人生読本~20代からの読書日記~: 4月 2017

2017年4月25日火曜日

「47原則」服部 周作著

今回の本はこちら。

 


●著者・・・服部 周作著

●価格・・・1500円+税

 

この本は、著者である服部さんご自身がコンサルティング会社のマッキンゼーで働いていた経験から、マッキンゼー社内外のリーダーがさりげなくこなしている効果的な手法を「47原則」にまとめたものです。

 

どんな分野でも、突出して仕事ができる人たちには共通して実践している仕事のやり方があります。

僕たちもそれらを実践することで、個人のスキルアップからチームでのコミュニケーションや成長、生産性の向上まで、ビジネスに限らず様々な場面での重要な能力の向上を図れます。

 

ひとつずつ実践し習得することで、自分も「突出して仕事ができる人たち」に近づいていけるのです。

 

① 自分の目標を熟知していると、より良く、より早く、より果敢に仕事を進めることができます

 

どんな仕事にも何かしらのゴールがありますが、もしこの時の最終形態が全く分からないまま積み上げ式でコツコツやるだけだと、実はやる必要のなかった無駄な仕事にも膨大な時間や労力を浪費してしまうことにもなりかねません。

 

そのような事態を避けるためにはその仕事に取り掛かる始めの段階から、その仕事のアウトプット、最終形態をはっきりさせておく必要があります。

 

また、もし最初から大成功がわかっているプロジェクトがあるとしたらあなたはそのプロジェクトを遂行するでしょうか?

聞くまでもないことかもしれませんが、最初から成功することがわかっているならたとえつらく多くの困難があるとわかっていても乗り越えようとする可能性の方が高くなるはずです。

だって成功するんですから。

 

このように、目標というゴールを熟知していることは無駄を省く効率化のみならず、モチベーションを上げる起爆剤としてもとても重要なのです。

 

 

② 10個を受け入れて60%の成果を上げるより、3個に関して120%の成果を上げる方が絶対にいい。

 

突出して仕事のできる人たちは、みんな断り上手です。

 

人間の一日の時間はみんな平等に24時間しかありませんし、労力も無限ではありません。

頼まれるすべてを受け入れていては大事なことをないがしろにし大事ではないことにも半端に力を割くことになり、成果が上がらないのにへとへとになっているということにもなりかねません。

 

そうならないためには、大事ではないことは断り、大事なことに自分の時間や労力というリソースを集中するべきです。

これは個人に限らず、チームにも同様に言えます。

 

仕事を頼まれたらすぐに着手するのではなく、まず“なぜその仕事が必要なのか?”を考えることで、実はやらなくてよかったりもっと楽な方法が見つかるかもしれません。

それに目的が妥当でも効果が薄いなら、やるべきでないかもしれません。

 

このように重要なもので大きな成果を上げることで、生産性も上がりますし自分たちの評価も上がりやすくなるのです。

 

 

③ リーダーがもたらす最大の価値とは、さまざまな問題と取るべき行動を「ひと口大に細かく切り分ける」こと、つまり、他の人が言葉で理解できるように示すこと。

 

自分がリーダーという立場になれば、チームのメンバーに仕事を振ることが必要になります。

でも中には、思っていたようには成果を上げてくれないメンバーもいるでしょう。

 

この場合、原因はそのメンバーが無能だからでしょうか?

もしかしたら、リーダーである自分が相手に理解できるように説明できていないのかもしれません。

 

たまに「何度言ったらわかるんだ!」と怒っている人がいますが、そもそもわからないことを何度も言われてもいつまでたってもわかるようにはなりません。

同じことを何度も言うより、別の言い方のアプローチを考えるべきです。

 

その人にはどう言ったら伝わりやすいのか、またどのような適性があるのかを知るためには日頃からの観察と能力の把握が重要になってきます。

 

適切な仕事を振ることで初めて適切にその人を評価することができ、チームとしての生産性も向上していきます。

 

 

この「47原則」はもともと著者が個人的に書きためていたものを同僚からのアドバイスにより書籍として出版することになり、あらためて練り直されたそうです。

そのため、どの原則も様々な分野で応用できる汎用性の高い表現にまとめられています。

 

著者の服部さんご自身ですら「自分ももっと若い時に知りたかった」と書かれるほど、卓越した内容になっています。

そんなこの本から伝わってくるのは、仕事に受け身でいるのではなく、“自ら”生産性を上げる強い意志です。

 

ひとつひとつの原則はそれほど複雑ではありませんが、習得はすぐには難しいでしょう。

それでもひとつずつ実践していくことで、自分も「突出して仕事ができる人たち」に近づいていくことができます。


2017年4月20日木曜日

「「好き」を「お金」に変える心理学」メンタリストDaiGo著

今回の本はこちら。

 


