人生読本~20代からの読書日記~: 2017

2017年10月15日日曜日

「人生の勝算」前田 裕二著

今回の本はこちら。



●書名・・・人生の勝算
●著者・・・前田 裕二


”ヒト”と”ヒト”の「絆」から、対価が生まれる


著者はSHOWROOMというライブストリーミング(リアルタイムでの動画配信)サービスを運営している前田裕二さんです。

前田さんはSHOWROOMを通して、これまではなかなか個人で食べていくだけのお金を稼ぐことができなかった表現者たち(ミュージシャンやアイドル、俳優など)がそれぞれの努力に応じて収入を得られる仕組みを作っています。


最近では消費者がお金を払う対象が、以前と少し変わってきました。

これまでは単純になにか”モノ”をもらう対価としてお金を支払っていたのですが、情報量も物質的な量も様々なものが豊かになった現在では、その”モノ”の価値は少しずつ下がっています。

ただの”モノ”はどこでも誰でも手に入れることができるので、今度はそれを「誰から買うのか」が問題になります。

これは上記の表現者たちが作るいわゆる芸術作品的なものも同じで、ただ「いい作品」という”モノ”だけを売るのではなく、その作品を作った”ヒト”と消費者の関係=「絆」の中でより多くのお金を支払ってもらうことができるのです。

これからの時代にはいかに消費者との「絆」を作っていけるかが重要になってきます。


「常連客」を”中の人”にすることでより強固なコミュニティを作ることができる


前田さんはこの本の中で「なかなか潰れないスナック」や「AKB48」をよく例に出していますが、両者の共通点は「常連客を中の人にした」ことです。

”中の人”というのは、ただ受け身の消費者ではなく運営側であったり共同体意識を持った人たちのこと。

スナックであればママが酔いつぶれた後に後始末をする馴染みのお客さんだったり、AKB48であればお気に入りの子を応援するために個人で動画を作って宣伝してくれたりする人のことです。

このようにお客さんを”中の人”化することができれば状況に応じてより大きなお金を使ってくれるし、他のお客さんへも働きかけてくれたりします。

そうやって強固なコミュニティを作ることができれば、ただ単に”モノ”(この場合はお酒や歌)だけを売るよりも何倍も大きな価値を生み出すことができるのです。


小学生時代の路上弾き語りから得た気づき


この「”ヒト”の「絆」から、対価が生まれる」というのは、著者である前田さん本人の小学生の頃の経験から実感したものだそうです。

前田さんは小学生の頃もらったギターで路上での弾き語りをやっていたそうなのですが、最初はなかなかお金を稼ぐことができない。

曲のクォリティだけで言えば、経験が短いのだからそこらの大人のミュージシャンにもかなうわけがありません。

そんななか、あるお客さんからのリクエストに少し工夫をして応えることでみごとそのお客さんとの「絆」を作り、なんと路上ライブにも関わらず1万円札をもらうことができたのです。

具体的な工夫方法やお客さんとの「絆」の作り方はこの「人生の勝算」を読んでいただきたいのですが、前田さんのこの体験がSHOWROOMを作るきっかけの一因にもなり、ビジネスの本質をとらえる大きな一歩にもなったのです。


まとめ


ネットが発達し人間同士の関係はドライになったといわれたこともありましたが、だからこそ多くの人が「誰かとのつながり」を心から求めています。

そしてそんな時代だからこそ前田さんの運営するSHOWROOMは”ヒト”と”ヒト”の「絆」を作り、そこから価値を生み出すことで努力が正当に報われる社会を作ろうとしています。

努力を継続することで強固なコミュニティを作り、そこにできた「絆」から大きな価値を生み出していく。

これからの”人生の勝算”は、まさにこの一点にあるのです。





関連書籍記事

「メモの魔力」前田 裕二著

2017年10月9日月曜日

「マンガ 齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方」齋藤孝監修

今回の本はこちら。



●書名・・・マンガ 齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方
●監修・・・齋藤 孝
●マンガ・・・阿部花次郎


”現代の戦い=ビジネス上の交渉”に「孫子の兵法」を活かし、物事を自分に有利に運ぶ


「孫子の兵法」とは古代中国の兵法書、つまり戦争をいかに行うかを説いた書です。

現代では経営などに応用している人も多く、書店のビジネス書の棚にも解説書のようなものをよく見かけます。

もちろん原文は漢文ですし、そもそも戦争について書かれたものなのでどうやって応用したらいいかわからないという人も多いかもしれません。

この「マンガ 齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方」では、ビジネスの場で実際にどのようにして「孫子の兵法」の考え方を応用したらいいかをわかりやすいマンガで紹介しています。

各章ごとに

環境編/個人編/指導者編/競争編/失敗・挽回編/チーム編

と分かれており、マンガと共にそれぞれの章の中で出てきた「孫子の兵法」のフレーズの解説や”ビジネスの場での応用の仕方”を詳しく書いた説明があるため非常にわかりやすい構成になっています。


「孫子の兵法」は実戦に即した思考法が学べる


「孫子の兵法」はおよそ2500年ほど昔に書かれた兵法書ですが本当に現代のビジネスの役に立つのでしょうか?

答えは「大いに役立つ」です。

もともと具体的かつ現実的な内容で書かれたものなので、少し抽象化して考え方を理解すればかなり幅広く応用できます。

それは組織運営はもちろんのこと、それぞれの仕事内容が複雑で多岐にわたる現代では個人にも当てはめることができるのです。

また「孫子の兵法」ではスピードや時間の重要性も説いており、そういう面でも、社会の変化するスピードがどんどん加速している現代でこそ役に立つ考え方なのです。


例:「利に合わば而(すなわ)ち動き、利に合わざれば而(すなわ)ち止む」


文章の意味としては
「(古代の戦闘が巧みな者は)敵の戦闘態勢が自軍に有利になれば戦闘を仕掛け、有利にならないときは合戦に入るのを中止していた」
という感じ。

自分に有利な状況ならやり、そうでなければやめる。

当たり前のようですが、実際にはなかなか出来ていないのが現実ではないでしょうか。

たとえチャンスだと思っても他人の目を気にしたり必要以上にネガティブになって手を出さなかったり、疲れていたり状況が悪いのに無理をしてドツボにはまったり…

しかし合理的に考えれば、これではうまくいくはずがありません。

状況を味方につけてこそ、何事もうまくいくのです。

また「孫子の兵法」にはこの”利”、すなわち自分や相手の態勢や周りの状況を上手くコントロールする方法も多く書かれているので、運まかせにするわけではなく自発的に有利な状況を作っていくことも出来るのです。


まとめ


この「マンガ 齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方」では、主人公が会社で新たな課に配属されたことをきっかけに「孫子の兵法」を学び、実践していく中で成長してく姿が描かれています。

