としてAmazonプライムについて簡単に説明したいと思います。

ご存知の方も多いと思いますがAmazonプライムとは通販会社のAmazonにおける有料会員のことで、このプライム会員であるというだけで数多くのサービスを受けることができます。

具体的には
  • Amazon.co.jpが発送する商品の通常配送料が無料
  • 当日お急ぎ便が無料(朝注文した商品がその日の夜には届く)
  • 日時指定便が無料
  • プライムビデオにあるテレビ番組や映画が見放題
  • プライムミュージックにある音楽が聴き放題
などなど、ほかにもいっぱいあるのですがとにかくやたらめったら無料や何とか放題のサービスが充実。

このサービス群の中に様々な本が読み放題となる「Prime Reading」が追加されたわけです。





1ヶ月に一冊漫画買うくらいならAmazonプライムの方が断然安い


Amazonプライムのひと月ごとの料金は月額プランなら1ヶ月400円なのですが、年額プランで利用すると一年間で3900円になります。

これを12ヶ月で割ると…なんと1ヶ月325円!

例えば月に一冊でも5~600円くらいの漫画本買うくらいなら、1ヶ月325円のプライム会員料金を支払い「Prime Reading」で漫画を読んだ方が圧倒的に安くなるのです。
(もちろん一冊1500円前後のビジネス書なんて言わずもがなです)

しかもこれ、ただ本を読むだけの値段じゃないんです。

上記の通りプライム会員になると様々なサービスを受けることができるので、この325円にはその値段も含まれることになります。

例えばプライムビデオで多くのテレビ番組や映画が見放題。

僕は漫画や図表が多い本を読むためにFire HD 8 タブレットを持っているのですが、同じAmazonの商品なのでプライムビデオもスムーズに視聴することが出来大変重宝しています。


また、通常の商品を通販で購入するときの配送料。

これもプライム会員なら多くの場合通常配送料が無料になります。

しかも当日お急ぎ便や日時指定便も無料になるので、商品を注文した時に何も操作しなくても到着予定がその日の夜になっていたりします。


配送料に関しては4月4日現在、ついにAmazonから値上げの発表がありました。

"有料会員でない"場合、代金が2000円未満の商品の配送料はこれまで350円でしたが、これが400円に値上がりします。

値上げする前からではありますが、月に一回以上Amazonで何か買い物をする方でしたらプライム会員になって月額利用料を支払った方が75円も安くなります。

そしてこの差は注文する回数が多ければ多いほど開いていきます。


ここまで書いてきてAmazonがなぜこの料金の安さでこれだけのサービスを提供しているのが正直全く理解できませんが(いや囲い込みなのはわかってますがそれにしたって安すぎる感)、とにかくなるべくコストをかけずに多くの本を読もうとすると非常に便利なサービスなのです。


2つの定額読み放題:「Kindle Unlimited」 と 「Prime Reading」


Amazonにおける定額読み放題サービスだとPrime Readingの他にKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)というのがあります。

こちらのサービスでもkindleを利用して多くの本を読むことができるのですが、個人的にはやはりPrime Readingをお勧めします。

理由は、Kindle Unlimitedでは本を読むこと"しか"できないからです。

Prime Readingならそもそもプライム会員になっているので、ほかのさまざまなサービスを利用することが出来ます。

読書という観点からみても、もし紙の本が欲しくなった時に配送料が無料になるのでコストを抑えることが出来ます。

つまり、少なくともkindleで本を読むほど普段からAmazonを利用するのであればサクッとプライム会員になりPrime Readingを利用した方が全体的にもろもろ安く済むのです。

Kindle Unlimitedは、どうしてもPrime Readingに読みたい本がないなど、次善の策として考えておいた方が良いでしょう。


まずは1ヶ月の無料お試し期間


見出しがそれこそ深夜のテレビ通販みたいになってしまいましたが…(笑)

Prime Reading、というかAmazonのプライム会員は最初の1ヶ月を無料で利用することが出来ます。

この期間はプライム会員特典をすべて通常の会員と同じように利用することができるので、もちろんPrime Readingも利用することが出来ます。

もし継続的に利用するつもりがなくても読み放題の本の中にどうしても読みたい本があれば、この無料お試し期間の範囲だけで読んでしまうというのもかなりコスパの良い方法です。

