人生読本~20代からの読書日記~: 3月 2018

2018年3月22日木曜日

「本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方」堀江 貴文著

今回の本はこちら。


●書名・・・本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方
●著者・・・堀江 貴文


ホリエモンこと堀江貴文さんの2015年の著書です。

堀江さんは他の著書でも"次々に行動すること"や"時間を最適化すること"の重要性を説いていますが、この「本音で生きる」では読者に対しそれらをより強力に主張しています。


他人に気を使って自分の人生をないがしろにするのはもったいない


この本は「本音で生きる」というタイトルですが、では逆に「本音では生きられない」とはどういうことでしょうか。

「本当は言いたいことがあるんだけど、嫌われたらいやだから言わない」
「こんなことしたら周りからどう思われるか気になるからやれない」

このように周りのことを気にしていたり

「やりたいことがあるけれど、時間がないからできない」
「自分にはきっと才能や素質がないからできない」

というように自分自身で制限を設けてしまうのも、自分の"本音"を自分で隠してしまうパターンです。

しかし。

はたしてこのように生きて、何かいいことがあるのでしょうか。

たとえ周りのことを気にしてその時は人間関係に波を立てずに済んだとしても、その時気になったことややりたいことを放置してはモヤモヤしたままです。

これでは、この後もずっとこのモヤモヤを引きずることになりいいことはありません。

自分にとって一番大事なのはまさに自分自身の人生のはず。

他人のことを気にしすぎて自分の人生をないがしろにするのは、とてももったいないことなのです。


この世で最も貴重な資源は時間


時間とは、いうなれば人生そのもの。

お金で時間を買うことはできませんが、時間をかければお金を稼ぐことは簡単です。
(間接的にお金で時間を短縮してほかのことに振り分けることはできますが、実際に自分の一日や寿命を延ばすことは不可能です)

しかし時間は、何かをしても"しなくても"自動的に流れ去ってしまいます。


一日は誰しも平等に24時間。

平均寿命も同じ国の人間なら大体同じです。

むしろ病気や事故で短くなることすら珍しくありません。

このように時間とは、有効に使えば何でもできる代わりに誰しも保有量に上限がある(そして増やすことはできない)とても貴重な資源なのです。

この最も貴重な資源を、他人に気を使ったり自分で言い訳することで無駄にしていいわけがありません。


時間を無駄にしないために必要なもの。

それが「本音で生きる」ことなのです。


何か無駄や面倒なことを見つけたら、それを解決する手段を考えることを習慣にしてしまう


時間の無駄をなくすためにはどうしたらいいか。

問題の種類によって解決策はそれぞれ異なるでしょうが、大事なのはその"解決策を考える"ということ。


何か面倒なことがあっても解決しようとせず仲間内でずっと愚痴を言っているような人たちがいますが、堀江さんはこういう人のことを「オヤジ」と呼んでいます(年齢は関係ありません)。

こういう「オヤジ」になるのは何としても避けなければなりませんし、原因をただ周りのせいにして何もしようとしなかったり言い訳をして行動しないのもいけません。

これではいつまでたっても自分の時間を最適化し、やりたいことをやることなどできません。

ここでもやはり「本音で生きる」ことが重要になってくるのです。


まとめ


人間とは社会的な生き物ですから、生きていくうえでどうしても他人という存在が必要になります。

しかしここでその他人の目ばかり気にして動けないといっていると、肝心の自分の人生をないがしろにすることになってしまいます。

そんな風に生きていては楽しくもないでしょう。

それに自分を犠牲にすれば、本来自分が周りに与えられるはずだった価値を与えることもできなくなり社会にとってもマイナスになってしまいます。


これからは個人が価値を発揮して生きていく時代。

周りの目を気にして行動するスピードを落としてしまってはいけません。

それぞれが自分の価値を発揮して、自分の人生をしっかり生きるためにも「本音で生きる」ことが必要なのです。




関連書籍記事
「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著
「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著
「稼ぐが勝ち」 堀江 貴文著
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「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江 貴文著
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2018年3月15日木曜日

