●書名・・・ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!
●著者・・・堀江 貴文
この本は映画化もされた漫画「闇金ウシジマくん」のいろんな場面を例に出しながらお金の本質について書かれたものです。
また題材が「“闇金”ウシジマくん」というだけあって、人間の負の側面というか人生の闇も垣間見ることができます。
現代社会における最強の武器は「信用」である!
これは堀江さんの他の著書でもよく出てくる言葉ですが、現代社会においては「信用」さえあればたいがいのことは行うことが出来ます。
たとえ何かの事業をしたいのにお金が全くないという状況でも、今はクラウドファンディングでお金を集めたりSNS等で協力者を募ったりすることが簡単にできるようになりました。
やろうと思えば全くの元手0円からでも何でもできる時代です。
多少お金があっても「信用」が全くなければ何事も成すことはできませんが、逆にある程度「信用」があれば全くお金がなくても生きていくことができるのです。
カネは必要だが、それはあくまで自分に対する「信用」の数値化に過ぎない
何事をするにもまずお金が必要です。
ではそもそもお金とは何でしょうか?
もともとお金は、価値の交換を行うための手段として発展しました。
生活が物々交換だけで成り立っていた時代も人は生きていけましたが、肉や魚、野菜などは時間とともに徐々に痛んでしまってあまり遠くへは運ぶことができません。
これらの交換の途中に「お金」を挟むことで、遠くへ「価値」だけを運ぶことができるようになったのです。
またみんな(大多数)がその価値を認める「お金」を使うことで、全くの見ず知らずの他人同士でも比較的安心して価値の交換を行うことが出来ます。
もし物々交換する相手が悪い奴だった場合粗悪な品物をつかまされる可能性もありますが、お金は誰からもらってもお金ですからね。
例えば日本人には馴染みの深い1万円札。
これも基本的な機能は全く変わりません。
1万円札を持っていれば、1万円分の価値のあるものと誰でも交換することが出来ます。
それに誰からもらっても1万円札は1万円札です。
ここで気を付けなければならないことは、“1万円札には別に1万円分の価値があるというわけではない”という点。
あくまで1万円分の価値あるものと交換できる引換券でしかありません。
これは信用についても同様で、誰かが1万円をくれるということは自分に対する1万円分の信用と引き換えに1万円札をくれるということです。
ただし逆に1万円札を渡して1万円分の信用を買うことはできません。
お金というのはそのものに価値があるわけではなく、あくまで自分の信用の値段、つまり信用を数値化したものに過ぎないのです。
ちなみに1万円札の材料費は約28円だそうです。
人生崖っぷちになっても「信用」さえ取り戻せれば復活できる
闇金ウシジマくんはつまり金貸しの漫画なので、作品の中では多くの人が借金により追い詰められていきます。
借金以外でもお金が無くなり人生の崖っぷちに追いやられても、「信用」さえあればだれでも復活を果たすことが出来ます。
クラウドファンディングなどで信用を現金化しても良いでしょうし、他にもその信用があればこそ助けてくれる人も現れるかもしれません。
しかしただお金を求めて別の借金などをして解決しようとすると、一時的には何とかなるかもしれませんが本人の信用が増えるわけではないのでいずれまた同じ問題に直面することになります。
ピンチになってこそ、自分自身の「信用」を取り戻すことが必要になってくるのです。
まとめ
今回はこの本の中でもお金と信用の関係について特に取り上げましたが、闇社会を扱った漫画を例に出しているだけあって他にも面白いテーマがいくつも出てきます。
マインドセットなどのある種の洗脳や詐欺など恐ろしいものもありますが、これらは決して他人事ではありません。
それこそお金の話も同じで、「お金=信用の数値化」ということはまだまだ多くの人にとってなじみのない考え方かもしれません。
しかしこの考え方からスタートすれば日々の活動の方向性も間違えることがなくなり、一つまたひとつと信用を積み重ねていくことが出来るのです。