ただし注意しなくてはいけないのは、無料体験登録後はそのままにしておくと1ヶ月後に自動で有料会員に移行してしまうということです。

有料会員になったところで年間プランなら月額325円なので大したことはありませんが、それでも気になるという場合は期日をしっかり把握しておき、それより前に自動延長を無効にする設定をしておきましょう。


まとめ


僕は普段kindleの電子書籍端末で読書しているのでPrime Readingも読みやすいのですが、「本は絶対"紙"派!!」という方にもAmazonプライムの会員になること自体は上記配送料などの観点から非常にお勧めです。

代金2000円未満の商品の配送料値上げにしても、新書やビジネス書でさえだいたい800円~1500円前後なのですから、片っ端から該当してしまいます。

たとえ一冊50円の値上げに過ぎないとしても、現代の読書は量をこなすことで効果を発揮するものが多いですから積もり積もればかなり大きな損失になります。

「知らなかった」というだけで知識も懐も貧しくなってはたまりません。

最初の無料体験期間だけでも試してみて、ぜひその便利さを体感してみてください。



P.S.

僕自身のPrime Readingでは現在「10倍ラクして成果を上げる 完全自動のExcel術」を読んでいるところです。

これでこれまで全くよくわかっていなかったエクセルの"マクロ"というやつを勉強しようと思います。




2018年4月3日火曜日

「老いた親を愛せますか? それでも介護はやってくる」岸見 一郎著

今回の本はこちら。



●書名・・・老いた親を愛せますか? それでも介護はやってくる
●著者・・・岸見 一郎


著者はアドラー心理学をわかりやすく説明し大ヒットした「嫌われる勇気」を書いた岸見一郎さんです。

岸見さんはご自身のお子さんや親との関係を例にアドラー心理学について説明することがよくあるのですが、この「老いた親を愛せますか?」は岸見さんの父親が認知症になり介護することになった前後までを軸に書かれています。


岸見さんは二十代中ごろに母親を脳梗塞で亡くし、その後父親のアルツハイマー型認知症の介護をすることになります。

その看病や介護の中でそれまであまり意識していなかった親との関係が明確になり、それでいて病状によってその関係も変化していくのでともするとわれわれ子供は困惑してしまいます。

それに介護は決して楽ではありませんし、親との関係まで悪化してしまっては心身ともに疲弊する一方です。

この本ではそうならないための心構えもアドラー心理学の考え方を踏まえて優しく教えてくれます。


僕がこの本を読んだのは、実際に僕の母が脳腫瘍で入院している時でした。

その頃は治療も少しずつ進み主治医から「今後治っても認知症のような症状が残る」と言われていたのでこの本の中盤以降、岸見さんと認知症の父親との生活の部分が参考になるのだろうと思いながら読んでいました。

結果的に僕の母は退院することなく亡くなってしまいましたが、この本を読むことで先の見えない入院中の不安をかなり和らげ落ち着きを取り戻すことができました。


また、岸見さんが入院中の母親に付きっ切りで看病していた話も共感することができ、つい自分と重ねて読んでしまいました。(岸見さんは当時と現在の病院設備との違いもあり最後の方は一日18時間も病床に付き添っていたというのでとても比べられるものではありませんが…)


ちょっとしたケガや病気などももちろん大変ですが、つい先日まで元気だった親の意識が急になくなって入院したり、これまで何の問題もなかった親との会話がなんだかかみ合わなくなった時の子供の孤独感は相当なものです。

そんなときこの「老いた親を愛せますか?」に書いてある考え方は確実に心を軽くしてくれます。

そしてその考え方以上に、自分と似たような経験をした人が他にもいるという事実が僕たち子どもを孤独から救ってくれます。


僕たちが生まれた時から一緒にいる親は、確実に僕たちよりも先に老います。

そして運が悪ければある日突然倒れることだってあるのです。

"その時"が来てからでは感情や忙しさに押し流されてしまいますが、例えば"その前"にこの本を読めれば、多少は心の準備をすることができます。


まだ親が元気で、自分に今後のことを考える余裕がある時にこそ一読しておくことをおすすめします。




関連書籍記事

2018年3月22日木曜日

「本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方」堀江 貴文著

今回の本はこちら。


●書名・・・本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方
●著者・・・堀江 貴文


ホリエモンこと堀江貴文さんの2015年の著書です。

堀江さんは他の著書でも"次々に行動すること"や"時間を最適化すること"の重要性を説いていますが、この「本音で生きる」では読者に対しそれらをより強力に主張しています。


