●書名・・・結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方
●著者・・・茂木 健一郎著
●価格・・・1300円+税
脳科学者の茂木健一郎さんの著書です。
何か行動を起こす必要があるときに、ついぐずぐずしてしまい先延ばしにしてしまうことは誰しもあることだと思います。
そんなときはすぐに行動できない自分に嫌気がさしてしまったりもしますが、茂木さんはこれを「脳の正常な働き」だと言っています。
我々は子供の頃から「あれをやってはいけない」と言われたり、経験が増えると「常識的に考えると」などと思いまず考え込むことから始めたりします。
これらの習慣が正常に発揮され、人が何か行動するときに脳の抑制になってしまうのです。
つまり普通の人は「すぐやることが苦手」なのではなく、「脳の抑制の外し方を知らない」だけなのです。
そしてこの「脳の抑制の外し方」は、少しずつ習得し、習慣にすることができます。
この「結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方」には、脳の抑制を外し様々な場面で「すぐやる」ことができるようになる為の練習方法や習慣がたくさん載っています。
脳科学の立場から見る「すぐやる」方法とは、いったいどんなものなのでしょうか?
① 目の前の努力を「頑張る行為」と意識せず、何も意識せずに行えるよう「習慣化」することが成功への近道
人が「頑張る」と意識したときに活性化する脳の中の「努力する回路」とでも言うような場所は、エネルギー消費がとても激しいのだそうです。
消費が激しいので、もちろん習慣化や継続して行うことには向いていません。
なので、「努力」にあたる行動をあまり「頑張る」と意識しないでも行えるような習慣づくりが非常に大切になります。
また冒頭にも書いたように、日本人は根がまじめなのでどうしても「常識的に考えると…」などと考えてしまいすぐに行動に移せない傾向があります。
いくらこれは脳が正常に働いているからだと言っても、このままではなかなか結果を出すことはできません。
これらの抑制を外しすぐ行動できるようになるためには“あまり深く考えないこと”。
考えすぎて動けなくなったり無駄にエネルギーを使うくらいなら、深く考えず軽やかに結果につながる行動をしてしまいましょう。
集中し努力するということは、ただ根を詰めればいいというものでもないのです。
② 1日1回、人生で一番のプレッシャーをかけてみる
「すぐやる脳」になるためには無駄なエネルギー消費を削ることに加え、脳自体の性能をあげる、つまり成長させることも欠かせません。
脳は負荷をかけることで成長します。
しかも易しいものよりも「内容が難しい」という負荷のかけ方の方が大きな効果を期待できます。
その負荷のかけ方のひとつが「なんちゃって大プレッシャー」。
全くのウソでかまわないのですが、例えば「これからやる自分の仕事の出来次第で、東京のオリンピック招致が決まる」といったようなもの。
または「自分がもしオバマ大統領だったら」と仮定して行動してみる。
こちらはちょっとした会話もかなり責任重大になります。
こうした負荷をかける内容を毎日考えるのはかなりハードだと思いますが、だからこそ脳の動きが軽やかで創造性に富んだ「すぐやる脳」へと成長するのです。
③ 脳は「自分の課題だ」と実感したときに初めてやる気を出す
人間は一度「やらされている」と受け身に感じてしまうと、脳が抑制されて前頭葉を中心とする「やる気の回路」が働きづらくなってしまいます。
誰しも子供の頃に親に「勉強しなさい」なんて言われてなおさらやる気がなくなりゲームをしてしまった…なんて経験があるんじゃないかと思います。
そういう脳の働き方は大人になっても変わらないもの。
職場で上司の人に指示されて「やらされる」仕事も多いと思いますが、同じように少し憂鬱になってしまうのではないでしょうか。
こういう仕事を減らしてすべて自分発信の仕事ばかりにする、なんてことは現実的じゃありませんが、「やらされている」という感覚を変えることはできます。
つまり、たとえ他人からやらされている仕事であっても、それが自分の成長にどんな意味を持つのかなど、あくまで自分事としてとらえ直すのです。
自分事としてとらえるためには、視点を変えてみる。自律的に行動できるような何かしらの視点を脳に与えてあげることが大事です。
そうやって自分事にすることができれば、脳はやる気を出しやすくなるのです。
どんな分野のことでも結果を出そうと思ったらその前に行動することが大前提です。
つまり、行動がやりやすくなれば必然的に結果も出しやすくなる。
その行動をしにくくする脳の「抑制」を上手に外し、自分だけの「すぐやる脳」をつくっていきましょう。
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