人生読本~20代からの読書日記~: 「仕事の結果は「はじめる前」に決まっている」大嶋 祥誉著

2016年10月8日土曜日

「仕事の結果は「はじめる前」に決まっている」大嶋 祥誉著

今回の本はこちら。




●書名・・・仕事の結果は「はじめる前」に決まっている マッキンゼーで学んだ段取りの技法
●著者・・・大嶋 祥誉著


この「仕事の結果は「はじめる前」に決まっている」は、世界最高峰のコンサルティング会社ともいわれるマッキンゼーでコンサルタントとして働いていた経歴を持つ著者による、限られた時間の中で大きな成果を出すための仕事の段取り術について書かれた本です。


限られた時間の中で最高の質のアウトプットを出す思考法、著者はこれを「ミニマム思考」と呼んでいます。


「ミニマム思考」では仕事の無駄を省き重要な点にフォーカスすることで、仕事の質とスピードを向上させていきます。


そのために“仕事をはじめる前の段取り”が重要なのですね。



①あなたの提供するバリュー(価値)は何でしょうか?


ミニマム思考において最も重要な概念がこのバリューです。


バリューとは価値という意味ですが、ミニマム思考においてはその仕事をする上での“自分もしくは相手にとっての「メリット」”といったものです。


自分の仕事は自分自身にとってどんなメリットがあるのか。また相手にどんなメリットを提供しているのか。このバリューはどんな仕事にも存在します。そしてバリューとは誰かに決められたりなんとなく決まるものではなく、その仕事をする自分自身で決めるものです。


このバリューが意識できると、その仕事をするうえで必要なことや無駄なことが自然と浮き彫りになってきます。無駄なことはやらなければいいので、始める前から時間を短縮することができます。


逆にこのバリューがしっかりと明確になっていないとどんな作業が必要なのかわからず迷走してしまい、余計に時間がかかってしまいます。


②仮説を意識していないと、どこから手を付けていいかわからない

バリューを決めたら、次はそのバリューを生み出すための方法を考える必要があります。


しかしこの時なにもとっかかりがないと、それこそ方法は無数に存在するのでどれからやればいいのか、またどれが真に効果的なのか分からず途方に暮れてしまいます。


そこで、バリューを生み出すための仮のアイデア、“仮説”を立ててその後の行動を決めていきます。


適切な仮説が立てられればそれを解決することでバリューが生み出されるので、一番短時間で済みます。


そして適切な仮説を立てるためには明確なゴール(バリュー)をイメージし、それに沿った情報を集めることが大切になります。


こうして仮説を立て検証し、違っていたらまた別の仮説を立てる。



仮説がなければどの問題から手を付ければいいのかわかりませんが、仮説を立てることで逆にやることが絞られ短時間で質の高いアウトプットを出すことにつながります。


③高いバリューを生み出せるミニマム思考の人は、五感が鈍らないような習慣を持っている


バリューを決めるにも仮説を立てるにも情報収集が欠かせません。


しかし疲れて集中力が鈍ってしまうと、手に入れた情報の意味を正しく理解することができなくなってしまいます。そもそも集中力が鈍っているので情報の取りこぼしも起こるでしょうし、作業自体もはかどりません。



ミニマム思考の人は“最小の労力で成果を出す”という考え方をするので、そういう状況になる前に体調を整えてしまいます。


具体的には、睡眠不足にならないように常にしっかり睡眠をとったり、定期的に瞑想などをして頭の中を整理したりします。



人の脳はぼーっとしている時間にも活動的に働いているようで、これを「デフォルトモードネットワーク」といいます。

この時脳は蓄積された情報をつなぎ合わせ、ひとつの意味につなげる活動をしています。点と点をつなぎ合わせ線や面にしていくようなものですね。

そうすることで新たなアイデアが生まれ、解決の突破口になったりします。



このような機会を逃さないためにも、ミニマム思考の人は定期的にしっかり休息をとり自分の五感が常に万全な状態であるように気をつけるのです。

まとめ


最近は社会全体のテンポがスピードアップしてきて「走りながら考えろ」などと言われたりもしますが、人間はそういくつも別のことを一緒にできるわけではありません。必死に走っている時は走っていることにどうしても意識が向いてしまい、そのほかのより効果的な方法になかなか気づくことができません。


限られた時間で質の高いアウトプットを出すためには「はじめる前」にその仕事の最終成果物(目的)を考えバリュー(価値)を決定し、仮説を立てることで作業の全体を設計し実行する。


こうすることで無駄を省き、周りが驚くほどクォリティの高い仕事ができるようになるでしょう。




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