人生読本~20代からの読書日記~: 「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」勝間 和代著

2017年6月28日水曜日

「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」勝間 和代著

今回の本はこちら。


●書名・・・無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
●著者・・・勝間 和代著
●価格・・・1500円+税

勝間和代さんによる、時間術についての本です。

この本では、”同じ成果でもかかる時間を短縮し、余った時間でさらに他の時間管理法を考えること”を投資として考え自分の時間効率(同じ時間あたりどれだけの成果があったか)を向上させる方法が説かれています。

勝間さんは「有意義で生産性が高く、かつ、高収入につながる時間」を「黄金の時間」と定義して、

勝間式「黄金の時間の5原則

を、成果が出る時間管理法の原理原則として説明しています。

その5原則とは

原則① 時間を作るためには、あらゆる面の投資を惜しまない
原則② 単位時間当たりの成果に、固執する
原則③ 必要以上に「いい人」にならない
原則④ やりたくて、得意で、もうかることを優先する
原則⑤ スケジュールはゆったりわがままに設定する

以上の五つです。

この「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」では、この原則を中心にしたさまざまな具体的時間管理法が書かれています。

この本は出版されたのが約10年前(2007年)なので、パソコンやIT関連の道具に関しては書かれている内容が多少古くなっていますが、それでもその考え方は現在でも十分読む価値のあるものです。
それに10年前の本に書かれているITスキルの改善ですら、現在できていない人は多いでしょう。

それでは実際に「黄金の時間の5原則」を実行するには、どんなことに気をつければよいのでしょうか?


①実行できる人とできない人の違いは、「(誰でも弱い)意志を、いかに手法やスキルで補って、習慣化できるようにしているか」


世の中に時間術や時間管理法について書かれた本は山ほどあります。
それはつまり、時間管理が”できない”人が多いということでもあります。

しかしもちろん”できる”人もいます。両者の違いは何なのでしょうか?

「できる人はもともと意志が強いのだ」と考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。
できる人は、”続く仕組みづくり”をするのが得意なのです。


生活の中に新たな時間術を取り入れるということは、”新たな行動”をする必要があるということです。

しかし誰でも経験があると思いますが、”新たな行動”というものはなかなか続きにくい。

ここで挫折してしまう人が多いわけですが、それならその行動を続けやすい工夫を考えればいいわけです。

たとえば、

その行動に取り掛かるための最初の手間を減らす。
記録をつけて日々の変化や成果を目に見える形にする。
移動時間に読書をするなど、普段の行動に紐づけて生産性を上げる。

など。

このように工夫して続けやすくすることでそれが成功体験になり、またその成功体験をすることで、成果の出るまで時間のかかることも辛抱して習慣化することができるのです。


②「思いやり」と「奉仕」を間違えてはいけません。自分の価値の出ない仕事を断ったり、参加しないというのは、相手に対して思いやりがあることなのです。


これは「黄金の時間の5原則」の”原則③ 必要以上に「いい人」にならない”とも関連しています。

どんのなものでも新しい行動を行うためには、まず現在やっていることを減らし新しいことを行うための時間(余裕)を確保しなくてはなりません。

しかしもし自分が”必要以上に「いい人」になって”他人から頼まれたことを全て受け入れていれば、自分のスケジュールはすぐにいっぱいになってしまいます。

こういう人の考え方の特徴として「せっかく自分を頼ってくれたのだから、断るのは相手に申し訳ない」という”相手を思いやったもの”がありますが、これは決して真の思いやりではありません。

なぜなら相手はそもそも誰でもいいけどダメ元で頼んだのかもしれないし、自分がその仕事に適任かどうかもわからないからです。

だからいったん立ち止まって考えて、その仕事は本当に自分が最適か、またその仕事をやること自体自分にメリットがあるのかを考える必要があるのです。

こう考えることで相手の仕事の生産性が上がる可能性もありますし、自分も必要以上に時間を使うことがなくなります。これはお互いの時間への思いやりです。

これに対しただ従うのは奉仕であり奴隷。
あくまで人は対等なのですから、相手ばかりではなく自分の都合も優先するべきなのです。


③毎日、同じ作業が続くものなら、ひょとしたらこの作業を短縮できないか、ということを考え続ける


人は一日の大半の時間を”昨日と同じこと”をして過ごしています。
そしてその習慣の一つ一つは、5分~10分程度の細かい作業の積み重ねでできています。

これらは毎日やることだからこそ、ほんの少しの時間短縮に成功するだけでも、長い目で見て大きな違いを生むのです。

またかかる時間が同じでも成果を上げることができれば、それも時間効率のアップとなり時間短縮と同じ効果が得られます。

そのためには、日々行うことの時間を計測し、新しい方法をどんどん試し、少しずつでも時間効率を改善していく姿勢が必要不可欠です。

ひとは時間と共に環境や能力が少しずつ変わっていきますから、ベストな方法というのもその時々で違ってきます。
これに合わせるためにも、日々のたゆまぬ改善が大切なのです。

ただし、ひとつずつでも確実にやることを優先するべきです。
なぜなら人にはホメオスタシス(恒常性)というものがあり、極端に変化してしまうともとに戻そうという力が働いて結局習慣を変えることができないからです。

しかし少しずつでも変えていくことで、のちの大きな変化につながります。



時間効率を向上させるためには、まずやることを減らし時間に余裕を作る。
そして効果を測定しながらこれまでやってきた方法を改善したり、より良い行動を実践する。

そして知識や道具など、時間効率を上げる可能性のあるものへの投資は惜しまず、常に改善を続けることです。

2007年の本ではありますが、その原理原則は少しも色あせることがありません。

この本の中には

ワークライフバランスを実現するため、日本人全体が時間への意識を高めなければなりません

という一文があるのですが、はたして10年経った現在、その”ワークライフバランス”は実現されたのでしょうか。

言葉こそよく聞くようになりましたが、実態としてはさらに悪化しているような気さえします。

このような現状を変えるためにこそ、やはりこの本の内容は役に立ちます。

現在こそ、「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」を実践し、時間効率を向上させるべきなのです。






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