人生読本~20代からの読書日記~: 「すごいメモ。」小西 利行 著

2016年5月22日日曜日

「すごいメモ。」小西 利行 著


●書名・・・仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
●著者・・・小西 利行
●価格・・・1400円+税


タイトルの圧がすごいですね。


今回は、普段の仕事に欠かせない、そのくせ油断すると自分でもよく分からなくなりがちな”メモ”についての本です。




まずこの本では、「メモは腐る」という前提で話が進められます。メモが腐るとはどういうことかというと、何か重要な内容やふとした思い付きでメモをとっても時間が経つと書いた内容がよく分からなくなりメモした情報を扱いきれなくなってしまうということです。これはメモを書いた当初は比較的鮮明に残っている記憶が薄れることで起こります。


こうなると大量にとったメモはもはやゴミの山。


ならもうメモなんて取らなくてもいい!・・・と、なってしまうわけですね。




こんな事態を避けるためにこの本ではメモの取り方を大まかに3種類に分け、未来の自分に分かるような、そしてそのメモからさらに創造的な仕事ができるような技術を教えてくれます。


その3種類とは、


・まとメモ(情報をシンプルにまとめて、仕事を効率化するメソッド)
・つくメモ(メモを使って、アイデアをザクザク生むメソッド)
・つたメモ(メモを使って、大切なことを伝えるメソッド)


です。


この下にさらに具体的なメモ術がいくつもあるのですが、著者はこれらを総称して「未来メモ」と言っています。未来のために役立つメモということですね。


ではそのメモ術の中から、個人的に特に気になったものをいくつかご紹介します。




①記号 VS、?、〇✖、☆、⇔(まとメモ)

まとメモでは記号を使ったメモ術が多く紹介されています。
これらの記号はとりあえず付けておくだけでも、時間が経ってからメモを見返したときに考えるとっかかりとなり思考を前進させてくれます。それに記号は文章よりも感覚的に理解できるため、一瞬でイメージが湧くという利点もあります。


一見単純ですが、あるとないとでは時間が経ってからのメモの有用性に天と地ほどの開きができてしまう、重要なメソッドです。


②ハードルメモ(つくメモ)

何を行うにしても、そこに具体的な目標があった方が達成率は高まります。ですが目標というものは、ともすると難しく考えてつい抽象的になりがちでもあります。


例えば僕は俳優なので、舞台などに出演するときに
「いい作品にする」
という目標を持って作品作りに臨みます。


これ自体はもちろん大事なことなのですが、やはり少し漠然としていて、何から手を付けていいのかわかりにくいですね。


そこでこの目標に少し書き加えて、


「それは本当に、いい作品にすることができるか?


とします。


急に思考の方向性が変わったのがわかるでしょうか?
この「それは本当に~か?」をつけることによって様々なアイデアを考える上での基準が頭の中にでき、それによる行動を促すようになります。


このように目標を「ハードル化」することによって、いろんな情報で混乱することを避け課題の方向に進むことができるようになります。これを「思考のルール化」といいます。


この思考のルール化を行うことで自分が考えやすくなるのはもちろん、チームで仕事をする際にも方向性を共有しやすいので、成果が出やすくなります。


③スピーチメモ(つたメモ)

スピーチのヒントは書籍のタイトルにある。
不思議な組み合わせですね。
ですが、書籍のタイトルとは、その本の内容をまったく知らない人が少しでも興味を持つように考えられて作られます。そこには”興味のない人が興味を持つプロセス”つまり「思考の顕在化」のメソッドが詰まっている、とこの本には書かれています。


例えば「なぜ○○は××なのか?」


こういうタイトルの本は今でも本当に多いですね。そして僕も実際こういうタイトルの本を見たら一瞬気になってしまいます。
その理由としては、人の興味は「疑問と解決」の間にあるからだそうです。
たしかに物語なども最初の方で観客に大きな疑問を提示して、そこで興味を持ってもらうことで終盤の解決まで(もしくは解決しないという結末まで)観てもらうことが可能になります。


他にも具体的な数字があると興味を持ったり、「○○だけど××やってみた」や「○○力」なども強い力を持っています。


ということは。


これらをスピーチに応用すれば興味のない人にも話の内容に興味を持ってもらうことができるのです。


応用といっても難しいことではなく、単純に書籍のタイトルをまねてしまえば大丈夫。


「君は、○○を知っているか」


こんな始まり方をするスピーチならつい聞いてしまいそうです。


このスピーチメモのコツは
・書籍のタイトルに似せて作り、人の興味を惹くこと
・画面に1行だけメモを出して、それを見ながら話すこと
・聞き手と同じスタンスで疑問を解決していくということ


これらを踏まえるだけで自分でもスピーチがしやすくなりますし、聞き手からもスピーチ上手と思われることでしょう。






こんかいご紹介したメモ術はほんの一部ですが、このように未来メモには単純さからは計り知れないほどの強い力を感じることができます。
これらを使い仕事の効率を上げ、どんどん新しい道を開いて前進していきたいものです。





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