他人に気を使って自分の人生をないがしろにするのはもったいない


この本は「本音で生きる」というタイトルですが、では逆に「本音では生きられない」とはどういうことでしょうか。

「本当は言いたいことがあるんだけど、嫌われたらいやだから言わない」
「こんなことしたら周りからどう思われるか気になるからやれない」

このように周りのことを気にしていたり

「やりたいことがあるけれど、時間がないからできない」
「自分にはきっと才能や素質がないからできない」

というように自分自身で制限を設けてしまうのも、自分の"本音"を自分で隠してしまうパターンです。

しかし。

はたしてこのように生きて、何かいいことがあるのでしょうか。

たとえ周りのことを気にしてその時は人間関係に波を立てずに済んだとしても、その時気になったことややりたいことを放置してはモヤモヤしたままです。

これでは、この後もずっとこのモヤモヤを引きずることになりいいことはありません。

自分にとって一番大事なのはまさに自分自身の人生のはず。

他人のことを気にしすぎて自分の人生をないがしろにするのは、とてももったいないことなのです。


この世で最も貴重な資源は時間


時間とは、いうなれば人生そのもの。

お金で時間を買うことはできませんが、時間をかければお金を稼ぐことは簡単です。
(間接的にお金で時間を短縮してほかのことに振り分けることはできますが、実際に自分の一日や寿命を延ばすことは不可能です)

しかし時間は、何かをしても"しなくても"自動的に流れ去ってしまいます。


一日は誰しも平等に24時間。

平均寿命も同じ国の人間なら大体同じです。

むしろ病気や事故で短くなることすら珍しくありません。

このように時間とは、有効に使えば何でもできる代わりに誰しも保有量に上限がある(そして増やすことはできない)とても貴重な資源なのです。

この最も貴重な資源を、他人に気を使ったり自分で言い訳することで無駄にしていいわけがありません。


時間を無駄にしないために必要なもの。

それが「本音で生きる」ことなのです。


何か無駄や面倒なことを見つけたら、それを解決する手段を考えることを習慣にしてしまう


時間の無駄をなくすためにはどうしたらいいか。

問題の種類によって解決策はそれぞれ異なるでしょうが、大事なのはその"解決策を考える"ということ。


何か面倒なことがあっても解決しようとせず仲間内でずっと愚痴を言っているような人たちがいますが、堀江さんはこういう人のことを「オヤジ」と呼んでいます(年齢は関係ありません)。

こういう「オヤジ」になるのは何としても避けなければなりませんし、原因をただ周りのせいにして何もしようとしなかったり言い訳をして行動しないのもいけません。

これではいつまでたっても自分の時間を最適化し、やりたいことをやることなどできません。

ここでもやはり「本音で生きる」ことが重要になってくるのです。


まとめ


人間とは社会的な生き物ですから、生きていくうえでどうしても他人という存在が必要になります。

しかしここでその他人の目ばかり気にして動けないといっていると、肝心の自分の人生をないがしろにすることになってしまいます。

そんな風に生きていては楽しくもないでしょう。

それに自分を犠牲にすれば、本来自分が周りに与えられるはずだった価値を与えることもできなくなり社会にとってもマイナスになってしまいます。


これからは個人が価値を発揮して生きていく時代。

周りの目を気にして行動するスピードを落としてしまってはいけません。

それぞれが自分の価値を発揮して、自分の人生をしっかり生きるためにも「本音で生きる」ことが必要なのです。




関連書籍記事
「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著
「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著
「稼ぐが勝ち」 堀江 貴文著
「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」堀江 貴文著
「多動力」堀江 貴文著
「逆転の仕事論」堀江 貴文著
「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江 貴文著
「99%の会社はいらない」堀江 貴文著
「マンガ版 「好き」を仕事にして生きる」堀江 貴文著

