人生読本~20代からの読書日記~: 「「仕組み」仕事術」泉 正人著

2016年8月14日日曜日

「「仕組み」仕事術」泉 正人著


●書名・・・最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術
●著者・・・泉 正人
●価格・・・1300円+税


今回はこちら。
タイトルからも分かる通り、ある「仕組み」を使うことによって仕事の効率を上げることに焦点を当てた本です。


この本で言う「仕組み」とは、ざっくり言えば主に“チェックリスト”のことです。ToDoリストともよく言われますね。


概要としては、まず仕事を「作業系」と「考える系」に分けます。たいていの仕事はこの二種類に分解することができるのですが、このうち今後の自分の将来を劇的に向上させる可能性があるのは「考える系」の仕事です。しかしもちろん「作業系」の仕事もないがしろにしていいわけではありません。
そこでこの本では「作業系」の仕事にチェックリストを活用し効率的に処理し時間を短縮することで、「考える系」の仕事に使う時間を捻出しようという考え方なのです。




①「仕組み」とは「誰が、いつ、何度やっても、同じ結果が出せるシステム」のこと


組織で働いていれば上司もいるし部下もいるでしょう。上下関係がなくとも、今まで誰かがやっていた仕事を自分がやるようになったり逆に自分がやっていた仕事を誰かほかの人がやるようになることもあると思います。
このとき、もし人によってその仕事のクォリティが変わってしまうとしたら、なかなか安定した成果は出せませんしもしかしたらコストの方が大きくなるなんてこともあるかもしれません。


1人で働いている場合でもその時々によって気分の波があったりしますから、その都度仕事内容に影響が出てはなかなか成果は上がりません。


しかし具体的で明確な作業内容のチェックリストがあれば、このように仕事にムラが出るのを防ぐことができます。
少なくともチェックリスト通りに作業すれば、だれでも一定のレベルでの成果は出せるようになるのですから。


そして作業を繰り返していく中でチェックリストの内容も改善していくことで「同じ結果」の精度を高めていくことができます。


②「仕組み」づくりは、将来の自分の時間への投資


普段の仕事をしている中で「仕組み」づくりを行うとなると、これは単純に仕事が一つ増えたことになります。
しかも「仕組み」づくりとは、いつもの作業内容を逐一書き出し、整理し、効率的になるよう考えて並べ直し、実際仕事をしていく中でブラッシュアップしていかなければならないため結構な時間を費やす作業です。


しかし、です。


「仕組み」を作るほどの仕事なら今後何回も発生するような回数の多い仕事のはずです。


ということは、最初の一回で「仕組み」づくりをすることに時間を使えば今後その仕事をやるたびに今までかかってたより時間が短縮されていくので回を重ねるごとに短縮した時間が膨大になっていくはずです。


つまり、「仕組み」の段階で時間や労力を使うことは将来の自分の、そして同じ仕事をする周りの人間の時間を短縮し自由時間を増やすための投資ということができるのです。
この「仕組み」づくりをくり返すことによって捻出した時間を使い新たな仕事をすることで、私たちは新たなステージへ向かうことができるのです。


③才能に頼らない、意志の力に頼らない、記憶力に頼らない


この本の中で一貫して主張されているのがこの三点です。


気合や根性、やる気や才能に頼って仕事をするといつか必ず壁にぶち当たります。どこかで必ず成果を出すことができなくなります。もし成果を出すことができても、きっと疲れ切っていることでしょう。
組織で働いている人なら新人を教育することもあると思いますが、「仕組み」があることで新人ですらある程度の成果をあげることができるようになります。これが才能に頼っていたら誰も何もできない状態になってしまうでしょう。


また、記憶力に頼らないというのも重要な点です。


人間は忘れる生き物です。生きることに必要でないことはどんどん忘れていきます。
それにどんな細かいことでも思い出そうとすればエネルギーと手間を発生させます。
この“コスト”を避けるためにも、著者はあらゆることを記録しておくことを勧めています。


具体的には検索性の高いPCやEvernoteなどのアプリがありますが、チェックリストも同じでとにかく記録しておくことで内容を忘れた頃にやらなくてはならない仕事の手順を思い出す手間を省き、大幅に時間を短縮することができるのです。




以上のようにこの本では、「仕組み」を活用して仕事の時間を短縮し、空いた時間でさらに生産的な仕事をしたり人生を楽しむ方法を教えてくれます。


このような「仕組み」を活用して、自分の人生をどんどん加速させていきましょう。


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