今回の本はこちら。
●書名・・・仕事の教科書 (角川フォレスタ)
●著者・・・髙𣘺 秀幸著
●価格・・・1400円+税
この本は「仕事の教科書」というタイトルですが、内容としてはよくあるビジネススキルなどではなくもっと基本の“プロのビジネスパーソンとしての心構え”を教えてくれるものです。
基本と言っても、現在働いている40代~50代の人達でもなかなか完璧ではないものばかり。
つまりこれを習得するだけでビジネスパーソンとしてかなり高いレベルになれる仕事の本質が、60日間で身に付けられるプログラムとして書かれています。
①プロのビジネスパーソンとは、どんな雇用形態であっても、どんな仕事であっても、目標達成を有言実行し、きちんと成果が出せる社員
「会社がこうだからいけない」とか「上司が悪いから成績が上がらない」とか、毎日一生懸命働いているとつい言ってしまいたくなりますが、本当にそうなのでしょうか?
労働環境が悪い会社をブラック企業などと言ったりしますが、この本ではその企業の理念に賛同したからこそ就職したはずなのにその企業の求める社員像も知らずただ組織を批判し会社に来れば給料をもらえると思っている社員のことを“ブラック社員”と呼んでいます。
しかしプロのビジネスパーソンは違います。プロは常に成果や結果を出し会社に貢献することで評価され、また自身でもそういう態度で仕事に臨みます。
周りのせいにするのではなく、何事も自分事としてとらえ解決していくのです。
②トップ5%の「人財」になれ
この本では「人ザイ」を4種類に分けています。
「人財」・・・スキルも優秀で会社の理念もしっかり理解しているプロのビジネスパーソンです。とくにこの中でも上位5%は有能で、プロ中のプロです。
「人材」・・・スキルは多少劣りますが会社の理念はしっかり理解しています。志の高い新入社員などに多いタイプです。「人財」になる素養があります。
「人在」・・・スキルは高いけれど理念への共感度は低く、モチベーションも低い。良い条件であれば転職もいとわない、愛社精神の低い社員です。
「人罪」・・・スキルもマインドも低く、いわゆる給料泥棒。
以上4種類の「人ザイ」で「人財」が最も優秀なのは言うまでもないですが、その中でもさらに上位5%になるように自分のスキルとマインドを磨いていくべきです。そして実際その5%に入ると、周りの景色がこれまでと一変します。そうやって自分の視座を高くすることで、さらに優秀な「人財」になることができるでしょう。
③「下積み」の経験値が低い人に「上積み」の仕事は出来ない。
若いうちや新しいジャンルに挑戦し始めたときなどはどうしても作業のような、単調で一見つまらない仕事が多いと思います。そこでつい「もっといい仕事をさせてもらえれば・・・」なんて思ったりもしますが、なかなかそうはいきません。
そもそも最初の一番簡単な仕事も完璧には出来ないような奴に、より規模の大きな、より重大な責任のある仕事を任せられるわけがないのです。
人はなにかと近道を探したがりますが、物事にはそれなりの順序がありますし、そういうことを考える人はたいてい未熟なのです。
それに人は意外とよく見てくれているものです。
もし雑用ですら世界一のレベルでこなせる人物がいたら、むしろまわりがその人を放っておかないでしょう。
僕自身は俳優なので会社員という雇用形態とは少し離れたところにいますが、この本の内容はいわゆる会社にとどまらず世界中の様々な組織、さまざまな仕事をする際に心に留めておかなくてはならない大事なことでいっぱいです。
しかしこれらの基本は実際の仕事とは異なるもの。本来は働くこと以前にこの基本を押さえ、そのうえで自分の仕事に活かしていくことが必要です。
本当のスタートラインはこの60日間のあと。ですがそれは、他の人たちとは比較にならないほど有利なスタートになることでしょう。
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