2018年3月15日木曜日

「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著

今回の本はこちら。



●書名・・・東大から刑務所へ (幻冬舎新書)
●著者・・・堀江 貴文 井川 意高



お互いに刑務所に服役していたホリエモンこと堀江貴文さんと、大王製紙元会長の井川意高さんによる対談本です。

東大の頃のことも出てはきますが、やはり刑務所でのことがメインとなっていてなかなか普段知ることのできない体験談をふんだんに読むことができます。


刑務所は日本の底辺ではあるが、人生の終わりではない


堀江さんは2006年に証券取引法違反の容疑で、井川さんは2011年に子会社の金をカジノにつぎ込んだ会社法の特別背任容疑でそれぞれ逮捕されました。

井川さんは実際に子会社の金を借りてカジノですってしまったのですが、堀江さんは今でも違法性はなく不当逮捕だったと言っています。

といっても二人とも服役していたのは事実。

そのお二人の会話から、普段あまり馴染みのない「刑務所」というところがどういうところなのかが垣間見えてきます。

どこの刑務所であるかや自分の担当がどんな刑務官であるかなどでかなり環境は違うようですが、それでもやはり人権侵害ギリギリのことは多々あり、お二人とも苦労したようです。

そんな経験をした二人は今、まさにこの「東大から刑務所へ」を出したりとかなり表立って活動しています。

このモチベーションは一体どこから来るのでしょうか。


日本人はものすごく忘れっぽい


最近の日本人は誰かが悪者だとなると寄ってたかって叩くという陰湿な民族性が顕著に表れていますが、それと同じように最近の日本人のわかりやすい性質があります。

日本人は、ものすごく忘れっぽいのです。

これはインターネットの出現により社会のスピードが上がったせいもあるかもしれませんが、それにしたって一時期話題になったこともしばらくすると誰も口にしなくなります。

なるべく口にしてはいけないタブーになっている場合もありますが、実際ただ単に忘れられている場合が大多数です。


堀江さんと井川さんは、あえて言うならこの性質を利用して出所後の活動でそれぞれのイメージを変えていっているのです。


本を出し、ロケットを飛ばす


井川さんは出所後に「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」という本を出し、堀江さんはロケット打ち上げ事業に力を入れています。

どちらも出所後の活動としてはかなり精力的な気がしますが、その理由もやはり日本人の忘れっぽさにあるようです。


井川さんはこの本を出すことで、単に日本人の記憶から消えるのではなく「なんだかおもしろそうなやつだな」と良くも悪くも人々の記憶に残ることを選びました。

また堀江さんは、出所したのは4年前ですが今では自身の事業のほかにも様々なメディアに出演もしています。

どうせみんな過去のことはすぐに忘れるのだから、新しいイメージで記憶を上書きさせているようです。

特別意図してやっているわけではないでしょうが、実際最近の堀江さんについては元服役囚というよりもいろんなビジネスを行っている実業家というようなイメージが強いのではないでしょうか。

このようにして二人とも出所してからも自分という材料を使い、ガンガン活動しているのです。


まとめ


この「東大から刑務所へ」では刑務所内のことも数多く書かれているのですが、逮捕されて東京地検特捜部に調べられている過程も知ることができるのが興味深い点です。

ライブドア事件に関してはどこかの記者のフライングに影響されて変な時間に強制捜査になったり裁判では堀江さんが全然知らない人が大勢証人に立ったり、井川さんのカジノに関しても実は裏に反社会的勢力が絡んでるんじゃないかと勘ぐって半ば無理やり証言させようとしたりと、この一冊を読むだけでも不合理な調査が常態化していることに驚きました。

またちょうどこの二人の事件の間に大阪地検特捜部による村木厚子さんの冤罪事件などもあったので、検察からの堀江さん・井川さんの扱いに明確に差があったという点も面白かった。


このように「今の日本って、かなり危ないんだな」というもののほかにも、拘置所や刑務所ではどんな差し入れがうれしいのかなどもなかなか知る機会がなく勉強になるところでした(今後この知識を活用する時が来るかは別ですが…)


