人生読本~20代からの読書日記~: 4月 2018

2018年4月27日金曜日

作業を徹底的に効率化する!「光速パソコン仕事術」ヨス著

今回の本はこちら。



●書名・・・効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術
●著者・・・ヨス



どんな作業でも「もっと効率化できないか?」と考える


著者のヨスさんは「効率化の鬼」と言われるほど自他ともに認める効率化オタク。

そんなヨスさんが書いたこの「光速パソコン仕事術」ではパソコンでの作業を効率化できる様々な方法が書かれていますが、本当に重要なのはその考え方。

つまり普段行っているいろんな作業をあらためて見つめなおし、自分の頭で「これはもっと効率化できないだろうか?他にいい方法はないだろうか?と考え続けることです。

この本に書かれているそれぞれのテクニックをマネして取り入れるだけでももちろんかなりの時間短縮ができますが、考え方そのものを取り入れれば今後どんな作業でも効率化していくことが出来ます。

これはパソコンに限ったことではありませんが、普段の何気ない行動に疑問を持ち効率化する方法を探したり工夫する思考回路が、自分の生産性を飛躍的に向上させるのです。


効率化のために投資した時間は、あとで何倍にもなって返ってくる


考え方が大事だとは言ってもやはりこの本で紹介されているテクニックもそれぞれ効果的で魅力的です。


中には1秒単位での時間短縮をするものもありますが、

「そんな短時間短縮してどうするの?」

と思う人もいるでしょう。

しかしこの"1秒"が、大切なのです。

もし1日に10回行う作業を、1秒短縮することが出来たらどうなるでしょうか?

1日で10秒の短縮。

1ヶ月で5分(300秒)の短縮。

1年で1時間(3600秒)の短縮。

そしてこの1秒短縮をさらに10種類やったら?100種類やったら?

ここまでくれば効率化のために調べ物をしたり設定をすることに使った数分~数時間なんて簡単に回収できます。

しかも投資した時間を回収した後もずっと時間を生み出し続けてくれます。

この効率化によって生み出した時間をさらなる効率化に投資することによって、時間効率を雪だるま式に改善していくことができるのです。


王道のショートカットから単語登録、ブラウザの設定から情報共有まで様々


この「光速パソコン仕事術」には作業を効率化するための様々なテクニックが紹介されていますが、その多くは誰でも簡単にできるものばかりです。

単語登録やブラウザの設定など若干手間のかかるものもありますが、上記のようにその時間は今後パソコンを使っていくうえで簡単に回収できますしそもそも本の中で設定方法などが丁寧に説明されているので決して難しいものではありません。

実際僕もこの本を読み進めながらすぐできるものはどんどん実践しましたし、それ以外もチェックを入れておいて順次取り組んでいく予定です。

この記事を書くにあたっても、今まで使ったことのないショートカットキーを少しずつ使い始めてその効果を実感しています。


またこの「光速パソコン仕事術」では自分のパソコンでの効率を上げる方法だけでなく、チームで働く際に効果を発揮する"情報共有"を効率化する方法も多数載っています。

具体的にはクラウドを利用したEvernoteなどでの情報の共有、Googleが提供するGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどです。

これらは他の人との情報共有が簡単なため相手とのやり取りでもかなり時間を短縮できますし、ネット環境があればどの端末でも作業ができることから「作業に使うパソコンが壊れた!どうにもできない!」という事態になるリスクを軽減することにもつながります。


まとめ


ヨスさん自身が"効率化の鬼"と呼ばれるだけあってこの「光速パソコン仕事術」には自分で調べたらかなりの時間がかかりそうなテクニックが多数載っています。

その調べる時間を短縮できるだけでもこの本の効果はかなり大きいのですが、それ以上に大切なのはやはり実践を通して"自分の頭で「もっと効率化できないか?」と考える癖をつけること"です。

この考え方の癖さえつけば、今後はどんな作業でも自分でどんどん効率化することが出来ます。


作業を効率化して時間を生み出し、その時間で人生の質を高める。

この本はその一歩を踏み出すための、大きな助けになってくれるでしょう。





関連書籍記事

「レバレッジ時間術 ノーリスク・ハイリターンの成功原則」本田 直之著
「佐藤オオキのスピード仕事術」佐藤 オオキ著

2018年4月17日火曜日

「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合 陽一著

今回の本はこちら。



●書名・・・これからの世界をつくる仲間たちへ
●著者・・・落合 陽一


現代の魔法使いともいわれる落合陽一さんの2016年の著書です。

魔法をかける人="クリエイティブクラス"になる


コンピュータテクノロジーが発達し、私たちの生活は劇的に変化し続けています。

その変化の中で、落合さんは今後人が「魔法をかける人」と「魔法をかけられる人」に二分されていくと言っています。

"魔法"とはコンピュータによってブラックボックス化された技術のことで、例えば普通の人は普段パソコンの中で何がどう動くことによってメールが使えたりネットが使えたりするのかよくわかりません。

