人生読本~20代からの読書日記~

2016年9月13日火曜日

「仕事の教科書」髙𣘺 秀幸著


今回の本はこちら。

 


●著者・・・髙𣘺 秀幸著

●価格・・・1400円+税

 

この本は「仕事の教科書」というタイトルですが、内容としてはよくあるビジネススキルなどではなくもっと基本の“プロのビジネスパーソンとしての心構え”を教えてくれるものです。

 

基本と言っても、現在働いている40代~50代の人達でもなかなか完璧ではないものばかり。

 

つまりこれを習得するだけでビジネスパーソンとしてかなり高いレベルになれる仕事の本質が、60日間で身に付けられるプログラムとして書かれています。

 

①プロのビジネスパーソンとは、どんな雇用形態であっても、どんな仕事であっても、目標達成を有言実行し、きちんと成果が出せる社員

 

「会社がこうだからいけない」とか「上司が悪いから成績が上がらない」とか、毎日一生懸命働いているとつい言ってしまいたくなりますが、本当にそうなのでしょうか?

 

労働環境が悪い会社をブラック企業などと言ったりしますが、この本ではその企業の理念に賛同したからこそ就職したはずなのにその企業の求める社員像も知らずただ組織を批判し会社に来れば給料をもらえると思っている社員のことを“ブラック社員”と呼んでいます。

 

しかしプロのビジネスパーソンは違います。プロは常に成果や結果を出し会社に貢献することで評価され、また自身でもそういう態度で仕事に臨みます。

周りのせいにするのではなく、何事も自分事としてとらえ解決していくのです。

 

②トップ5%の「人財」になれ


この本では「人ザイ」を4種類に分けています。

「人財」・・・スキルも優秀で会社の理念もしっかり理解しているプロのビジネスパーソンです。とくにこの中でも上位5%は有能で、プロ中のプロです。

「人材」・・・スキルは多少劣りますが会社の理念はしっかり理解しています。志の高い新入社員などに多いタイプです。「人財」になる素養があります。

「人在」・・・スキルは高いけれど理念への共感度は低く、モチベーションも低い。良い条件であれば転職もいとわない、愛社精神の低い社員です。

「人罪」・・・スキルもマインドも低く、いわゆる給料泥棒。

以上4種類の「人ザイ」で「人財」が最も優秀なのは言うまでもないですが、その中でもさらに上位5%になるように自分のスキルとマインドを磨いていくべきです。そして実際その5%に入ると、周りの景色がこれまでと一変します。そうやって自分の視座を高くすることで、さらに優秀な「人財」になることができるでしょう。

 

③「下積み」の経験値が低い人に「上積み」の仕事は出来ない。

 

若いうちや新しいジャンルに挑戦し始めたときなどはどうしても作業のような、単調で一見つまらない仕事が多いと思います。そこでつい「もっといい仕事をさせてもらえれば・・・」なんて思ったりもしますが、なかなかそうはいきません。

そもそも最初の一番簡単な仕事も完璧には出来ないような奴に、より規模の大きな、より重大な責任のある仕事を任せられるわけがないのです。

 

人はなにかと近道を探したがりますが、物事にはそれなりの順序がありますし、そういうことを考える人はたいてい未熟なのです。

 

それに人は意外とよく見てくれているものです。

もし雑用ですら世界一のレベルでこなせる人物がいたら、むしろまわりがその人を放っておかないでしょう。

 

 

僕自身は俳優なので会社員という雇用形態とは少し離れたところにいますが、この本の内容はいわゆる会社にとどまらず世界中の様々な組織、さまざまな仕事をする際に心に留めておかなくてはならない大事なことでいっぱいです。

 

しかしこれらの基本は実際の仕事とは異なるもの。本来は働くこと以前にこの基本を押さえ、そのうえで自分の仕事に活かしていくことが必要です。

 