対談形式で読みやすいこともあり、また普段知る機会の少ない拘置所や刑務所の実情を知ることもでき最近読んだ本の中では特に印象に残り、すぐに読み終えてしまいました。


この二人の本だからということだけではなく、現代日本の危うさを知る上でも一度は読んでおくべき一冊です。





関連書籍記事
「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著
「稼ぐが勝ち」 堀江 貴文著
「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」堀江 貴文著
「多動力」堀江 貴文著
「逆転の仕事論」堀江 貴文著
「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江 貴文著
「99%の会社はいらない」堀江 貴文著
「本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方」堀江 貴文著
「マンガ版 「好き」を仕事にして生きる」堀江 貴文著

2018年3月13日火曜日

「寝ながら稼ぐ121の方法」ジェームス・スキナー著

今回の本はこちら。



●書名・・・寝ながら稼ぐ121の方法
●著者・・・ジェームス・スキナー


表紙と書名は若干怪しげですが、著者のジェームス・スキナー氏はあの「7つの習慣」を日本に紹介した素晴らしい方です。


「7つの習慣」でスキナー氏は

「私の人生の目的は、世界により良い生き方を教えることである」

と気が付いたと書いていますが、この「寝ながら稼ぐ121の方法」もそんな目的に沿った、「より良い生き方」を教えてくれる一冊です。


水を汲むより川を掘る


稼ぐ、というと一般的に毎日地道に労働してその対価として受け取る”給料”をイメージしやすいかもしれません。

自分の銀行口座を一つの湖に例えると、普段の消費活動がその湖の水を飲むことです。

しかし水は有限なので、いつかは底をつきます。

それでも水を飲まないと死んでしまうので、普通の人はバケツで別の場所から水を汲んできて再びその水を飲みます。

飲み干せばまた汲み、飲み干せばまた汲み…ということを繰り返すことが、一般的に行われている労働と消費のイメージです。

しかしこれでは、私たちはいつまでも苦労して水を汲んでこなくてはいけません。

もちろん地位が上がったり労働時間を増やす(残業する)ことで汲める水の量(給料)は多少増やすことができるかもしれませんがそれにはかなりの時間も労力もかかりますし、なにより今の日本ではその時まで自分が同じ会社にいる保証もありません。


