人生読本~20代からの読書日記~: 9月 2016

2016年9月22日木曜日

「99%の会社はいらない」堀江 貴文著


今回の本はこちら。

 


●著者・・・堀江 貴文




99%の会社はいらない、とはなかなかショッキングなタイトルですが、これは単に会社という組織を否定しているのではなく「他人に押し付けられた嫌な仕事をするのではなく、自分の好きなやりたいことをやることに自分の時間を使うべきだ」という著者堀江さんの考えを極端にあらわしたものです。


もちろん日本の会社に属していても、その中で自分の好きな仕事を満喫している人はいるでしょう。しかし堀江さんはそれを「100人に1人くらいだろう」と予想。


すなわち「99%の会社はいらない」となるのです。



①「自分の時間」であれば、楽しい毎日を送ることは難しくない。忙しいことは幸せであり、自分の時間を生きることが幸せの指標になると考えている



外から見える堀江さんはかなり「忙しい人」のような印象があります。実際Twitterなどを見ても、普段数多くの企画を動かしているのに他の人のツイートもよく見ているし自身に対するコメントへの返事などもかなり多くやっているように思えます。


このような毎日を送っていても、実は本人は「そんなに忙しくない」と感じているそうです。というのも、やっている企画や仕事は常に自分が楽しいと思うことをやっているのでたとえ忙しくてもそれを楽しんでいる。なので、他の「忙しい忙しい」と口にする人たちみたいには「そんなに忙しいと感じない」のだそうです。


現在惰性で会社に勤めている人に、こういう人はあまりいないでしょう。特に最近は自分の楽しいことを追求したうえでそれを収益化する方法が多数出てきているので、いやいや会社勤めをするくらいなら個人で楽しく働いていくという選択肢もかなり大きくなっています。なによりこの「楽しい」という時間を過ごすことがそれぞれの「幸せ」につながるのです。


②お金は時間を効率化させるためのツール



日本人はおおっぴらにお金の話をするのがあまり良くないことととらえていることが多いようです。それでもやっぱり生活のため、先立つもののことを考えてしまう。そこで将来の安定を願って誰もが同じように就職する(本当はそれすらも安定はしていないのですが)。となると、さまざまな仕事が機械化されれば自分の仕事が取られてしまうんじゃないかと戦々恐々とする・・・


でも本当はそんな心配する必要ないんです。機会が代わってくれたぶん収入が減ると考えるのではなく、その時間でさらに楽しい別の仕事をして稼げばいいだけなのですから。


そして本当に大切で効率的に使わなきゃいけないのは、お金よりも「時間」です。お金はなくなっても稼ぐことができますが時間はそうはいきません。ですから本来お金とは、その時間をどんどん効率的に使えるようにするために投資するべき「ツール」なのです。


③好きなことを続けるためにも、それがさらに楽しめる場をどう作っていくのかは大切



どんな分野でも成功するためには、まず既に成功している人の方法を真似してさらに改善し、それを愚直に続けていく。続けていってブラッシュアップする。ひたすらこれの繰り返しで、確実に成功することができます。


とはいえこの続けるというのがなかなか曲者で、続けることができずに途中で挫折してしまう人が多いのです。


そりゃたとえ楽しいことでもただひたすら無限に続けるのは難しいかもしれません。でもそれならば、「難しい」で終わらせるのではなくどうやったら楽しく続けていけるか工夫していけばいいのです。そこに時間をかけることでそのあとひたすら続けられるのであれば、決して高い投資ではないはず。


好きなことを続ける、そして続けられる好きなことを保ち続ける。これがこれからの社会で生きていくうえで大切なことなのです。




まとめ


黙して働く、というのはある種日本人の美意識にかなった姿なのかもしれません。しかしそれにより個人が自分の人生を楽しめないでいるのだとしたら、それはとてももったいないことです。


それに大人になるにつれて「楽しむ」ことからみんな少しずつ遠ざかっているような気がします。日々働くのはつらいこと、でもそれに耐えなければお金を稼ぎ生活していくことはできない・・・本当にそうでしょうか。そんなのいつの間にか出来上がった思い込みなのではないでしょうか。