本編で出てくる事柄はチームで働いている以上誰にでも起こりうることばかり。

これを読んで自分の仕事に取り入れるだけでも大きな変化になると思います。

「孫子の兵法」を学び始めるとっかかりとしては、非常にわかりやすく有効な一冊です。


2017年10月7日土曜日

「1分間バフェット」桑原 晃弥著

今回の本はこちら。


●書名…1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則
●著者…桑原 晃弥


誠実さに裏打ちされたバフェットの人物像


投資に興味を持ち始めたら必ずどこかで知るであろう人物、ウォーレン・バフェット。

子供の頃から小さなビジネスを始めて資産を運用し巨万の富を築いた、投資の世界の巨人です。

バフェットについての本は数多く出ていますが、この「1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則」はバフェットについての様々なエピソードをそれぞれ1分間で読める程度にまとめられた、非常に読みやすい構成で書かれています。


投資で儲けた、というとなにかずるい方法や不正ぎりぎりの方法をも駆使して荒稼ぎした…なんて思うかもしれませんが、ウォーレン・バフェットに限ってはそういう後ろ暗い方法とは全くの無縁です。

むしろ他の投資家たちから見たら過剰なほど不正を嫌う、誠実な人物。

そしてその誠実さは法律的な物に限らず、扱う株式銘柄の企業やその企業の先にいる顧客達にまで向けられた広く深いものなのです。


「知性、エネルギー、そして誠実さ。最後が欠けていると、前の二つはまったく意味のないものになる」


バフェットは偉大なまでに誠実であったがために、巨万の富を築くことができました。

投資の世界ではある日いきなり億万長者になることも夢ではありませんが、誠実さを欠いていればその富もすぐに崩れ去ってしまいます。

アメリカの金融の中心であるウォール街などではとにかく利益を求めてマネーゲームを繰り返す投資家も多いですが、バフェットはそれらの投資家とは一線を引いています。

なぜならそのような強欲な姿勢は、自分たちの利益のために世界の経済状況を混乱に陥れることさえあるからです。

バフェットにとってそのようなやり方をする人たちは”投機家”であり、バフェットにとっての”投資”は主に株式の長期保有です。

それは株の売買によって利ザヤを稼ぐのではなく、その企業を信頼し未来に期待して、自分もその企業に協力するという考え方だからです。

そうして信頼の上に関係を築いていき、誰もがうらやむ大富豪になることができたのです。


「ライン上がダメなのはもちろん、ラインに近くても違反とみなす」


2006年、アメリカの多くの企業がストックオプション(自社株購入権)の付与日を不正操作して大きな問題となりました。

ストックオプションとはその会社の役員や従業員が決められた価格で自社の株を買うことができる権利のことで、売却するときに市場価格との差が利益となるため現金と別の報酬体系として導入されることがあります。

この付与日を不正に操作し株価が安い日にして利益を増やす…といったことがありました。

もちろんバフェットの持つバークシャー・ハザウェイ社はそんな不正と無縁でしたが、それでも傘下の企業に「ビジネスの世界で最も危険な言葉は、五つの単語で表現できます。『他の誰もがやっている(Everybody else is doing it)』です」と念を押して呼びかけました。

またソロモン・ブラザーズの国債不正入札の時も「ライン上がダメなのはもちろん、ラインに近くても違反とみなす」と社員に言い、違反すれすれも許さないという姿勢で厳に戒めたのです。


まとめ


バフェットは、他の投資家と同じやり方ならもっと資産を増やすことも出来た状況でもそうはせず同僚から「意図的に利益を抑えていた」と言われるほど堅実に自分のやり方を貫き通している投資家です。

それはたとえ儲かりそうな話でも自分が理解できない業界には一切手を出さないといった自分自身に対する誠実さでもあり、また利益が出ればなんでもいいというような考え方を排した他の株主や顧客に対する誠実さでもあるのです。

この「1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則」はそんなバフェットの誠実な人物像がわかりやすく、また短時間でも読みやすい形で書かれています。

この本をきっかけにバフェットの思考をさらに深く読み解き自分の生活に応用していくことは、少なからず成功への確かな近道となることでしょう。



2017年9月24日日曜日

「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」河野 英太郎著

今回の本はこちら。

●書名・・・99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ
●著者・・・河野 英太郎

「デキる人」への道は、ささいな工夫の積み重ね


「仕事のコツ」なんて聞くと、なんだか誰も知らない秘伝の奥義みたいなものを想像しませんか?

でも本当の”コツ”って、そんなものじゃありません。

いつもの作業にほんの少し工夫を加えることで、大きく成果を上げる”コツ”となるのです。

そして世の「デキる人」と言われる人たちは、この「少しの工夫」を誰よりも多く実践している人だったりします。

「誰にでもできるけど誰もやらないこと」を「誰よりも多く」やる人が結果的に「デキる人」になるのです。

この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、そんな「少しの工夫」の事例が数多く載っています。


"「まじめ」と「みじめ」は一字の違い"


そもそも、なぜそんな「少しの工夫」をみんなしないのでしょうか。

みんな不真面目なのでしょうか?

そんなことはありません。
むしろ、”まじめすぎる”のです。

まじめに礼儀を考えすぎたり、まじめに相手に遠慮してしまったり…

その結果、必要以上に時間を失ってしまったり、相手にこちらの意図が伝わりきらなかったりして効率が悪くなっていくのです。

この本の冒頭にも書かれていますが、まじめも度を超すと効率を落とす原因になります。

だからといって不真面目になれということではなく、いままでまじめに(悪く言えばかたくなに)やっていたことを少しだけ違う角度から見直して、成果につながる「少しの工夫」を実践していきましょう。


"「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる"


この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には本当にすぐ実践できるものがたくさん書かれているのですが、その中でもとりわけ簡単かつ今すぐ実践できるものをご紹介します。

それは、

〈いつもなら「とりあえず」と言ってしまう場面で「まず」と言う〉

ことです。

ただそれだけです。

それだけですが、この言葉を変えるだけで自分の意識も、相手への印象も劇的に変わります。

上司や先輩に仕事を頼まれて「”とりあえず”資料作ってみます」というような返事をしてしまう人は多いと思います。

しかしこれではその仕事を「やっつけ」や「一応」やるかのような、半端な仕事のような印象を与えてしまいます。

これを「”まず”資料作ってみます」と言い換えるだけで、自分の意識の中では「次に」というステップが見えてきます。

そして相手にも、「すでに先のステップまで考え始めてる仕事の速い奴」という好印象を与えることができるのです。

普段使っている口癖というのは知らず知らずのうちに自分にも相手にも大きな影響を与えているもの。

これを少し見直して良い言葉に変えるだけで、「デキる人」に一歩近づくことができます。


まとめ


「神は細部に宿る」とはよく言われますが、小さなことをないがしろにするような人に大きなことが成し遂げられるわけがありません。

なぜなら大きなこととは、小さなことの積み重ねでしかないからです。

どんなに特別に見えることでも、その土台は「無数の小さなこと」が支えているのです。

そしてこの「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、その「無数の小さなこと」の多くが書かれています。