ここで、”寝ながら稼ぐ人”は別の発想をします。

寝ながら稼ぐ人はただ自分の湖から水を飲むのではなく、別の場所から自分の湖に水を引く”川”を掘るのです。

毎日毎日川を掘り、やがて自分の湖に水を供給する川が何本もできると、飲んだくらいではそうそう水は減らなくなり、むしろ増えやすくなるのです。

これこそが、”寝ながら稼ぐ”ための基本となる、重要な考え方なのです。


昨日より今日、今日より明日、楽になっていく


一筋の川を掘ることができれば、その川は自分が別の川を掘っている間も徐々に湖に水を供給し続けてくれます。

これを繰り返していくと、同じ時間をかけて同じ作業量であっても、自分の湖に供給される水の量はどんどん増えていきます。

このように「収入」そのものではなく「収入源」を増やしていくことで、「収入源」からもたらされる「収入」は積み重なりどんどん大きくなっていきます。

自分が生きていくコストをあまり変えなければ、ある時点からはどんどん収入が大きくなり、自分の自由度が増します。

自由になった時間でまた川を掘っていけば、生きるのはどんどん楽になっていきます。

こうして”寝ながら稼ぐ”ことで、「より良い生き方」を実践できるようになるのです。


売るのではなく、リースする


では実際、どうやって川を掘るように「収入源」を作ったらいいのでしょうか。

例えば、ある一つの商品を作ったとします。

この商品を誰かに販売すれば、もちろんその商品の代金という「収入」を手に入れることができます。

しかし再び「収入」を得ようとしたら、また別の商品を作って販売しなければなりません。

これではいつまでたっても自分は商品を作ることはやめられず、自由にはなりません。


ここで、この商品を売るのではなくリースする(貸す)ことにします。

すると、一度リースをして代金を受け取った後にその商品は手元に戻ってきます。

この戻ってきた商品を再びリースすれば、再び代金を受け取ることができます。

これならば、一つの商品で何回も収入を手に入れることができ、立派な「収入源」となるのです。


まとめ


書名の「寝ながら稼ぐ121の方法」の通り、この本では上記以外の例もあと120(!)個も載っています。

ブログの広告収入から不動産投資までその種類は様々ですが、基本的な考え方はすべて「水を汲むより川を掘る」です。

日本人はどうしても労働して対価を得る稼ぎ方に美徳を感じる人が多いですが、その働き方はもはや過去のものになりつつあります。

それにお金というのは労働の対価としてもらうものではなく、価値創造の対価としてもらうもの。

たとえ寝ながらでも稼ぐことができるということは、それだけ持続的な価値を世の中に与えているという素晴らしいことなのです。


この「寝ながら稼ぐ121の方法」の全てとまでは言いませんが、自分に合ったいくつかでも試して、自分の湖に続く川を掘りましょう。

そうすることで自由度が増し、「より良い生き方」を実現することができるのです。




関連書籍記事
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽著


2018年2月15日木曜日

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽著

今回の本はこちら。



●書名・・・お金2.0 新しい経済のルールと生き方
●著者・・・佐藤 航陽


タイトルの「お金2.0」とは既存の「お金」ではなくその先のお金。

僕たちが普段使う「お金」とは違う、新しい概念としての「お金」です。

「お金」とはそもそも価値を交換するツール(道具)でしたが、テクノロジーの進化や社会の変化によりその役割は変わりつつあります。

お金のためではなく、価値のために働く


最初お金は、移動させるのが難しい「価値」を持ち運びやすくするために生まれました。

生鮮食品や農作物などの価値は持ち運びも大変だし時間と共に腐ったりして毀損してしまいます。

それら保管の難しい「価値」を一時的に「お金」に変えることでまた別の「価値」と交換しやすくする大変便利な道具でした。


それから時代は進み、今僕たちは「お金」を得るために働き、その労働で得た「お金」を「価値」と交換して生活しています。

しかしインターネットなどのテクノロジーの進化により、それまでは保管や移動が難しかった「価値」を容易に移動させたりできるようになったためこの状況は劇的に変わろうとしています。

これからは己の価値を高めるため、また他人に与える価値を増やすために働くことが重要な時代になってきたのです。


テクノロジーの進化により「お金」は「絶対的な価値」ではなくなってきている


そもそも価値というのは目に見えにくいため、現物としてわかりやすい「お金」などが単純に「価値」として認められてきました。

しかしSNSなどの普及により実際にはまだお金は発生していなくとも、「注目度」や「感情」などの価値が徐々に可視化されてきました。

こうなると、これまでの資本主義経済では見えにくいため"存在しない"とされてきた「価値」も存在するものになり、それこそ「お金」と交換することも出来るようになります。


また、自分が生み出した「価値」を他の「価値」と直接交換することも出来るようになるため「お金」そのものが必要なくなる可能性もあります。

もちろんお金にも利便性はありますから存在はし続けるでしょうが、他に価値を媒介する手段が生まれたりそもそも価値のために働いたりと、これからの社会では「お金」だけが絶対的な価値ではなくなっていくでしょう。


「価値」を「お金」に転換する


例えばTwitterのフォロワーや、Youtubeの再生回数や視聴者数。

これらの数が多いことはつまりその人が注目を集めているということですが、この”注目度”というのもそのまま価値です。

見てくれる人が多ければ広告収入も発生させられますし、自分のわからないことなどを質問すれば多くの人が答えを教えてくれたりもするでしょう。


また、素晴らしい事業や企画というものもこれまでは実行するのに最初から大きな資本が必要で困難な場合もありましたが、これからはクラウドファンディングなどで広く資金を集めることも可能になります。