●著者・・・メンタリストDaiGo

●価格・・・1300円+税



皆さんは、自分の仕事が「好き」でしょうか。

もし好きでないのなら、仕事とは人生の時間の大部分を使うのですから、かなりの苦痛になると思います。


またそのような状況でもたとえお金さえ稼げていれば人は幸せなのかというと、どうやらそうでもないようです。


好きでも無い仕事でお金を稼いでも、その分ストレスもたまってしまい、ストレス解消にお金を使ってしまえば、再びお金を稼ぐために好きでもない仕事をしなくてはならないという負の連鎖に陥ってしまいます。


この負の連鎖は、お金の「稼ぎ方」は知っていても「使い方」を知らないというアンバランスな状態から生まれてしまいます。


そうならないために、また逆にどんどんお金を生み出しお金から自由になる生き方をするためにはある「無限ループ」を作ることが重要になります。


この「無限ループ」は

ステップ0:自分が「本当に好きなこと」を見つける

ステップ1:「好きなこと」を極めていく

ステップ2:「好きなこと」を収入に結び付けていくための工夫をする

ステップ3:「好きなこと」で得たお金を再投資する

という4段階から成り立っています。


今回の『「好き」を「お金」に変える心理学』には、この「無限ループ」を作るために必要なさまざまな考え方が書かれています。



① フロー状態に入って行ったことは、積み重なるうちにどんどん好きになっていく


フロー状態とは、「ある物事に取り組んでいる時に、完全にそのことにのめり込み、集中している状態」のことです。

我を忘れて没頭してしまった、というような時がフロー状態にあたります。


フロー状態に入れる作業とはつまり自分の「好きなこと」で、これを見つけることで「無限ループ」の第一段階に立つことができます。


フロー状態に入りやすい作業の条件はいくつかあるのですが、それの全てを満たしていなくとも工夫次第でフローに入ることができます。


またもちろん「好き」だからフローに入りやすいのですが、反対にフローに入るから「好き」になるという裏表の関係でもあるため、フローに入りやすいことを探すことから「無限ループ」のきっかけをつかむことも出来るのです。



② お金は使えばなくなりますが、知識や経験、スキルは、使えば使うほど鍛えられていきます


「無限ループ」の最終段階では、「好きなこと」で得たお金を再びその「好きなこと」に投資する必要があります。

こうすることでスキルが磨かれ、次にループを回すときはさらに多くのお金を稼ぐことができるようになるわけです。


しかしもし「好きなこと」「得意なこと」以外にお金を使ってしまうと、それはただの消費・浪費となりその金額分だけ失うことになってしまいます。


どんな使い方であれお金そのものは使えばもちろんなくなるのですが、自身の経験や体験、知識やスキルにお金を使うことで新たな力が蓄えられ、一生ものの財産になるのです。



③ 世の中にない仕事を作り出すことが無限ループを完成に近づかせる


「好きなこと」を仕事に結びつけようとするとどうしても「趣味のようなもので既存の仕事にはなかなか当てはまらない」と考えてしまうことがあるかもしれません。


しかしそれは自然なことで、むしろ自分の「好きなこと」をすぐに収入にできそうな「仕事」がそんなに都合よくあるわけがないのです。


ではどうすればいいのか。

それには、「今、世の中に存在している仕事だけが“仕事”ではない」ということが大きなヒントになります。


つまり、自分の「好きなこと」が収入につながるような仕事を自分で創ってしまえばいいのです。

著者のDaiGoさんもそうして自身の「メンタリスト」という地位を確立したことで自由な生き方を手に入れた方です。


自分で創り出した仕事のメリットは、競争相手がいないことです。

自分しかいないのですから当然価格競争には巻き込まれず、収入を増やしやすいのです。


このようにして「無限ループ」を完成させるためには、まず自分の「好きなこと」に関する能力を把握し、それをどのように活かせば他人の課題を解決する役に立つのかを考えることがカギとなります。



お金の「稼ぎ方」と「使い方」を知りバランスを整えることができれば、いずれお金は必要な時に必要なだけ入ってくる、いわば空気のような存在になります。

そのために「無限ループ」を構築し自由な生き方ができれば、より幸せに近づくことができるのです。


重要なのは「好きなこと」を見つけそれに投資していくこと。

無目的な貯金ばかりしていては、お金はただの紙切れにすぎません。

貯めるべきはお金ではなく努力なのです。


また自分の「好きなこと」を見つけるために考えることは、自分と向き合うこと。

“自分の人生”を生きるために、必要不可欠な作業なのだと思います。




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