よくはわかりませんが、中身の技術に精通していなくてもパソコンの使い方さえ知っていれば誰でもメールやネットを利用することが出来ます。

このように"魔法"の中身を知らなくても生活に支障はありませんが、例えばパソコンならプログラミングのような"魔法の中身"を知っていることでできることは格段に広がります。

このような人たちは"魔法"を知り"魔法"の力を使うことで新たな価値を創造していく「クリエイティブクラス」となるのです。


今後はコンピュータに使われる人と、コンピュータを使う人に分かれる


現在コンピュータはあくまで道具の一つとみなされており、「人がコンピュータを使う」という認識が当然されています。

しかし今後AIが発達してくると、逆に「コンピュータが人を使う」という状況も珍しくなくなっていきます。

たとえば建築現場などは「全体を見て指示を出す現場監督」がいて「実際に手を動かし建物を作る労働者」がいるわけですが、AIが発達して作業の指示を人間の現場監督よりも効率的に出せるようになればAIの指示で各労働者が作業に取り掛かるという状態に変化していきます。

このとき人間の労働者はAIの末端機関として作業をするわけですから、「コンピュータが人を使う」という状態になっているわけです。

他にも同様の変化が起きてくる業種は多数あるでしょう。


逆に、人間が考えたことをコンピュータの力を借りて実現してくと言うようなこともこれまでより多くなってきます。

発達したAIや蓄積されたビッグデータは、今まで以上に強力に人間を手助けしてくれることでしょう。


これらはどちらが優れているかという話ではなく、あくまで個人の生き方の選択の問題です。

しかし、コンピュータに使われる側の人間というのは替えが効くのでどうしても大きな価値は生み出しにくいでしょう。

己の価値を高めコンピュータを使う側になるためには、"魔法をかける人"になる必要があるのです。


"魔法をかける"ことができるほどの専門性は、コンピュータにはない「モチベーション」によって身につく


"魔法をかける人"になるためにはいくつもの能力が必要なのですが、その中で重要なのが「専門性」です。

専門性はどうしても気になる疑問を考え抜いたり、好きなことを突き詰めたりすることで獲得することが出来ますが、その原動力となるのは「これがしたい」「これを知りたい」というモチベーションです。

そしてこのモチベーションという力はコンピュータにはありません。

コンピュータは指示されたことをやったりものすごい数の作業を淡々とこなすのは得意ですが、今のところ自発的に「これをやりたい」といったようなモチベーションを発揮することはできません。

これこそが現時点での人間とコンピュータの違いであり、人間がコンピュータに対して持っている優位性の一つなのです。

このモチベーションをもって専門性を高め、自分の価値を確立することで今後の世界のどこでも活躍できる「魔法をかける人」になることができるのです。


まとめ


これから先の世界でコンピュータに使われる"魔法をかけられる人"ではなく創造性に富んだ"魔法をかける人"になるには様々な能力が必要です。

この「これからの世界をつくる仲間たちへ」ではコンピュータによる今後の社会の変化、またそれに対応し"魔法をかける人"になるために必要なことなどがかなり詳しく書かれています。

文章もロジカルでありながら落合さん自身の「モチベーション」も感じることができ、不思議な読みやすさを感じました。


これからの世界で自分の専門性を高め"魔法をかける人"になる、ひいては今後の自分自身の生き方の指針にもなるような、そんな大きな可能性を秘めた一冊です。






関連書籍記事

2018年4月5日木曜日

「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン著

今回の本はこちら。



●書名・・・エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
●著者・・・グレッグ・マキューン


最近漫画版も出版された、ビジネス書の良書です。

インターネットやスマホの普及により人々が得られる情報は増えコミュニケーションの速度は格段に上がりましたが、そのスピード感の中で消耗し自分が今何をしているのかさえ把握しきれないほど忙しい人が続出しています。

この本ではそんな複雑で煩雑な多くの物事の中から本当に重要なものに自分の時間やエネルギーを集中して投資するための思考法、「エッセンシャル思考」を教えてくれます。


今、自分は正しいことに力を注いでいるか?