「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著

今回の本はこちら。



●書名・・・東大から刑務所へ (幻冬舎新書)
●著者・・・堀江 貴文 井川 意高



お互いに刑務所に服役していたホリエモンこと堀江貴文さんと、大王製紙元会長の井川意高さんによる対談本です。

東大の頃のことも出てはきますが、やはり刑務所でのことがメインとなっていてなかなか普段知ることのできない体験談をふんだんに読むことができます。


刑務所は日本の底辺ではあるが、人生の終わりではない


堀江さんは2006年に証券取引法違反の容疑で、井川さんは2011年に子会社の金をカジノにつぎ込んだ会社法の特別背任容疑でそれぞれ逮捕されました。

井川さんは実際に子会社の金を借りてカジノですってしまったのですが、堀江さんは今でも違法性はなく不当逮捕だったと言っています。

といっても二人とも服役していたのは事実。

そのお二人の会話から、普段あまり馴染みのない「刑務所」というところがどういうところなのかが垣間見えてきます。

どこの刑務所であるかや自分の担当がどんな刑務官であるかなどでかなり環境は違うようですが、それでもやはり人権侵害ギリギリのことは多々あり、お二人とも苦労したようです。

そんな経験をした二人は今、まさにこの「東大から刑務所へ」を出したりとかなり表立って活動しています。

このモチベーションは一体どこから来るのでしょうか。


日本人はものすごく忘れっぽい


最近の日本人は誰かが悪者だとなると寄ってたかって叩くという陰湿な民族性が顕著に表れていますが、それと同じように最近の日本人のわかりやすい性質があります。

日本人は、ものすごく忘れっぽいのです。

これはインターネットの出現により社会のスピードが上がったせいもあるかもしれませんが、それにしたって一時期話題になったこともしばらくすると誰も口にしなくなります。

なるべく口にしてはいけないタブーになっている場合もありますが、実際ただ単に忘れられている場合が大多数です。


堀江さんと井川さんは、あえて言うならこの性質を利用して出所後の活動でそれぞれのイメージを変えていっているのです。


本を出し、ロケットを飛ばす


井川さんは出所後に「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」という本を出し、堀江さんはロケット打ち上げ事業に力を入れています。

どちらも出所後の活動としてはかなり精力的な気がしますが、その理由もやはり日本人の忘れっぽさにあるようです。


井川さんはこの本を出すことで、単に日本人の記憶から消えるのではなく「なんだかおもしろそうなやつだな」と良くも悪くも人々の記憶に残ることを選びました。

また堀江さんは、出所したのは4年前ですが今では自身の事業のほかにも様々なメディアに出演もしています。

どうせみんな過去のことはすぐに忘れるのだから、新しいイメージで記憶を上書きさせているようです。

特別意図してやっているわけではないでしょうが、実際最近の堀江さんについては元服役囚というよりもいろんなビジネスを行っている実業家というようなイメージが強いのではないでしょうか。

このようにして二人とも出所してからも自分という材料を使い、ガンガン活動しているのです。


まとめ


この「東大から刑務所へ」では刑務所内のことも数多く書かれているのですが、逮捕されて東京地検特捜部に調べられている過程も知ることができるのが興味深い点です。

ライブドア事件に関してはどこかの記者のフライングに影響されて変な時間に強制捜査になったり裁判では堀江さんが全然知らない人が大勢証人に立ったり、井川さんのカジノに関しても実は裏に反社会的勢力が絡んでるんじゃないかと勘ぐって半ば無理やり証言させようとしたりと、この一冊を読むだけでも不合理な調査が常態化していることに驚きました。

またちょうどこの二人の事件の間に大阪地検特捜部による村木厚子さんの冤罪事件などもあったので、検察からの堀江さん・井川さんの扱いに明確に差があったという点も面白かった。


このように「今の日本って、かなり危ないんだな」というもののほかにも、拘置所や刑務所ではどんな差し入れがうれしいのかなどもなかなか知る機会がなく勉強になるところでした(今後この知識を活用する時が来るかは別ですが…)