この本に書かれていることをひとつずつ愚直に積み重ねていく。

それだけで、いつの間にか周りから一目置かれる存在になることができるでしょう。


2017年9月12日火曜日

「超速片付け仕事術」美崎 栄一郎著

今回の本はこちら。



●書名・・・仕事が速い人ほど無駄な時間を使わない!超速片づけ仕事術
●著者・・・美崎 栄一郎


モノは”使用頻度”で管理し、”in”と”out”のバランスをとる


日々働いているとついついデスクの上が散らかってしまうという経験は誰にもあると思います。

しかし片付けのために長い時間を確保することも難しい。

そもそも片付けるために長い時間を使うようでは、忙しくなればまたすぐもとの散らかった状態に戻ってしまいます。

このような状況を回避し常に片付いた状態を実現するためには、そこにあるモノを”使用頻度”によって順位付けし位置を決めて管理し、その場所に入ってくるモノ(in)と出ていくモノ(out)のバランスをとることが重要です。


散らかるのは”in”が”out”を超えているから


そもそもモノが溢れ返って散らかってしまうのは、”in=入ってくるモノ”の数が”out=出ていくモノ”の数を上回っていることが原因です。

これは具体的な物に限らず仕事の案件などのコトも一緒で、いつも忙しそうにしている割になかなか成果が上がらない人というのは”in”が”out”を上回っているために仕事をさばききれない状態になっていることが多々あります。

これを解決するためには”in”と”out”のバランスをとり、最終的には”out”が”in”を超えるようにしてモノを減らすサイクルに入ることが必要です。


①よく使うモノ、②たまに使うモノ、③使うかもしれないモノ に分ける


例えばデスクの上を片付ける場合、紙袋などを用意しパソコンや電話等確実に必要な物以外をすべてそこに入れてしまいます。

そして実際に仕事で使っていく中で、それぞれの物を

①よく使うモノ
②たまに使うモノ
③使うかもしれないモノ

の三種類に分別します。

分別したらまずこの中で③使うかもしれないモノを捨ててしまいます。
そうしてから①よく使うモノは机上に残し、②たまに使うモノは引き出しにしまいます。

こうすることで机上には①よく使うモノしか残らないはずなので、今後の仕事でデスクを効率的に使っていくことができるのです。


まとめ


何も対策をしなければモノはすぐに増えてしまいます。

だからこそ様々な工夫を重ねて常に”out”が”in”を上回るような仕組みづくりをしておくことで、常に整理され快適な職場環境を維持することができるのです。

この本では他にも書類や名刺の管理の仕方やパソコン上のデータ、スマホのアプリ等の管理の仕方も説明しています。

また使用頻度で分けやすい引き出しの使い方や作業が効率的になるデスク上の物の位置の決め方のように具体的な例も載っているので、読んで実践することで是非その効果を体感してください。

とにかくよく使うモノだけを残し、使わないものは捨てる。

こうして”in”と”out”のバランスをとることが、整理された環境を維持し仕事の効率を上げることにつながるのです。




2017年9月8日金曜日

「未来に先回りする思考法」佐藤 航陽著

今回の本はこちら。



●書名・・・未来に先回りする思考法
●著者・・・佐藤 航陽

社会が変化する”パターン”を知り、それを読める者が未来に先回りすることができる


いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちは、その多くがこの”未来に先回りする思考法”を身につけています。

中には純粋に運だけでなる人もいるのでしょうが、この”未来に先回りする思考法”を身につけていなければ継続的に成功し続けるのは難しいでしょう。

成功の種は、今まさに盛り上がっている所にあるわけではありません。
今はまだそれほどではなくとも、社会の変化にともないいずれ盛り上がるであろう場所にあります。

そういう場所をいち早く見つけ、適切なタイミングで自分がそこにいることで成功することができるのです。


社会には変化する時の”パターン”があります。

これは時代が変わっても不変なので、それを見抜くことができれば次に何が変化するのか、未来に何が起こるのかを先回りして知ることができるのです。


”変化”とはテクノロジーによってけん引される


社会の変化とは、主にテクノロジーによって引き起こされます。

テクノロジーといっても別に難しいものではなく、古代の人類が大きな進化を遂げるきっかけとなった石器などの道具もテクノロジーです。

支配階級が独占していた知識や知恵をみんなで共有できるようになった紙や文字もテクノロジーです。

こうしたテクノロジーが浸透することで、常に社会は変化していきました。

そしてテクノロジーには決まった”変化のパターン”となる3つの本質があります。

それは

「人間を拡張するものであること」
「いずれ人間を教育し始めること」
「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」

この3つです。

このパターンを見極めることができれば、未来に先回りすることが可能となるのです。


電気からインターネットへ


あらゆるテクノロジーが、上記のパターンに当てはまります。

例えば現在我々の生活を支える大きな力となっている「電力」。

これも元々は水車や蒸気機関などと同じ、人間の動力の拡張でした。

徐々に社会に電力が浸透してくると、影響力が大きくなるため今度は電力を中心に物事を考え始めます。
夏の電力不足への注意喚起などがわかりやすいでしょうか。

そして最初は人間の周りで使う動力というだけだった電力も、最終的には宇宙へと拡大していきます。
ロケットにももちろん使われていますし、衛星などは人間がかかわらなくても電力で動いています。


そして現在では電力に変わり、コンピュータやインターネットが同じように広がりつつあります。

もともとは高性能な計算機として、人間の頭脳の拡張するために作られたコンピュータも、インターネットにつながり今では日本中に浸透していきつつあります。

コンピュータというと持ってない人もいると思うかもしれませんが、スマホならもう大半の人が持っているのではないでしょうか。
スマホも、ただの電話ではなく超小型コンピュータです。

それに自分の物以外でも現在はインターネットにつながっているものが多いので、本当にコンピュータやインターネットと無関係だという人はほとんどいないでしょう。

世界規模で見ればまだまだ数十億人の人がインターネットに接続できる環境にないので伸びしろはありますが、それでも徐々にインターネットも社会に浸透し空気のような存在になっていくでしょう。