世の中にはありとあらゆる選択肢やチャンスが転がっています。

しかもその多くは魅力的なもので、実際に大きな結果がついてくるものも数多存在します。

目の前に現れたチャンスについ飛びついてしまいがちですが、本当にそれでいいのでしょうか?

たとえそのチャンスが魅力的なものだとしても、今の自分にとって本当に重要なものなのでしょうか?

多くの人は深く考えずチャンスに飛びつきます。
いや、本人は考えているつもりでも、それが目の前に現れてから考え始めては間に合いませんし、そもそも忙しすぎて深く考えるほどの時間がない場合がほとんどです。

そして人には様々な制限があります。

それは日々の時間だったり、自分のエネルギーの上限だったりします。

そもそもリソースの限界があるのですから、無駄なことに時間やエネルギーを浪費しないように常に自分が正しいことに自分の力を注いでいるかを意識しなくてはならないのです。


「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、私たちは知らず知らず何かを失っている


それに、無数のことを全部やろうとすることには明確な、そして大きなデメリットもあります。


たとえば、100の方向に1cmずつ進むとします。

これではひとつひとつの向きには当然ですが1cmしか進めません。

しかしもし同じ時間とエネルギーをかけて、たった一つの方向に進んだらどうなるでしょうか。

これまで100方向分に進んでいたエネルギーを集めると100cm=1m分も進むことが可能になります。

これは仕事や作業も同じで、多くのことを並行してやろうとするとどうしても集中力が散漫になりますし、時間も少しずつしかかけることができません。

時間もかけず集中もできない仕事にいったいどれだけの成果が出るでしょうか?


そして僕たちの自分の仕事に対する想定はどうしても甘くなってしまいます。

つまり、何かを実行すると常に自分の予想より時間がかかってしまうのです。

これが100個の仕事それぞれに起これば時間やエネルギーの浪費はますます大きくなり成果は出なくなります。

様々なことを一緒にやろうとするのは、それだけ無駄も多くなるのです。


絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである


では、時間やエネルギーの無駄遣いをなくすためにはどうしたらいいでしょうか。

答えは単純。

本当に重要なこと以外をすべて切り捨て、その分のエネルギーを残った重要なことに振り分ければいいのです。

しかしプライベートな用事でも業務上のことでも、全く重要でないことというのは実はそんなにありません。

どれもそこそこ重要に感じられるから引き受けてしまうのです。

これこそが僕たちの時間やエネルギーを奪っていく元凶。


この"そこそこ重要な案件"をどんどん切り捨てるためにはどうしたらいいのでしょうか?


それは、「採用基準をとことん厳しくする」ことで可能になります。

というか、そうしなければ無理です。基準が甘いとどんどん浸食されます。

なんとなくやりたいことではなく、どうしてもやりたいことをやる。

どうしてもと言いきれないのならそもそも受け入れない。

これくらいやって初めて自分に考える時間的余裕が生まれるし、本当に重要なことを見極めることができるのです。


より少なく、しかしより良く


エッセンシャル思考とは多くの物事をうまいこと成し遂げる技術ではありません。

エッセンシャル思考とは本当に重要な数少ない物事について、最大限の成果を出せるように自分のリソースを効率的に配分する技術です。

より少なく、しかしより良く行うための思考法なのです。


またエッセンシャル思考とは何か問題が起きた時にその対処法として用いるような類のものではありません。

常日頃、普段の生活から「より少なく、しかしより良く」を実践することがエッセンシャル思考なのです。


本の中ではエッセンシャル思考を

  1. 見極める
  2. 捨てる
  3. しくみ化する

という三つに分けて説明しています。

これらの技術を習得することで僕たちは膨大な"重要じゃないこと"から解放され、"重要なこと"で最大の成果を継続して出す方法を身につけることができるのです。


この「エッセンシャル思考」は何を行うにしても絶対に必要な考え方で、かつ一番初めに習得することでその後の作業で成果が出やすくなります。

情報が溢れ、あらゆるチャンスに手が届く現代だからこそ、この本を読む価値は限りなく大きいのです。




関連書籍記事

AmazonのPrime Reading(プライムリーディング)で本を読みました

Prime Reading:Amazonプライムの利用料金だけで、多くの本を読みまくれる


先日AmazonのPrime Readingというサービスを利用してみました。

このブログを始めた頃は紙の本を読んで記事を書いていたのですが、徐々に保管場所がなくなってきたこともあり最近はほとんどAmazonのkindleを利用して電子書籍で読んでいます。

