人生読本~20代からの読書日記~: 8月 2017

2017年8月6日日曜日

「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著

今回の本はこちら。


●書名・・・すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論
●著者・・・堀江 貴文


学校に植え付けられた”常識”はいらない


ホリエモンこと堀江貴文さんによる教育についての本です。

これまでも堀江さんの著書の中で軽く教育について触れていることはありましたが、この本では丸々一冊費やして堀江さんの教育観を語っています。

タイトルの「脱・学校論」からもわかるように、この本で扱う「教育」とは教育機関=学校のことです。

そして堀江さんは全ての学校とはすなわち「常識の洗脳機関」であると断じています。

この誰しもが学校に植え付けられた”常識”という洗脳を解き放ち、それぞれのやりたいことに没頭していくのがこれからの生き方であると語っています。

”従順な労働力”は今後必要なくなっていく


学校=洗脳機関というのは、その成り立ちから見るとわかりやすいです。

ヨーロッパの産業革命期、産業の中心となった工場を支える労働力を育てるところからいわゆる学校は始まりました。

当時の工場の生産性というのはそのまま国の軍事力に直結しています。

この生産性を上げることがそのまま国力となっていたわけです。

そしてこの価値観は、そのまま日本にも受け継がれました。

社会に出たときに会社が扱いやすい社員になるように”常識”を叩き込む場所、それが現在に至るまでの学校なのです。

しかしロボットやAIの誕生により、いままで人間がやっていた単純作業はどんどん仕事としてはなくなっていきます。

そうなると、上の言うことを従順に聴いてひたすら働く能力というのはもはや必要なくなります。

それにインターネットが発達した現代では、必要な知識をその都度調べることも非常に簡単になりました。

となれば、自分の好きなことに没頭しそれについての知識を深めることでAIなどにはまねできない仕事をしていくことが今後はより簡単になっていくのです。


やりたいことに没頭して新たな価値を生み出す


これはなにも今に始まったことではありません。

レオナルド・ダ・ヴィンチやニュートン、アインシュタインだって自分の興味の対象に没頭し続けたにすぎません。

しかし彼らとの違いは、インターネットの普及によってとにかく情報を手に入れるハードルが下がったことにつきます。

そしてそれは同時に、情報の発信も容易になったといえます。

何かに没頭して専門性を高め、それをインターネットを使い様々な形で発信していくことで興味の対象はそのまま仕事になります。

誰でもできる仕事を誰もができるようになるための”常識”を植え付ける機関としての学校の役割は、すでに失われつつあるのです。


まとめ


インターネットの登場により情報へのアクセスは容易になり、また社会や国という境界すらなくなりつつあります。

そんな時代の流れに対応せず、画一的な過去の価値観を教え続ける「学校の教育」は確かに洗脳に近いものがあります。

しかしどんな組織や存在も、必要性があってそこにあります。

その必要性が変わってきているのですから、教育の在り方も堀江さんの言うように変化していくでしょう。

既に教育という洗脳を受けてしまった人たちもその呪縛から解き放たれ、自分のやりたいことに没頭する。
そんな時代が来るはずです。


この本には他にも、

  • G人材とL人材
  • タグ付けによる自身の価値の向上
  • これからの働き方

など、教育について他の著書よりも一歩も二歩も踏み込んだ内容が書かれています。

堀江さんの他の本を読んで気になった人が読めば、より理解を深められるでしょう。




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2017年8月2日水曜日

「何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術」山口 拓朗著

今回の本はこちら。

●書名・・・何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術
●著者・・・山口 拓朗


「うまく」「はやく」書けない人へ


ブログやSNSがかなり普及してきた最近では、個人で文章を書き発信することがかなり簡単になりました。

しかし実際文章を書こうと思ってみても、そもそも何を書いたらいいかわからない人も多いと思います。

また既に何かしらのメディアで文章を発信している人でも、頑張って書いてはいるけれどもなんとなく内容がパッとしなかったり思っていることを伝えきれていないと感じている人もいるかもしれません。

この本はそんな「何を書いたらいいかわからない」「上手い文章が書けない」と悩んでいる人に向けて書かれた本です。

この本に書かれている「書く前の準備」をしっかり行い、実際に書き始める際にも「文章フォーマット」をつかうことで「うまく」「はやく」文章を書くことができるのです。


なぜ「書く前の準備」と「文章フォーマット」が重要なのか?


ただ文章を書くだけならだれにでもできますが、「上手い文章」「わかりやすい文章」となるとそう簡単ではありません。

”文章を書く”というとその書く行為だけを想像してしまいますが、実際には自分の中に書きたいことがあってその情報を相手に伝えるために”書く”という行為に及ぶのです。

自分の中の書きたいことやそれについての情報が整理されていないと、そこから出てくる文章も散らかった、わかりにくいものになってしまいます。

また文章を書いて自分の想いを相手に伝えるためには、それに適した文章の流れがあります。

読む相手も人間ですから、その心を動かすためにはただ押し付けるだけではいけないのです。


実際に行う「準備」と「フォーマット」


この本では、文章を書く前にその内容についての情報を整理したうえで、以下の項目を考えるよう書かれています。

  1. 読者ターゲットを明確にする
  2. 読者ターゲットのニーズを把握する
  3. 文章の目的を明確にする
  4. 読者の反応を決める
  5. メッセージをひとつに絞る
  6. 文章の切り口を工夫する
  7. 文章のレベルを決める
  8. 文章のテイストを決める
これらの項目をひとつひとつしっかり考えて決めることで、「伝えたい相手」に「伝わる」文章を書きやすくなります。

またこれらの項目が文章を書く上での見取り図の役目も果たしてくれるので、文章を書きあげて見直す際にも目的とずれていないか確認するのに役立ちます。

これらの項目を決め準備が整ったら実際に書いていくわけですが、その時もただ漫然と書くのではありません。

この本に書かれている「文章フォーマット」を活用することで、迷いなくわかりやすい文章を書くことができます。
  • 結論優先フォーマット
  • 物語フォーマット
  • 主張フォーマット
  • SNS紹介・宣伝フォーマット

これらのフォーマットを使うことで、それぞれの文章の目的に沿った流れが書きやすくなります。

たとえば結論優先フォーマットなら
①結論→②理由→③具体例→④まとめ

と書いていくことで、自分も何を書くのか見失わずに、読む人にもわかりやすい文章が出来上がります。


まとめ


「文章を書く」という誰にでもできることだからこそ、やり方を知っているかどうかでその成果に天と地ほどの差が開いてしまいます。

個人の発信スキルが重要になってきている現代で「うまく」「はやく」書く方法を知ることはそれだけで頭一つ抜け出す材料となるのです。

今なんとなく文章を書いていてこのままでいいのかと悩んでいるのなら、ぜひ読んで損はない一冊です。