●書名・・・99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ
●著者・・・河野 英太郎
「デキる人」への道は、ささいな工夫の積み重ね
「仕事のコツ」なんて聞くと、なんだか誰も知らない秘伝の奥義みたいなものを想像しませんか?
でも本当の”コツ”って、そんなものじゃありません。
いつもの作業にほんの少し工夫を加えることで、大きく成果を上げる”コツ”となるのです。
そして世の「デキる人」と言われる人たちは、この「少しの工夫」を誰よりも多く実践している人だったりします。
「誰にでもできるけど誰もやらないこと」を「誰よりも多く」やる人が結果的に「デキる人」になるのです。
この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、そんな「少しの工夫」の事例が数多く載っています。
"「まじめ」と「みじめ」は一字の違い"
そもそも、なぜそんな「少しの工夫」をみんなしないのでしょうか。
みんな不真面目なのでしょうか?
そんなことはありません。
むしろ、”まじめすぎる”のです。
まじめに礼儀を考えすぎたり、まじめに相手に遠慮してしまったり…
その結果、必要以上に時間を失ってしまったり、相手にこちらの意図が伝わりきらなかったりして効率が悪くなっていくのです。
この本の冒頭にも書かれていますが、まじめも度を超すと効率を落とす原因になります。
だからといって不真面目になれということではなく、いままでまじめに(悪く言えばかたくなに)やっていたことを少しだけ違う角度から見直して、成果につながる「少しの工夫」を実践していきましょう。
"「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる"
この「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には本当にすぐ実践できるものがたくさん書かれているのですが、その中でもとりわけ簡単かつ今すぐ実践できるものをご紹介します。
それは、
〈いつもなら「とりあえず」と言ってしまう場面で「まず」と言う〉
ことです。
ただそれだけです。
それだけですが、この言葉を変えるだけで自分の意識も、相手への印象も劇的に変わります。
上司や先輩に仕事を頼まれて「”とりあえず”資料作ってみます」というような返事をしてしまう人は多いと思います。
しかしこれではその仕事を「やっつけ」や「一応」やるかのような、半端な仕事のような印象を与えてしまいます。
これを「”まず”資料作ってみます」と言い換えるだけで、自分の意識の中では「次に」というステップが見えてきます。
そして相手にも、「すでに先のステップまで考え始めてる仕事の速い奴」という好印象を与えることができるのです。
普段使っている口癖というのは知らず知らずのうちに自分にも相手にも大きな影響を与えているもの。
これを少し見直して良い言葉に変えるだけで、「デキる人」に一歩近づくことができます。
まとめ
「神は細部に宿る」とはよく言われますが、小さなことをないがしろにするような人に大きなことが成し遂げられるわけがありません。
なぜなら大きなこととは、小さなことの積み重ねでしかないからです。
どんなに特別に見えることでも、その土台は「無数の小さなこと」が支えているのです。
そしてこの「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」には、その「無数の小さなこと」の多くが書かれています。
この本に書かれていることをひとつずつ愚直に積み重ねていく。
それだけで、いつの間にか周りから一目置かれる存在になることができるでしょう。