他にも日常生活でAmazonを使う機会が多いので有料会員制度であるAmazonプライムを利用しているのですが、最近になって「Prime Reading」というサービスが増えていることに気が付きました。

このサービス、なんとプライム会員であれば数多くの本・漫画・雑誌などが読み放題というもの。

気にはなってる本だけどどうも決心がつかなくて購入は迷ってる…なんて本があるときはとても便利なサービスですので、今日はちょっとこの「Prime Reading」について書いていこうと思います。


Amazonプライムが便利すぎる


読書日記というこのブログの趣旨からは少し離れてしまうかもしれませんが、「Prime Reading」の前提としてAmazonプライムについて簡単に説明したいと思います。

ご存知の方も多いと思いますがAmazonプライムとは通販会社のAmazonにおける有料会員のことで、このプライム会員であるというだけで数多くのサービスを受けることができます。

具体的には
  • Amazon.co.jpが発送する商品の通常配送料が無料
  • 当日お急ぎ便が無料(朝注文した商品がその日の夜には届く)
  • 日時指定便が無料
  • プライムビデオにあるテレビ番組や映画が見放題
  • プライムミュージックにある音楽が聴き放題
などなど、ほかにもいっぱいあるのですがとにかくやたらめったら無料や何とか放題のサービスが充実。

このサービス群の中に様々な本が読み放題となる「Prime Reading」が追加されたわけです。





1ヶ月に一冊漫画買うくらいならAmazonプライムの方が断然安い


Amazonプライムのひと月ごとの料金は月額プランなら1ヶ月400円なのですが、年額プランで利用すると一年間で3900円になります。

これを12ヶ月で割ると…なんと1ヶ月325円!

例えば月に一冊でも5~600円くらいの漫画本買うくらいなら、1ヶ月325円のプライム会員料金を支払い「Prime Reading」で漫画を読んだ方が圧倒的に安くなるのです。
(もちろん一冊1500円前後のビジネス書なんて言わずもがなです)

しかもこれ、ただ本を読むだけの値段じゃないんです。

上記の通りプライム会員になると様々なサービスを受けることができるので、この325円にはその値段も含まれることになります。

例えばプライムビデオで多くのテレビ番組や映画が見放題。

僕は漫画や図表が多い本を読むためにFire HD 8 タブレットを持っているのですが、同じAmazonの商品なのでプライムビデオもスムーズに視聴することが出来大変重宝しています。


また、通常の商品を通販で購入するときの配送料。

これもプライム会員なら多くの場合通常配送料が無料になります。

しかも当日お急ぎ便や日時指定便も無料になるので、商品を注文した時に何も操作しなくても到着予定がその日の夜になっていたりします。


配送料に関しては4月4日現在、ついにAmazonから値上げの発表がありました。

"有料会員でない"場合、代金が2000円未満の商品の配送料はこれまで350円でしたが、これが400円に値上がりします。

値上げする前からではありますが、月に一回以上Amazonで何か買い物をする方でしたらプライム会員になって月額利用料を支払った方が75円も安くなります。

そしてこの差は注文する回数が多ければ多いほど開いていきます。


ここまで書いてきてAmazonがなぜこの料金の安さでこれだけのサービスを提供しているのが正直全く理解できませんが(いや囲い込みなのはわかってますがそれにしたって安すぎる感)、とにかくなるべくコストをかけずに多くの本を読もうとすると非常に便利なサービスなのです。


2つの定額読み放題:「Kindle Unlimited」 と 「Prime Reading」


Amazonにおける定額読み放題サービスだとPrime Readingの他にKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)というのがあります。

こちらのサービスでもkindleを利用して多くの本を読むことができるのですが、個人的にはやはりPrime Readingをお勧めします。

理由は、Kindle Unlimitedでは本を読むこと"しか"できないからです。

Prime Readingならそもそもプライム会員になっているので、ほかのさまざまなサービスを利用することが出来ます。

読書という観点からみても、もし紙の本が欲しくなった時に配送料が無料になるのでコストを抑えることが出来ます。

つまり、少なくともkindleで本を読むほど普段からAmazonを利用するのであればサクッとプライム会員になりPrime Readingを利用した方が全体的にもろもろ安く済むのです。

Kindle Unlimitedは、どうしてもPrime Readingに読みたい本がないなど、次善の策として考えておいた方が良いでしょう。


まずは1ヶ月の無料お試し期間


見出しがそれこそ深夜のテレビ通販みたいになってしまいましたが…(笑)