そしてあらゆるもののデータをインターネットを経由して集めることができれば、そこからまた社会は変化していくのです。


まとめ


社会には決まった変化のパターンがある。

そしてその変化とは、テクノロジー(今は主にインターネット)によってけん引される。

このパターンを見抜けた者だけが、未来に先回りすることができる。


この「未来に先回りする思考法」には他にも政治や国の成り立ち等、さまざまな角度から社会の変化について書かれています。

しかしどのような変化も大本は一緒で、必要性がありシステムやテクノロジーが生まれ、それらが成熟することによってより大きな変化へとつながっていきます。

変化のサイクルはこれからどんどん短くなって行きます。

これまでは数世代にわたって起きた変化が、これからは数年で起きることも不思議ではありません。

この「未来に先回りする思考法」はこれからの世界でこそ、必要とされる考え方なのです。





関連書籍記事
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽著

2017年8月6日日曜日

「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著

今回の本はこちら。


●書名・・・すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論
●著者・・・堀江 貴文


学校に植え付けられた”常識”はいらない


ホリエモンこと堀江貴文さんによる教育についての本です。

これまでも堀江さんの著書の中で軽く教育について触れていることはありましたが、この本では丸々一冊費やして堀江さんの教育観を語っています。

タイトルの「脱・学校論」からもわかるように、この本で扱う「教育」とは教育機関=学校のことです。

そして堀江さんは全ての学校とはすなわち「常識の洗脳機関」であると断じています。

この誰しもが学校に植え付けられた”常識”という洗脳を解き放ち、それぞれのやりたいことに没頭していくのがこれからの生き方であると語っています。

”従順な労働力”は今後必要なくなっていく


学校=洗脳機関というのは、その成り立ちから見るとわかりやすいです。

ヨーロッパの産業革命期、産業の中心となった工場を支える労働力を育てるところからいわゆる学校は始まりました。

当時の工場の生産性というのはそのまま国の軍事力に直結しています。

この生産性を上げることがそのまま国力となっていたわけです。

そしてこの価値観は、そのまま日本にも受け継がれました。

社会に出たときに会社が扱いやすい社員になるように”常識”を叩き込む場所、それが現在に至るまでの学校なのです。

しかしロボットやAIの誕生により、いままで人間がやっていた単純作業はどんどん仕事としてはなくなっていきます。

そうなると、上の言うことを従順に聴いてひたすら働く能力というのはもはや必要なくなります。

それにインターネットが発達した現代では、必要な知識をその都度調べることも非常に簡単になりました。

となれば、自分の好きなことに没頭しそれについての知識を深めることでAIなどにはまねできない仕事をしていくことが今後はより簡単になっていくのです。


やりたいことに没頭して新たな価値を生み出す


これはなにも今に始まったことではありません。

レオナルド・ダ・ヴィンチやニュートン、アインシュタインだって自分の興味の対象に没頭し続けたにすぎません。

しかし彼らとの違いは、インターネットの普及によってとにかく情報を手に入れるハードルが下がったことにつきます。

そしてそれは同時に、情報の発信も容易になったといえます。

何かに没頭して専門性を高め、それをインターネットを使い様々な形で発信していくことで興味の対象はそのまま仕事になります。

誰でもできる仕事を誰もができるようになるための”常識”を植え付ける機関としての学校の役割は、すでに失われつつあるのです。


まとめ


インターネットの登場により情報へのアクセスは容易になり、また社会や国という境界すらなくなりつつあります。

そんな時代の流れに対応せず、画一的な過去の価値観を教え続ける「学校の教育」は確かに洗脳に近いものがあります。

しかしどんな組織や存在も、必要性があってそこにあります。

その必要性が変わってきているのですから、教育の在り方も堀江さんの言うように変化していくでしょう。

既に教育という洗脳を受けてしまった人たちもその呪縛から解き放たれ、自分のやりたいことに没頭する。
そんな時代が来るはずです。


この本には他にも、

  • G人材とL人材
  • タグ付けによる自身の価値の向上
  • これからの働き方

など、教育について他の著書よりも一歩も二歩も踏み込んだ内容が書かれています。

堀江さんの他の本を読んで気になった人が読めば、より理解を深められるでしょう。




関連書籍記事
「多動力」堀江貴文著
「逆転の仕事論」堀江貴文著
「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江貴文著
「99%の会社はいらない」堀江貴文著
「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」堀江 貴文著
「稼ぐが勝ち」堀江 貴文著
「本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方」堀江 貴文著
「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著
「マンガ版 「好き」を仕事にして生きる」堀江 貴文著

2017年8月2日水曜日

「何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術」山口 拓朗著

今回の本はこちら。

●書名・・・何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術
●著者・・・山口 拓朗


「うまく」「はやく」書けない人へ


ブログやSNSがかなり普及してきた最近では、個人で文章を書き発信することがかなり簡単になりました。

しかし実際文章を書こうと思ってみても、そもそも何を書いたらいいかわからない人も多いと思います。

また既に何かしらのメディアで文章を発信している人でも、頑張って書いてはいるけれどもなんとなく内容がパッとしなかったり思っていることを伝えきれていないと感じている人もいるかもしれません。

この本はそんな「何を書いたらいいかわからない」「上手い文章が書けない」と悩んでいる人に向けて書かれた本です。

この本に書かれている「書く前の準備」をしっかり行い、実際に書き始める際にも「文章フォーマット」をつかうことで「うまく」「はやく」文章を書くことができるのです。


なぜ「書く前の準備」と「文章フォーマット」が重要なのか?


ただ文章を書くだけならだれにでもできますが、「上手い文章」「わかりやすい文章」となるとそう簡単ではありません。

”文章を書く”というとその書く行為だけを想像してしまいますが、実際には自分の中に書きたいことがあってその情報を相手に伝えるために”書く”という行為に及ぶのです。

自分の中の書きたいことやそれについての情報が整理されていないと、そこから出てくる文章も散らかった、わかりにくいものになってしまいます。

また文章を書いて自分の想いを相手に伝えるためには、それに適した文章の流れがあります。

読む相手も人間ですから、その心を動かすためにはただ押し付けるだけではいけないのです。


実際に行う「準備」と「フォーマット」


この本では、文章を書く前にその内容についての情報を整理したうえで、以下の項目を考えるよう書かれています。

  1. 読者ターゲットを明確にする
  2. 読者ターゲットのニーズを把握する
  3. 文章の目的を明確にする
  4. 読者の反応を決める
  5. メッセージをひとつに絞る
  6. 文章の切り口を工夫する
  7. 文章のレベルを決める
  8. 文章のテイストを決める
これらの項目をひとつひとつしっかり考えて決めることで、「伝えたい相手」に「伝わる」文章を書きやすくなります。

またこれらの項目が文章を書く上での見取り図の役目も果たしてくれるので、文章を書きあげて見直す際にも目的とずれていないか確認するのに役立ちます。

これらの項目を決め準備が整ったら実際に書いていくわけですが、その時もただ漫然と書くのではありません。

この本に書かれている「文章フォーマット」を活用することで、迷いなくわかりやすい文章を書くことができます。
  • 結論優先フォーマット
  • 物語フォーマット
  • 主張フォーマット
  • SNS紹介・宣伝フォーマット

これらのフォーマットを使うことで、それぞれの文章の目的に沿った流れが書きやすくなります。

たとえば結論優先フォーマットなら
①結論→②理由→③具体例→④まとめ

と書いていくことで、自分も何を書くのか見失わずに、読む人にもわかりやすい文章が出来上がります。


まとめ


「文章を書く」という誰にでもできることだからこそ、やり方を知っているかどうかでその成果に天と地ほどの差が開いてしまいます。

個人の発信スキルが重要になってきている現代で「うまく」「はやく」書く方法を知ることはそれだけで頭一つ抜け出す材料となるのです。

今なんとなく文章を書いていてこのままでいいのかと悩んでいるのなら、ぜひ読んで損はない一冊です。


2017年7月25日火曜日

「「生産性」をあげる技術」石田 淳著

今回の本はこちら。


●書名・・・「生産性」をあげる技術
●著者・・・石田 淳

著者の石田淳さんは「続ける技術」などでも有名ですね。
アメリカの行動分析学を元に日本人向けにアレンジした”行動科学マネジメント”を確立した方です。

『「生産性」をあげる技術』では、書名の通り日頃の仕事における生産性を、個人の能力や精神論に頼らず誰でもあげられる方法を紹介しています。

最近では日本人の生産性が先進国の中でもかなり低いことが話題になっています。

最近でこそワークライフバランスという言葉が広まり始めていますが、もともと長い時間をかければいいものが作れると思っている節があるので結果的に全体の生産性は低いのでしょう。