本当のスタートラインはこの60日間のあと。ですがそれは、他の人たちとは比較にならないほど有利なスタートになることでしょう。

2016年8月30日火曜日

「成功したけりゃ、脳に「一流のウソ」を語れ」西田 文郎著




●書名・・・成功したけりゃ、脳に「一流のウソ」を語れ
●著者・・・西田 文郎著
●価格・・・1400円+税


ウソ、というと世間的にはかなりネガティブな印象の言葉だと思います。
しかしこの本で取り扱う「ウソ」はそういうものではなく、むしろ人生を好転させるために役に立つ非常にポジティブなウソです。


ウソというのは「事実と違うこと」です。
もう少し広くとらえると「現状と違うこと」「今の認識と違うこと」ともいえます。


これは
・現状と違うこと→目標など
・今の認識と違うこと→物事のとらえかた、視点
ともいうことができ、これらをうまく使うことで自分の能力を向上させたり今より大幅に成果をあげることができるようになります。


この本にはそんな「ウソ」を使った方法がたくさん紹介されています。




①予言の自己成就


なんだか難しい言葉ですが、簡単に言うと人間はたとえ根拠がなくても何かを心から信じると現状とのギャップを埋めるためにその信じたものに沿った行動をとるようになるということです。
最初に大きな目標を立ててそれに向けた小さな目標を立て実行していくことなどがこれに当てはまります。極端な話、目標を立てた段階ではその目標は現実ではないのですから「ウソ」となります。


スポーツ選手などのイメージトレーニングも同様です。
人間の脳は現実とイメージを区別できないという特徴があるので、繰り返し具体的にイメージし続けることで現実をイメージに近づけるためにいつしかイメージの通り振る舞うようになり現実を引き寄せることができるのです。


②クリアリング


人間の脳はたとえ何度マイナス思考になっても、最後の一回でプラス思考になればそれまでのマイナスが帳消しになりプラスの感情を抱くという強烈な特徴を持っているそうで、これを「クリアリング」と呼びます。
つまりこの特徴を使えばどんなときでも思考をプラスの状態に切り替えることができます。


とはいえいざマイナス思考になってしまうとなかなかプラスのことは考えにくくなってしまいます。
そんなときのために、自分専用の「クリアリング・ワード」を決めておくとマイナス思考に対抗しやすいそうです。
クリアリング・ワードは強く、短く口にできるものを選び、それを言えば気分が切り替わると自分の脳に「ウソ」を信じ込ませることで、いつでもプラス思考に持っていくことができます。


あと、目標の言葉の最後に「~なんてチョロイ」と付け加えるのも大変さや困難なイメージを打ち消す良い言葉だそうです。


③脳は「具体的でイキイキとした思い」をインプットされた時だけ、その実現に向かってフルパワーで動き出すメカニズムになっている。


「幸せになりたい」という思いは僕たち全員が持っていると思います。しかしこのような目標は決して達成されることはありません。
なぜなら何をもって「幸せ」とするのかは誰にもわからないからです。つまり、具体性に欠けるのです。


では具体的ならいいのかというと、それだけでも目標は達成されません。
たとえば「今月の売上目標は2000万円」などという目標は確かに具体的なのですが、それだけだとただの数字としか認識できず脳はワクワクしないのです。すると自分たちの能力を引き出すことができずに、目標は達成されません。


僕たちの脳は「具体的で、イキイキとした思い」のある目標を与えられた時にこそ、僕たち自身の能力を無限に引き出してくれるスーパーツールとなるのです。




人間の脳とは不思議なもので、素晴らしい力を持っているのですがその扱い方が難しい。
しかしその脳を「ウソ」という“現実ではない”手段を使って操り、さまざまな望ましい“現実”を作る方法をこの本は教えてくれます。


他人に迷惑をかける「悪いウソ」はいけませんが、自分も周りも幸せにする「良いウソ」をどんどんついて、自分の脳に刷り込んでいきましょう。



2016年8月24日水曜日

「大局観」羽生 善治著


●書名・・・大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)
●著者・・・羽生 善治著
●価格・・・800円+税