Prime Reading、というかAmazonのプライム会員は最初の1ヶ月を無料で利用することが出来ます。

この期間はプライム会員特典をすべて通常の会員と同じように利用することができるので、もちろんPrime Readingも利用することが出来ます。

もし継続的に利用するつもりがなくても読み放題の本の中にどうしても読みたい本があれば、この無料お試し期間の範囲だけで読んでしまうというのもかなりコスパの良い方法です。

ただし注意しなくてはいけないのは、無料体験登録後はそのままにしておくと1ヶ月後に自動で有料会員に移行してしまうということです。

有料会員になったところで年間プランなら月額325円なので大したことはありませんが、それでも気になるという場合は期日をしっかり把握しておき、それより前に自動延長を無効にする設定をしておきましょう。


まとめ


僕は普段kindleの電子書籍端末で読書しているのでPrime Readingも読みやすいのですが、「本は絶対"紙"派!!」という方にもAmazonプライムの会員になること自体は上記配送料などの観点から非常にお勧めです。

代金2000円未満の商品の配送料値上げにしても、新書やビジネス書でさえだいたい800円~1500円前後なのですから、片っ端から該当してしまいます。

たとえ一冊50円の値上げに過ぎないとしても、現代の読書は量をこなすことで効果を発揮するものが多いですから積もり積もればかなり大きな損失になります。

「知らなかった」というだけで知識も懐も貧しくなってはたまりません。

最初の無料体験期間だけでも試してみて、ぜひその便利さを体感してみてください。



P.S.

僕自身のPrime Readingでは現在「10倍ラクして成果を上げる 完全自動のExcel術」を読んでいるところです。

これでこれまで全くよくわかっていなかったエクセルの"マクロ"というやつを勉強しようと思います。




2018年4月3日火曜日

「老いた親を愛せますか? それでも介護はやってくる」岸見 一郎著

今回の本はこちら。



●書名・・・老いた親を愛せますか? それでも介護はやってくる
●著者・・・岸見 一郎


著者はアドラー心理学をわかりやすく説明し大ヒットした「嫌われる勇気」を書いた岸見一郎さんです。

岸見さんはご自身のお子さんや親との関係を例にアドラー心理学について説明することがよくあるのですが、この「老いた親を愛せますか?」は岸見さんの父親が認知症になり介護することになった前後までを軸に書かれています。


岸見さんは二十代中ごろに母親を脳梗塞で亡くし、その後父親のアルツハイマー型認知症の介護をすることになります。

その看病や介護の中でそれまであまり意識していなかった親との関係が明確になり、それでいて病状によってその関係も変化していくのでともするとわれわれ子供は困惑してしまいます。

それに介護は決して楽ではありませんし、親との関係まで悪化してしまっては心身ともに疲弊する一方です。

この本ではそうならないための心構えもアドラー心理学の考え方を踏まえて優しく教えてくれます。


僕がこの本を読んだのは、実際に僕の母が脳腫瘍で入院している時でした。

その頃は治療も少しずつ進み主治医から「今後治っても認知症のような症状が残る」と言われていたのでこの本の中盤以降、岸見さんと認知症の父親との生活の部分が参考になるのだろうと思いながら読んでいました。

結果的に僕の母は退院することなく亡くなってしまいましたが、この本を読むことで先の見えない入院中の不安をかなり和らげ落ち着きを取り戻すことができました。


また、岸見さんが入院中の母親に付きっ切りで看病していた話も共感することができ、つい自分と重ねて読んでしまいました。(岸見さんは当時と現在の病院設備との違いもあり最後の方は一日18時間も病床に付き添っていたというのでとても比べられるものではありませんが…)


ちょっとしたケガや病気などももちろん大変ですが、つい先日まで元気だった親の意識が急になくなって入院したり、これまで何の問題もなかった親との会話がなんだかかみ合わなくなった時の子供の孤独感は相当なものです。

そんなときこの「老いた親を愛せますか?」に書いてある考え方は確実に心を軽くしてくれます。

そしてその考え方以上に、自分と似たような経験をした人が他にもいるという事実が僕たち子どもを孤独から救ってくれます。


僕たちが生まれた時から一緒にいる親は、確実に僕たちよりも先に老います。

そして運が悪ければある日突然倒れることだってあるのです。

"その時"が来てからでは感情や忙しさに押し流されてしまいますが、例えば"その前"にこの本を読めれば、多少は心の準備をすることができます。


まだ親が元気で、自分に今後のことを考える余裕がある時にこそ一読しておくことをおすすめします。




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