また「生産性を上げる」というと、いつも通りの作業をいつもより”頑張って”早く大量にこなすという結論に達している場合も多く感じます。
この場合、仕事量だけ増えてあとは「頑張れ」と言われるだけですね。

このような状況ではもちろん「生産性」が上がるわけもありません。


この『「生産性」をあげる技術』では上記のような曖昧な表現になりがちな「生産性」を明確にし、誰でも向上させられるように説明しています。


生産性を向上させるには、3つのステップを踏む必要があります。
それは、
  1. 標準化する
  2. 評価する
  3. 仕組み化する
以上の3つです。


標準化とは仕事で必要な作業を明確にし、チームで共有することです。

なにをするにも人にはそれぞれのやり方があったりしますが、その個人のやり方に任せてしまったのではもしその人が休んだり辞めたりした場合にやり方がわからなくなり他の人が作業することが困難になってしまいます。

このように属人化(誰かしかできない)した方法を分析し標準化(誰でもできる)することで、新人の教育なども速くなるし作業の問題点なども探しやすくなります。

作業のチェックリストを作ったりするのも標準化になりますね。


評価するというのはいわゆる良し悪しを判断する評価ではなく、ここでは標準化した行動を行ったことを褒めることを言います。

褒められることで、人はその行動を再び行いやすくなります。

人は自分にとってのメリット(報酬)があることで行動を起こしやすくなるからです。

報酬と聞くとついお金(給与等)をイメージしてしまいますが、これは必ずしも金銭的な報酬でなくともよいのです。

感謝され、褒められるという非金銭的な報酬でも十分効果があります。


最後の仕組み化ですが、これを行うことで自然と標準化や評価を行えるようにします。

例えば評価の方法をポイントカードにするなど、具体的に見える化していきます。

また、標準化や評価を全員で行えるようにすれば、もはや放っておいても勝手に生産性が向上していきます。

この仕組み化を怠ると、常に自分がハッパをかけなくてはいけなくなるため一時的に生産性は上がるかもしれませんが自然に成長する組織にはなり得ません。


基本的なことは上記の3点ですが、この『「生産性」をあげる技術』には途中漫画やイラストなども交えてもっと具体的な方法が多数載っています。

またこの本では主にチームのリーダーが自分のチームを成長させるという前提で書かれていますが、その方法は個人であっても応用可能です。

自分自身を客観的に見つめ、自分の「生産性」を向上させるのにも十分役に立つ一冊です。


「稼ぐが勝ち」 堀江 貴文著

今回の本はこちら。


●書名・・・稼ぐが勝ち~ゼロから100億、ボクのやり方~
●著者・・・堀江 貴文

ホリエモンこと堀江貴文さんの、2005年に出された本です。

なかなか刺激的なタイトルからわかるようにお金について、特にお金に対する考え方について書かれています。

堀江さんは今でも年に何冊も本を出していますが、そのすべてに共通する考え方みたいなものは、この「稼ぐが勝ち」にもすでに表れています。


堀江さんはこの本の中で当時の時点での様々な未来を予想してビジネスをしているのですが、10年以上経った現在から振り返るとそれらは驚くほど当たっています。

たとえば、当時すでにインターネットは一般に普及し始めていましたが、それでも今のように大半の人がスマホをもってネット環境に接続していたわけではありません。

それでもいずれはインターネットも空気のように日常にありふれたものとなり、そこを軸にビジネスは変化しているととらえています。

テレビや家庭用ゲームも、一般化するネット環境の中でどんどん動画サイトやソーシャルゲームにとって代わられています。

そういう未来に気づければ、世の中にフロンティアと言われる場所はまだまだあり、その数だけビジネスチャンスが眠っているのです。


しかしビジネスチャンスがどうとかいうと、機会を狙って楽して稼ぐみたいな印象もありますが堀江さんが言っているのはそういうことではありません。

この本の中で堀江さんは、ビジネスをやるには「気合と根性」が重要だと言っています。

とにかく気合と根性でモノをひとつ売る。

ひとつでも売れることでそれが小さな成功体験として積み重なり、いずれビジネスを成功させるのです。

この辺は堀江さんの別著「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」にも通じる考え方ですが、とにかく基本(営業して物を売る)に忠実に繰り返すことが成功への道だと説いています。


この本が出たのは10年以上前(2005年)ですが、今読むとまさに今書かれたのではないかと思うほど書かれた通りの社会になりつつあります。

ということは今の堀江さんにはすでに10年後の未来が見えているのかもしれません。


堀江さんの意図するところではないでしょうが、この「稼ぐが勝ち」は今読むといかに自分が”今”にとらわれているかを知ることができる不思議な一冊、そして示唆に富んだ一冊です。





関連書籍記事
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「すべての教育は「洗脳」である」堀江 貴文著
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「東大から刑務所へ」堀江 貴文 井川 意高 著
「マンガ版 「好き」を仕事にして生きる」堀江 貴文著

2017年7月8日土曜日

「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」堀江 貴文著

今回の本はこちら。

●書名・・・なんでお店が儲からないのかを僕が解決する
●著者・・・堀江 貴文

ホリエモンこと堀江貴文さんによる、世のレストランや飲食店の経営についての本です。

一年のうちほぼ365日外食する(!)堀江さんの目から見て、現在の飲食店の多くは味が良くても経営的に気になることが多いそうです。

そして実際、競争の激しい飲食業界では店が数年生き残るのも難しい状態。

しかし多くの場合では、ちょっとした工夫でそんな状況を改善することができるのです。


例えば、料金の支払いについて。

堀江さんは、クレジットカードでの支払いができない店が非常に気になるそう。

なるべく現金を持ち歩きたくない堀江さんとしては単純に面倒なのでしょうが、古くからある店ほど使えない場合が多そうです。

カード会社に手数料を取られたり導入がめんどくさいと嫌がるお店は多いようなのですが、その解決策がすごい。

「スマホに付けるカードリーダー」を使った、Squareというサービス。

サイトからアカウントを作りカードリーダーをスマホに取り付けることで、そのスマホがPOSレジの機能を果たすようになるのです。

つまり、スマホとそのリーダーがあればお客さんはカードでの支払いができるようになり、店側もお客さんの情報等をスマホでまとめることができるのです。

このサービス、飲食店だけじゃなく他のあらゆる業態で利用できますね。

僕のいる演劇業界、特に小劇場界なんかはぜひ導入するべきです。

自分で出演しても観に行っても、小劇場の受付でカードOKなところなんて聞いたことないしそもそも注意書きもしないくらい「現金が前提」になっているように思います。

これは各公演がかなり小規模なのもあり、また受付のスタッフが主宰団体の人間でない場合も多いのでこういう状況なのだと思いますが…

しかし現金のみだと計算間違いも起きますし、釣銭の用意も結構大変です。
お店なら釣銭は多めに用意してもまた翌日も営業しているので使えますが、舞台の公演は千穐楽が終われば片付けなければなりませんから釣銭もさほど余裕をもって用意することができません。