これもその企画に賛同したり期待したりという、感情という”価値”をお金に換えているのです。

テクノロジーが進化したことで、誰にでも「価値」を「お金」に換える道が開かれた時代になったのです。


まとめ


テクノロジーの進化により「価値」を「お金」と交換することが容易になりました。

つまり相対的にお金そのものの価値は下がってきているといえます。

また、価値を高めることで結果的に多くのお金を稼ぐことができるので、これからの仕事を選ぶ基準もこれまでとは変わってきます。

自分がとにかく情熱を燃やせるものを追いかけるのが、これからの時代の働き方になるでしょう。

なんだか「お金2.0」というタイトルとは少し離れた内容に感じるかもしれませんが、それこそが「お金2.0」という”今のお金の先を行くお金”なのです。


今回はお金と価値という点からこの本について紹介しましたが、この「お金2.0」ではほかにも「自ら発展する経済圏の作り方」や「自立分散」、「価値主義」といったこれからの世界を理解する上で重要な事柄についても数多く書かれています。

決して難しく書かれているわけではありませんが、時代の流れを見通すために必読の一冊です。






関連書籍記事
「未来に先回りする思考法」佐藤 航陽著

2018年1月29日月曜日

「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」リンダ・グラットン著 池村 千秋訳

今回の本はこちら。



●書名・・・ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
●著者・・・リンダ・グラットン


これからの「良い未来」を選び取るために、我々は"働き方の3つのシフト"を行わなくてはならない


昨今のテクノロジーの進化や社会の発展には目を見張るものがあります。

しかし、この社会の変化に対しただ受け身の態勢でいたのでは、未来は暗く悪い方へと変化していってしまいます。

逆に良い未来に変化させていくためには、我々がこれまでの働き方をシフト、つまり変えていかなくてはなりません。

そのシフトとは

  1. ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  2. 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  3. 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

という、3つのシフトです。


ではなぜ、これらのシフトをする必要があるのでしょうか。


テクノロジーの進化や社会の変化により、未来の生活が変わっていく


未来が変化していく要因は主に5つあります。

  1. テクノロジーの進化
  2. グローバル化の進展
  3. 人口構成の変化と長寿化
  4. 社会の変化
  5. エネルギー・環境問題の深刻化

過去から現在に変化した時にもこの5つの要因は作用しましたが、今後はさらに早いスピードかつ世界規模で影響を及ぼしてきます。

例えば、テクノロジーの進化として最近ではインターネットの普及が大きなものですが、これによりグローバル化も進みましたし社会のスピード感が急に速くなりました。

また、エネルギー問題は世界の喫緊の課題ですし、今後の生活にも大きく影響してくるでしょう。

これらの要因により変化していく社会で、より良い未来を選び取るためには先に紹介した"働き方の3つのシフト"が必要になってきます。


同じ要因から別の未来が待っている


未来が変化していく要因からどんな結果が予想されるのでしょうか。

例えば将来テクノロジーの進化によりネット通信はより容易なものになり、AIによる言語の同時通訳も進むでしょう。

さらにエネルギーの枯渇により消費量が制限され、車や電車による移動もかなり高コストになると予想されます。

これらのことから未来では、家に居ながらにしてネットを通じ世界中の人と仕事をする人が増えていくでしょう。

これは簡単かつ低コストで世界中の専門家とコミュニティを作れる反面、下手をすると各個人の生活がとても孤独で寂しいものになる可能性もはらんでいます。

このようにいくつもある未来の可能性の中で、自らの意思で「良い未来」を選び取ることが重要になってきます。


まとめ


これからの社会はこれまでよりもさらに大きく変化していきます。

そして様々な可能性がある未来の中で「良い未来」を選び取るためには、「働き方の3つのシフト」が必要になってきます。
  1. ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  2. 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  3. 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
これらのシフトを主体的に行うことで、より「良い未来」を選ぶことが可能になります。


この「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」では、これら働き方の3つのシフトや未来が変化する5つの要因についてかなり詳細に書かれています。

また、この変化を含めたいくつもの未来を、2025年におけるいろんな国の架空の人物の生活を紹介することでわかりやすく説明しています。

架空といっても、どれも今の世界から続いた現実味のある予想ばかり。
自分のこれからの生活にも大いに参考になるものばかりです。


未来は誰の前にも広がっていますが、ただ漫然と迎えるだけではそこには暗い未来が待っています。

大事なのは選択肢をよく理解し、自分で主体的に選び取っていくこと。


この本はその主体性の重要性やいま世界で起こりつつある変化も理解しやすくなる、この時代の変わり目に必読の1冊です。



2018年1月21日日曜日

「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」ちきりん著

今回の本はこちら。



●書名・・・未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
●著者・・・ちきりん


ブロガーや文筆家として人気のちきりんさんによる、これからの働き方についての本です。

ちきりんさん自身はじめは証券会社で働いていて今はブロガーになっているように働き方を変えた1人ですが、これからは誰もがそういう"働き方を変える"可能性を考えて生きていく必要があるとこの本では書かれています。