「大局観」とは少し耳慣れない言葉ですが、「大局を見る」などと使われるように物事を部分ではなく全体として俯瞰して見るといったところでしょうか。


著者の羽生善治さんは言わずと知れた将棋の名人ですね。この「大局観」の他にも「決断力」や「直観力」など様々な本を書いています。


将棋では部分部分の駆け引きだけではなく盤面全体のことも考えて戦っていかなければなりませんから、自然とこの「大局観」が重要になってきます。
しかし羽生さんの言っている「大局観」とは、実際には盤面のみにとどまらず勝負の前後、もはや将棋以外の場面のことも含まれています。応用が利くとかいう話ではなく、この場合それらを含めてなお将棋に戻ることなのでしょう。


そんな「大局観」ですから、もちろん日常でも非常に重要な考え方と言えます。


①同じ戦法を手堅くとり続けるということは、一見すると最も安全なやり方のように思えるが、長いスパンで考えたら、実は最もリスキーなやり方


現在の将棋界はもちろん以前より情報化が進んでいるため、なにか画期的な戦法があってもすぐに研究され対策を立てられてしまうそうです。時間が経つほどこの研究は進むので、同じ戦法をとり続けるとそれだけより多くの対策が立てられることにもなります。これに対抗するためには、常に新しい戦法を研究し使っていくしかありません。


これは日常生活でも同様です。
意識しないと人間はその日の行動の約8割が昨日と同じだと言われています。


あまり気に入らなくともただ安定しているという理由だけでいつも同じ仕事をしている人も多いでしょう。
しかしとかく変化の多い現代、いつ何が起こるか誰にもわかりません。急に今の仕事がなくなるかもしれないし自身が体調を崩すことも十分考えられます。こんなとき、それまで少しも挑戦することがなかったとしたら、使える手札は限りなく少なくなってしまいます。


こういう“本当のリスク”を避けるためにも、普段からすこしずつでも新しいことに挑戦し、自らリスクをとっていく必要があるのです。


②「大局観」では「終わりの局面」をイメージする。最終的に「こうなるのではないか」という仮定を作り、そこに「論理を合わせていく」ということ


将棋はスタートの形が常に同じで、相手と一手ずつ指していくことも同じで、指せる手は無限にあります。
そのなかでお互いただやみくもに指していったのでは勝負の流れも見えず行き当たりばったりの内容になってしまうでしょう。


「大局観」の世界では、まずだいたいの勝負の方向性を想像し、そこに向かってこれからの手を考えていきます。簡単に言えば自分の「勝ち」を想像し、そのために必要な手を指していきます。


これも将棋に限ったことではありません。
よくある目標管理などもその目標を達成するためにどうしたらいいかなどを考えていきますが、その目標さえも最終的に到達したい点から逆算して考えていく必要があります。
もちろんその考えた通りにすべての物事が進むわけではないので途中修正は必要になるでしょうが、それも最終的な目標がしっかり定まっていればある一定の範囲内で収まるはずです。


このように物理的な全体像だけでなく時間的に先まで見越すことも、重要な「大局観」と言えるのです。


③所有しているすべてのモノは借り物で、いつかは返さなければならない


これは羽生さんが映画「アバター」を観て着想した考え方だそうです。


最近では何もしなくてもどんどん物が増えて、自分たちの空間を侵食してきます。そうすると物理的に汚れもたまりやすくなるし生活も停滞していきがちになります。それを防ぐには増えた分物を減らして流動性を保つことが必要なのですが、やはりどうしても物を捨てるのは簡単にはできません。


そんな時「アバター」を観てこの考え方に至り、物を手放しやすくなったそうです。


実際僕もなにか不用品を捨てるときにこれを思い出し「世界に返さなくてはいけない」と思うことで以前より素直に物を片付けることができるようになりました。
自分の管理能力を超えて物を所有しても有効に使えなかったり部屋の隅でほこりをかぶっていたりとその物に対しても失礼ですからね。




以上のように「大局観」は様々なことを考える上で基盤になります。
僕たちも“自分の盤面”だけでなくもっと広い視野で物事を考えられるような「大局観」を養いたいものです。