ここにカード決済を導入すれば、受付もスムーズになるしお客さんも変に気を遣わなくて楽なんじゃないかな…

前売りとかでも利用できたらチケットの販売率も上がるかもしれないし。

(ちなみに本の中では「コンビニで買える」と書いてあるのですが、いろいろサービス内容も変わっているようで2017年7月現在公式サイトの他ではAmazon等のネット通販や一部の家電量販店での扱いのみとなっているようなので導入する場合は確認が必要です)

このように、この本に書かれた内容は他業種でもかなり広範囲で応用が利きます。


本の後半では飲食店の経営者からの質問に堀江さんが答える形で様々な相談に乗っています。

これもまた面白い内容が多く、一瞬経営者側の質問にも「そうだよねぇ」と賛同しそうになるのですが、堀江さんはそのことごとくに自分なりの回答を持っています。

それらを読むと、質問している経営者たち同様いかに自分の頭が凝り固まっているのか痛感して反省してしまうほどです。


また巻末には堀江さんが運営する飲食店のキュレーションサイト「TERIYAKI」に堀江さん自身が寄稿した、つまり「美味しい」と認めたレストランのリストが457店も載っています。


正直、いくら「食」が好きだからと言ってなぜこんな本を出したのかと思っていたのですが、その動機は単純にして強力でした。

美味しいお店に長く続いてほしい。

そういうことなのだと思います。

ただ経営がイマイチだからと文句を言っているのではなく、生き残ってほしいからこそ気になることが山とある。

この本は、堀江さんの「食」に対する、そしておいしいお店に対する愛がいっぱい詰まった一冊なのです。




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2017年7月7日金曜日

「マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門」岡野 純著

今回の本はこちら。

●書名・・・マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門 impress QuickBooks
●著者・・・岡野 純著

タスク管理といえば、いまや会社でバリバリ働くビジネスマンが多くの仕事を処理するための必須スキルです。

その日にやるべき仕事をリストアップし優先順位をつけ、片っ端からこなしていく。

…というのが理想なのですが、実際はリストアップしてもなかなか手が付けられなかったり、優先順位を付けようにもどれも重要なことに思えてしまったり、そもそもやるべきことをいくつも忘れてしまっていたりと、なかなかうまくいかない場面も多いのではないでしょうか。

「マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門」の主人公もそんなサラリーマンのひとり。

しかし妻の助言や普段の生活の中での様々な気づきから徐々に正しいタスク管理を身につけていき、ストレスの少ない充実した生活を送れるようになっていきます。

とはいえこれはあくまで漫画だし、やはりタスク管理は難しいなんて思ってしまいますよね。

確かに気をつけるべきことは多いのですが、この「マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門」では主人公の子供たちにも簡易版のようなタスク管理を実践させ、おもちゃの片付けや幼稚園へ行く荷物の準備等を子ども自身でスムーズに行えるようにさせることに成功しています。

もちろん管理項目などは両親が考えますが、タスク管理自体はただの仕組みであり、実践者の才能などは関係ありません。
だから子供たちもしっかりタスクを処理していくことができるのです。

また、主人公のタスク管理に加え子供たちのいわば簡易版タスク管理があることで、タスク管理における基本的な要素がわかりやすく説明されています。

本質さえしっかり押さえれば、誰でもタスク管理は行えるのです。

この「マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門」ではタスク管理の基本の説明と共に、時間を計ったりタスクを記録するアプリなども紹介しているので、それらも試しながら実践することでタスク処理能力が飛躍的に向上するでしょう。

漫画の内容もほのぼのしていてさらっと読めてしまうのに、その効用は計り知れません。

もし自分のタスク管理がうまくいっていないと感じているなら、読んで損はない一冊です。

2017年6月28日水曜日

「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」勝間 和代著

今回の本はこちら。


●書名・・・無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
●著者・・・勝間 和代著
●価格・・・1500円+税

勝間和代さんによる、時間術についての本です。

この本では、”同じ成果でもかかる時間を短縮し、余った時間でさらに他の時間管理法を考えること”を投資として考え自分の時間効率(同じ時間あたりどれだけの成果があったか)を向上させる方法が説かれています。

勝間さんは「有意義で生産性が高く、かつ、高収入につながる時間」を「黄金の時間」と定義して、

勝間式「黄金の時間の5原則

を、成果が出る時間管理法の原理原則として説明しています。

その5原則とは

原則① 時間を作るためには、あらゆる面の投資を惜しまない
原則② 単位時間当たりの成果に、固執する
原則③ 必要以上に「いい人」にならない
原則④ やりたくて、得意で、もうかることを優先する
原則⑤ スケジュールはゆったりわがままに設定する

以上の五つです。

この「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」では、この原則を中心にしたさまざまな具体的時間管理法が書かれています。

この本は出版されたのが約10年前(2007年)なので、パソコンやIT関連の道具に関しては書かれている内容が多少古くなっていますが、それでもその考え方は現在でも十分読む価値のあるものです。
それに10年前の本に書かれているITスキルの改善ですら、現在できていない人は多いでしょう。

それでは実際に「黄金の時間の5原則」を実行するには、どんなことに気をつければよいのでしょうか?


①実行できる人とできない人の違いは、「(誰でも弱い)意志を、いかに手法やスキルで補って、習慣化できるようにしているか」


世の中に時間術や時間管理法について書かれた本は山ほどあります。
それはつまり、時間管理が”できない”人が多いということでもあります。

しかしもちろん”できる”人もいます。両者の違いは何なのでしょうか?

「できる人はもともと意志が強いのだ」と考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。
できる人は、”続く仕組みづくり”をするのが得意なのです。


生活の中に新たな時間術を取り入れるということは、”新たな行動”をする必要があるということです。

しかし誰でも経験があると思いますが、”新たな行動”というものはなかなか続きにくい。

ここで挫折してしまう人が多いわけですが、それならその行動を続けやすい工夫を考えればいいわけです。

たとえば、

その行動に取り掛かるための最初の手間を減らす。
記録をつけて日々の変化や成果を目に見える形にする。
移動時間に読書をするなど、普段の行動に紐づけて生産性を上げる。

など。

このように工夫して続けやすくすることでそれが成功体験になり、またその成功体験をすることで、成果の出るまで時間のかかることも辛抱して習慣化することができるのです。


②「思いやり」と「奉仕」を間違えてはいけません。自分の価値の出ない仕事を断ったり、参加しないというのは、相手に対して思いやりがあることなのです。


これは「黄金の時間の5原則」の”原則③ 必要以上に「いい人」にならない”とも関連しています。

どんのなものでも新しい行動を行うためには、まず現在やっていることを減らし新しいことを行うための時間(余裕)を確保しなくてはなりません。

しかしもし自分が”必要以上に「いい人」になって”他人から頼まれたことを全て受け入れていれば、自分のスケジュールはすぐにいっぱいになってしまいます。

こういう人の考え方の特徴として「せっかく自分を頼ってくれたのだから、断るのは相手に申し訳ない」という”相手を思いやったもの”がありますが、これは決して真の思いやりではありません。

なぜなら相手はそもそも誰でもいいけどダメ元で頼んだのかもしれないし、自分がその仕事に適任かどうかもわからないからです。

だからいったん立ち止まって考えて、その仕事は本当に自分が最適か、またその仕事をやること自体自分にメリットがあるのかを考える必要があるのです。

こう考えることで相手の仕事の生産性が上がる可能性もありますし、自分も必要以上に時間を使うことがなくなります。これはお互いの時間への思いやりです。

これに対しただ従うのは奉仕であり奴隷。
あくまで人は対等なのですから、相手ばかりではなく自分の都合も優先するべきなのです。


③毎日、同じ作業が続くものなら、ひょとしたらこの作業を短縮できないか、ということを考え続ける


人は一日の大半の時間を”昨日と同じこと”をして過ごしています。
そしてその習慣の一つ一つは、5分~10分程度の細かい作業の積み重ねでできています。

これらは毎日やることだからこそ、ほんの少しの時間短縮に成功するだけでも、長い目で見て大きな違いを生むのです。

またかかる時間が同じでも成果を上げることができれば、それも時間効率のアップとなり時間短縮と同じ効果が得られます。

そのためには、日々行うことの時間を計測し、新しい方法をどんどん試し、少しずつでも時間効率を改善していく姿勢が必要不可欠です。

ひとは時間と共に環境や能力が少しずつ変わっていきますから、ベストな方法というのもその時々で違ってきます。
これに合わせるためにも、日々のたゆまぬ改善が大切なのです。

ただし、ひとつずつでも確実にやることを優先するべきです。
なぜなら人にはホメオスタシス(恒常性)というものがあり、極端に変化してしまうともとに戻そうという力が働いて結局習慣を変えることができないからです。

しかし少しずつでも変えていくことで、のちの大きな変化につながります。



時間効率を向上させるためには、まずやることを減らし時間に余裕を作る。
そして効果を測定しながらこれまでやってきた方法を改善したり、より良い行動を実践する。

そして知識や道具など、時間効率を上げる可能性のあるものへの投資は惜しまず、常に改善を続けることです。

2007年の本ではありますが、その原理原則は少しも色あせることがありません。

この本の中には

ワークライフバランスを実現するため、日本人全体が時間への意識を高めなければなりません

という一文があるのですが、はたして10年経った現在、その”ワークライフバランス”は実現されたのでしょうか。

言葉こそよく聞くようになりましたが、実態としてはさらに悪化しているような気さえします。

このような現状を変えるためにこそ、やはりこの本の内容は役に立ちます。

現在こそ、「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」を実践し、時間効率を向上させるべきなのです。






関連書籍記事
「天才!成功する人々の法則」マルコム・グラッドウェル著 勝間 和代訳

2017年6月12日月曜日

「自由な人生を手に入れる教科書」濱田 大輔著

今回の本はこちら。



●書名・・・お金 時間 場所 あらゆる束縛がなくなる 自由な人生を手に入れる教科書
●著者・・・濱田 大輔著
●価格・・・1000円→無料ダウンロード

このブログ初の電子書籍です。

この「自由な人生を手に入れる教科書」は、通常の就職以外の道(特にネットビジネス)で収入を得て、真に自由な生活を送ることについて書かれた本です。


著者の濱田大輔さんは”だいぽん”というハンドルネームでネット上で活動しています。

濱田さんご自身、もともとかなり借金のある過程で大学も休学しバイト三昧の日々を送っていたそうですが、ネットビジネスを始めてその収入のみでかなり稼げるようになり家の借金を返済。
そして自身がほとんど働かなくても自動で収入を得られる”仕組み”を構築し、現在は週休5日(!)くらいの”自由な”生活を送っているそうです。


本編は収入を得る仕組みについての考え方と、そもそも自由になる(自由を受け入れる)ための思考についての二部構成になっており、それぞれにまとめがついているので簡単に内容を振り返ることができる作りになっています。

本の中で濱田さんは”真に自由になるために必要な四つの要素”として

  1. 身体的自由
  2. 経済的自由
  3. 時間的自由
  4. 精神的自由
を挙げています。

これらを手に入れるためには、いったいどのようにすればいいのでしょうか。


① 時給の世界で戦っている限り、どれだけ頑張ったところで、たどり着けるのは小金持ちまで


どこか(または誰か)に雇われて働いている場合の収入とは時給の積み重ね(実際には月給でも時給換算は出来る)ですが、アルバイトではだいたい900円くらい。

給料が高いと言われている医師や弁護士でも1~3万円ほど。

コンサルティング会社として有名なマッキンゼーでは、時給8万円ほどになるそうです。


アルバイトとマッキンゼーでは100倍ほどもの差がありますが、それでも自分の「時間」と「労働力」という資源をお金に変えているという基本的な働き方は一緒です。

「時間」と「労働力」という資源をお金に変えているという基本的な働き方は一緒です。

「時間」と「労働力」という”商品”をお金に変える働き方をしている限り、一人が人生で稼ぐことのできる金額には限界があります。

しかもその収入を得るためには、自分の時間の大半を仕事に費やす必要があります。

そうやっていろんなものを我慢して必死に働いて、いざ自分の時間を持てるようになるのは退職した後。

退職した後の年老いた体では、冒頭で紹介した真の自由の要素のうち”身体的自由”を失っている可能性が高いです。

仮に退職後すぐは元気でも、その後10年同じように元気かといえば疑問ですね。


このような状況を打破するためには「自分の体から切り離せる、時間・労働力以外の商品」をそれぞれの人が手に入れる必要があります。

そうすることで初めて、自分の時間の限界を超えた金額を稼ぎうる可能性が生まれるのです。


② インターネットは「価値の拡散」を容易にする


「自由な人生を手に入れる教科書」では自分の時間・労働力以外の商品を売る際に、ネットビジネスでの起業を薦めています。

通常の起業だと、店や事務所を借りることから始まり維持費や備品も必要で軽く数百~数千万円はかかってしまいます。

しかしネットビジネスの場合、必要な初期投資はネット環境とパソコンくらい。数万円程度で用意できます。

また最初にお金がかかるものとして商品開発などもありますが、ネットビジネスの場合それすら必要ない方法もあります。

そして何よりインターネットでのビジネスの利点は、自分のお客さんになってくれる可能性のある人が「自分の近くの限定された地域」から「日本中の1億人」になることです。

収入を得るということはすべからく「価値を提供してその対価(お金)を受け取る」ということですから、価値を提供できる可能性のある相手(見込み客)が増えれば、それだけ大きな金額を稼ぐことも可能になるのです。


③ いちいち努力とか覚悟とかしなくても、価値観が変わって、自分が無意識に自由に繋がる選択や行動をとり続ける状態になれば、いずれ勝手に自由はやってくる


自由になるためにまず必要なのは「自由を受け入れる」という思考です。

もし「稼ぐ仕組みづくりは一部の天才にしかできないことで、自分には無縁だ」と思っていれば、それに関連した情報やチャンスを無意識のうちに拒絶してしまいます。

逆に心の底から自由になりたい、そして自由になることができると思っていれば、そういった情報が普段から目に飛び込んでくるようになるのです。

日々の暮らしに文句を言いながらも自由の少ないサラリーマンなどを続けている人たちの多くは、心の底ではそういう不自由な状態を良しとしてしまっているのです。


しかしこの時、「絶対自由になるために頑張るぞ!」と力みすぎてしまうのも問題です。

頑張っている状態というのは一時的には成果を上げやすくなったりしますが、常に”少し無理をしている”状態なのでいつか必ず電池切れを起こします。

そうならないためにも「頑張らなくても続く仕組み」や「そんなの当たり前だろ」と思えるほど自分に価値観を落とし込むなどすれば、その思考に沿って自然と行動が続きやすくなります。

結果として、いずれ成果にたどり着き自由になることができるのです。


スマホが普及しネットビジネスが比較的一般化した現在でも実際にやっているのはまだひと握り。
つまり、まだまだ成功するチャンスは多いのです。

また、単純労働がどんどん機械化されていくであろう今後の世界で、自分だけでお金を稼ぐスキルというのは確実に重要になってきます。

それでいてネットビジネスの敷居は低くなり、リスクもほぼ負わずにチャレンジすることができるようになってきているのです。

これをチャンスととらえて、個人の力で収入を得る仕組みを作り”自由な人生”を手に入れましょう。


著者自身ネットビジネスの一環として様々な媒体でこの本にあるような価値観を広めているのだと思いますが、それでも随所で過去の著者自身と同様に自由を求める人たちを何とかしてあげたいという思いが伝わってきます。

ブログなどもやっているようなので気になる方はチェックしてみると、また一段と深く「自由な人生を手に入れる教科書」が理解できるかもしれません。

だいぽんさんのブログ↓
アフィリエイトで一億円稼いで自由になった元皿洗いのブログ

「自由な人生を手に入れる教科書」無料ダウンロード↓
自由な人生を手に入れる教科書

2017年6月5日月曜日

「僕らが毎日やっている最強の読み方」池上 彰 佐藤 優著


今回の本はこちら。




書名・・・僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

著者・・・池上 彰 佐藤




池上彰さんは元NHKの記者・キャスターであり現在はフリーのジャーナリスト。

佐藤優さんは元外務省主任分析官であり現在は作家として活動されています。



現代日本の知の巨人ともいえるようなお二人が、普段どのように様々な情報を読み解いているかという技術を対談形式で余すところなく公開しているのがこの「最強の読み方」です。



新聞・書籍・ネットなどからいかに情報を集めるか、またいかにそれらに惑わされない力を付けるのか。



これらは現代に生きるすべての人にとって、必要な能力なのです。





世の中で起きていることを「知る」には新聞がベースになり、世の中で起きていることを「理解する」には書籍がベースになる




今の世の中を知るための基本的かつ最良のツールは、やはり新聞です。

世の中のあらゆる側面をざっと把握することができるという「一覧性」において、新聞に勝るメディアはありません。



速報性という意味ではいまやネットが勝っている部分もありますが、それらネットの記事も結局新聞などの「一次情報」を利用した「二次情報」であることが多いため、やはり情報を知るための新聞の重要性はいまだに高いままなのです。





新聞をしっかり読めば「何が起きているか」を知ることができますが、しかしそれだけでは「なぜそうなったのか」「その背景にあるものは何か」まで理解することはできません。



ここで重要になってくるのが書籍です。



新聞で知る情報を理解するにはすべての土台となる基礎知識が必要であり、それは書籍を読まないと養うことができないのです。



池上彰さんも基本的には「新聞で日々のニュースの全体をとらえ、気になるテーマがあれば書籍で深堀していく」スタイルだそうです。





いまの時代にインプットの時間を確保するには、あえて「ネット断ち」や「スマホ断ち」をする必要がある




ネットにも有益な情報はありますが、それでもインターネットを使っている限り「ネットサーフィンの誘惑」は常に存在しています。



ネットサーフィンの良くない点は、時間の浪費に加えて、そこで観た情報がほとんど記憶に残らないことがあげられます。

ただでさえ時間の限られてる毎日にこんなことで時間を浪費していては、インプットの効率は悪くなる一方です。



そうならないためにも、なんでもネットにつながりつつある現代ではある程度の意識的な「ネット断ち」や「スマホ断ち」が必要になってくるのです。



電車内などを見まわしてみてもいまやほとんどの人がスマホを操作しているか居眠りしているかですが、例えばそこで読書をすることでインプットの時間が継続的に増えることになります。





また最近では電子書籍もかなり広まってきましたが、ここでも注意が必要です。



電子書籍はスマホやタブレット端末でも読むことができますが、それらはやはり「ネットサーフィンの誘惑」がありますし、メールやメッセージの受信のお知らせなどでどうしても集中力をそがれてしまいます。



読書に集中するためにも、やはり電子書籍は専用端末で読む方が効率がいいのです。





今の時代、簡単にはネットにつながらない、その不自由さが、逆に知的強化にはメリットになるのです。





発見したタネ本は内容がきちんと理解できるまで何度も読み込むと、それがそのジャンルに関する基礎知識になります




興味を持ったジャンルを理解するために何冊か本を読むと、徐々にそれら関連書籍の元になっている「タネ本(基本書)」がわかってきます。



このタネ本をしっかり読み込むことで、そのジャンルの基礎知識を身につけることができるのです。



もちろん後発の本の方が補足情報があったり読みやすかったりしますが、それでもやはりタネ本の方が情報の密度は一番濃いものです。



こうしたタネ本をしっかり読み込み基礎知識を養い、それから日々の情報や後発の本などで自分の中の情報をアップデートしていけば、その分野への理解は格段に深まります。



また同様に現代の様々な考え方の元になっているそれぞれの古典作品を読むことも、社会を理解する手助けになります。




まとめ




この本のなかでも何度も説かれていることですが、世の中のことを「知る」ために新聞・雑誌・ネットなどから情報を得る必要がありますが、それらをちゃんと読みこなすためには書籍を読んで世の中のことを「理解する」必要があります。



こうした書籍による基礎知識があるからこそ、大量の情報を読みこなしたり、怪しい情報に騙されることを防ぐことができます。





この本は主にビジネスパーソンに向けて書かれた本ではありますが、溢れるほどの情報がある現代においてはどんな人でもこれらの読みこなすスキルは必須です。



佐藤優さんの言葉で印象的だったのが「知識は、生き残るための武器であり、かつ「防具」にもなる」というもの。



この「最強の読み方」に書かれていることを実践し自身の読み方を強化することで、確実に世の中への見方が変わることでしょう。



お二人とも他に多くの著書を出しているので、まずはそこから読み始めてもいいかもしれません。




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「わかりやすく〈伝える〉技術」池上 彰著