職業人生は二回ある


従来の働き方では、例えば新卒でどこかの企業に就職し定年までそこで勤め上げ、老後は悠々自適に暮らす…というような、一生涯でひとつの場所で働き続けるというスタイルが主流でした。

しかしこれからの時代もこの従来型のスタイルが最適かというと、必ずしもそうではありません。

ならばいっそ最初から「職業人生は二回ある」と考え、どこかで働き方を変える選択肢を織り込んで働くことをちきりんさんは推奨しています。

ではなぜ従来型の"一生涯ひとつの場所で働き続ける"というスタイルが最適ではなくなったのでしょうか?


長寿化と社会の変化で「一生ひとつの仕事」は非現実的になった


医療技術の発達などから先進国を始めどの国でも寿命が延び、長寿化・高齢化が進んでいます。

それに伴い定年の時期が引き上げられたりはしていますが、それでも従来型の働き方ではいわゆる"老後"という期間が延びその分の生活費などもかさんでいきます。

しかしお金を稼ぐために単純に働く期間を延ばせるかというと、体力的にも衰えているのでそれもなかなか難しい。

70代になってから30代や40代の時と同じ仕事をフルタイムでやる…というのは、正直ほんの一握りの人にしかできないと思います。

そのうえ高齢まで働くほど、自由を期待した"老後"は短くなり、体力も衰えそのわずかな自由すら謳歌することが出来なくなるかもしれません。


またこれからの時代、どんな大企業であっても自分が定年退職するまで無事に存続しているかは保証できません。

自分の人生の大事な時に急に働いている企業が潰れたりリストラされ、予期せぬタイミングで途方に暮れるということもあながち他人事ではないのです。


このように"一生涯ひとつの場所で働き続ける"というスタイルが時代にそぐわなくなった今、もっと働き方を柔軟に考える重要性が増してきているのです。


大企業に所属することへの価値観も変わってきた


企業や社会だけでなく、働く人たちの心・価値観も変わってきました。

その企業で働きたいと思うのは当然その人にとってメリットがあるからですが、何をメリットとするのかは、時代と共に大きく変化してきているようです。

例えば昔から大企業で働きたいという人が多いのは、報酬が高かったり企業名によって周りからの評判が良かったり、企業として安定していて潰れにくいということにメリットを感じた人が多かったからです。

しかし最近では、

・いくら報酬が高くても拘束時間が長すぎる(自分の時間を優先したい)
・その企業を辞めたからといって周りからの評判が落ちるかといえば、必ずしもそうではない
・どんな企業も絶対安心ということはない

など、その人の求めることの優先順位が変わったり社会のイメージが変わったり、メリットそのものが確実なものでなくなったりしています。


このような人が増えている現代ではこれまでの"大企業"はそこまで魅力を感じる存在ではなくなり、逆により柔軟な働き方を認めている企業に人気が集まることもあるのです。


まとめ


社会はどんどん変化しています。

しかもその変化のスピードは年々加速し、ほんの少し未来のことを予測することすら本当に難しくなっています。

そんな時代に「一生ひとつの仕事」を続けるというのは、リスクも大きいしなにより"本当に続けられるのか"も誰にもわかりません。

だったら、最初から"途中で働き方を変える"と思って働き始めましょう。

二回目は一回目よりも多くのことを経験している分、きっとより良い働き方が出来るはずです。

別に二回に限らなくてもいいし、同じ仕事でも働くリズムを変えるなどやり方はいろいろあります。

大事なことは、自分がどういう風に働いていたいのか、自分で主体的に考えることです。

時代は進み、個人の選べる選択肢は増えました。


いまいちど、本当はどういう生き方を望んでいるのか、しっかり自分と向き合って考えていきましょう。