この「99%の会社はいらない」はその思い込みを壊してくれる、そして僕たちに「楽しく生きる」ことを思い出させてくれる、そんな頼もしい一冊です。



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2016年9月13日火曜日

「仕事の教科書」髙𣘺 秀幸著


今回の本はこちら。

 


●著者・・・髙𣘺 秀幸著

●価格・・・1400円+税

 

この本は「仕事の教科書」というタイトルですが、内容としてはよくあるビジネススキルなどではなくもっと基本の“プロのビジネスパーソンとしての心構え”を教えてくれるものです。

 

基本と言っても、現在働いている40代~50代の人達でもなかなか完璧ではないものばかり。

 

つまりこれを習得するだけでビジネスパーソンとしてかなり高いレベルになれる仕事の本質が、60日間で身に付けられるプログラムとして書かれています。

 

プロのビジネスパーソンとは、どんな雇用形態であっても、どんな仕事であっても、目標達成を有言実行し、きちんと成果が出せる社員

 

「会社がこうだからいけない」とか「上司が悪いから成績が上がらない」とか、毎日一生懸命働いているとつい言ってしまいたくなりますが、本当にそうなのでしょうか?

 

労働環境が悪い会社をブラック企業などと言ったりしますが、この本ではその企業の理念に賛同したからこそ就職したはずなのにその企業の求める社員像も知らずただ組織を批判し会社に来れば給料をもらえると思っている社員のことを“ブラック社員”と呼んでいます。

 

しかしプロのビジネスパーソンは違います。プロは常に成果や結果を出し会社に貢献することで評価され、また自身でもそういう態度で仕事に臨みます。

周りのせいにするのではなく、何事も自分事としてとらえ解決していくのです。

 

②トップ5%の「人財」になれ


この本では「人ザイ」を4種類に分けています。

「人財」・・・スキルも優秀で会社の理念もしっかり理解しているプロのビジネスパーソンです。とくにこの中でも上位5%は有能で、プロ中のプロです。

「人材」・・・スキルは多少劣りますが会社の理念はしっかり理解しています。志の高い新入社員などに多いタイプです。「人財」になる素養があります。

「人在」・・・スキルは高いけれど理念への共感度は低く、モチベーションも低い。良い条件であれば転職もいとわない、愛社精神の低い社員です。

「人罪」・・・スキルもマインドも低く、いわゆる給料泥棒。

以上4種類の「人ザイ」で「人財」が最も優秀なのは言うまでもないですが、その中でもさらに上位5%になるように自分のスキルとマインドを磨いていくべきです。そして実際その5%に入ると、周りの景色がこれまでと一変します。そうやって自分の視座を高くすることで、さらに優秀な「人財」になることができるでしょう。

 

③「下積み」の経験値が低い人に「上積み」の仕事は出来ない。

 

若いうちや新しいジャンルに挑戦し始めたときなどはどうしても作業のような、単調で一見つまらない仕事が多いと思います。そこでつい「もっといい仕事をさせてもらえれば・・・」なんて思ったりもしますが、なかなかそうはいきません。

そもそも最初の一番簡単な仕事も完璧には出来ないような奴に、より規模の大きな、より重大な責任のある仕事を任せられるわけがないのです。

 

人はなにかと近道を探したがりますが、物事にはそれなりの順序がありますし、そういうことを考える人はたいてい未熟なのです。

 

それに人は意外とよく見てくれているものです。

もし雑用ですら世界一のレベルでこなせる人物がいたら、むしろまわりがその人を放っておかないでしょう。

 

 

僕自身は俳優なので会社員という雇用形態とは少し離れたところにいますが、この本の内容はいわゆる会社にとどまらず世界中の様々な組織、さまざまな仕事をする際に心に留めておかなくてはならない大事なことでいっぱいです。

 

しかしこれらの基本は実際の仕事とは異なるもの。本来は働くこと以前にこの基本を押さえ、そのうえで自分の仕事に活かしていくことが必要です。

 

本当のスタートラインはこの60日間のあと。ですがそれは、他の人たちとは比較にならないほど有利なスタートになることでしょう。