対談形式で読みやすいこともあり、また普段知る機会の少ない拘置所や刑務所の実情を知ることもでき最近読んだ本の中では特に印象に残り、すぐに読み終えてしまいました。


この二人の本だからということだけではなく、現代日本の危うさを知る上でも一度は読んでおくべき一冊です。





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2018年3月13日火曜日

「寝ながら稼ぐ121の方法」ジェームス・スキナー著

今回の本はこちら。



●書名・・・寝ながら稼ぐ121の方法
●著者・・・ジェームス・スキナー


表紙と書名は若干怪しげですが、著者のジェームス・スキナー氏はあの「7つの習慣」を日本に紹介した素晴らしい方です。


「7つの習慣」でスキナー氏は

「私の人生の目的は、世界により良い生き方を教えることである」

と気が付いたと書いていますが、この「寝ながら稼ぐ121の方法」もそんな目的に沿った、「より良い生き方」を教えてくれる一冊です。


水を汲むより川を掘る


稼ぐ、というと一般的に毎日地道に労働してその対価として受け取る”給料”をイメージしやすいかもしれません。

自分の銀行口座を一つの湖に例えると、普段の消費活動がその湖の水を飲むことです。

しかし水は有限なので、いつかは底をつきます。

それでも水を飲まないと死んでしまうので、普通の人はバケツで別の場所から水を汲んできて再びその水を飲みます。

飲み干せばまた汲み、飲み干せばまた汲み…ということを繰り返すことが、一般的に行われている労働と消費のイメージです。

しかしこれでは、私たちはいつまでも苦労して水を汲んでこなくてはいけません。

もちろん地位が上がったり労働時間を増やす(残業する)ことで汲める水の量(給料)は多少増やすことができるかもしれませんがそれにはかなりの時間も労力もかかりますし、なにより今の日本ではその時まで自分が同じ会社にいる保証もありません。


ここで、”寝ながら稼ぐ人”は別の発想をします。

寝ながら稼ぐ人はただ自分の湖から水を飲むのではなく、別の場所から自分の湖に水を引く”川”を掘るのです。

毎日毎日川を掘り、やがて自分の湖に水を供給する川が何本もできると、飲んだくらいではそうそう水は減らなくなり、むしろ増えやすくなるのです。

これこそが、”寝ながら稼ぐ”ための基本となる、重要な考え方なのです。


昨日より今日、今日より明日、楽になっていく


一筋の川を掘ることができれば、その川は自分が別の川を掘っている間も徐々に湖に水を供給し続けてくれます。

これを繰り返していくと、同じ時間をかけて同じ作業量であっても、自分の湖に供給される水の量はどんどん増えていきます。

このように「収入」そのものではなく「収入源」を増やしていくことで、「収入源」からもたらされる「収入」は積み重なりどんどん大きくなっていきます。

自分が生きていくコストをあまり変えなければ、ある時点からはどんどん収入が大きくなり、自分の自由度が増します。

自由になった時間でまた川を掘っていけば、生きるのはどんどん楽になっていきます。

こうして”寝ながら稼ぐ”ことで、「より良い生き方」を実践できるようになるのです。


売るのではなく、リースする


では実際、どうやって川を掘るように「収入源」を作ったらいいのでしょうか。

例えば、ある一つの商品を作ったとします。

この商品を誰かに販売すれば、もちろんその商品の代金という「収入」を手に入れることができます。

しかし再び「収入」を得ようとしたら、また別の商品を作って販売しなければなりません。

これではいつまでたっても自分は商品を作ることはやめられず、自由にはなりません。


ここで、この商品を売るのではなくリースする(貸す)ことにします。

すると、一度リースをして代金を受け取った後にその商品は手元に戻ってきます。

この戻ってきた商品を再びリースすれば、再び代金を受け取ることができます。

これならば、一つの商品で何回も収入を手に入れることができ、立派な「収入源」となるのです。


まとめ


書名の「寝ながら稼ぐ121の方法」の通り、この本では上記以外の例もあと120(!)個も載っています。

ブログの広告収入から不動産投資までその種類は様々ですが、基本的な考え方はすべて「水を汲むより川を掘る」です。

日本人はどうしても労働して対価を得る稼ぎ方に美徳を感じる人が多いですが、その働き方はもはや過去のものになりつつあります。

それにお金というのは労働の対価としてもらうものではなく、価値創造の対価としてもらうもの。

たとえ寝ながらでも稼ぐことができるということは、それだけ持続的な価値を世の中に与えているという素晴らしいことなのです。


この「寝ながら稼ぐ121の方法」の全てとまでは言いませんが、自分に合ったいくつかでも試して、自分の湖に続く川を掘りましょう。

そうすることで自由度が増し、「より良い生き方」を実現することができるのです。




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「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽著