人生読本~20代からの読書日記~

2016年8月7日日曜日

「あなたの1日は27時間になる。」木村 聡子著


●書名・・・あなたの1日は27時間になる。
●著者・・・木村 聡子
●価格・・・1400円+税


1日の長さは人類全員24時間。なのにそれが27時間になるとはどういうことでしょうか?


今回はそれを成し遂げる不思議な方法を教えてくれる「あなたの1日は27時間になる。」をご紹介します。


この本の目的は、日々仕事に追われる生活時間を改善し自分のための3時間を作り出そうというものです。
その達成のために様々な方法を段階的に教えてくれます。


全体では大きく分けて1週間ずつ、計4週間で自分の生活や仕事のやり方を改善していけるよう書かれています。


1週目:1日のリズムを整える
2週目:仕事の渋滞をなくす
3週目:仕事環境を効率的にする
4週目:仕事をスピードアップさせる


このようにして「3時間」を作っていきます。


ではその中から具体的にいくつかご紹介します。


①1日10分の「前業」で人生が加速する
その日のうちに終わらなかった仕事を処理するために終業時間後に残業するという方は多いと思いますが、「前業」とは”残業時間の30分を始業前に仕事をする30分に変えましょう”といういわば先手の策です。


同じ就業時間外の仕事でも夜に行う「残業」では頭も体も疲れているし、なにより最悪終電までがタイムリミットとなるためだらだらと効率が悪くなりがちです。


これに対し「前業」なら疲労度も格段に少なく朝早いため外部からの邪魔もありません。そして何より「始業」というタイムリミットがあるため集中して仕事をしやすくなります。
さらに内容によっては前もって仕事の準備ができるため、その後の仕事自体もテンポよく運ぶことができるのです。


②「自分締め切り」を作り、仕事を追いかける
「仕事とは定められた期限まで膨張してしまう」ものだとよく言われていますが、このような体験は誰しもしたことがあると思います。
そしてすべての仕事には内容や相手によって定められた期限があるので、その通りにやっていると常に次の仕事開始まで前の仕事をやっていることになり時間に追われてるという感覚がかなり強くなります。また時間的な余裕がないために急な事態に対応できません。


そこで、与えられて期限を少し前倒しした「自分締め切り」を設けることで実際の期限前に自分にプレッシャーを与え時間に余裕を持たせることもできるのです。こうすることで周りからも締め切りの催促がなくなり、先手を打つことができるのです。


③1日1捨
整理整頓する最大のコツは、そもそも物を増やさないこと、そして減らすことです。
とはいえ現状物が多いからと言って大掃除のように一気に捨てるというイベントでは、その時の効果は大きいかもしれませんが負荷も大きくなかなか長続きしないものです。


そこで「1日1捨」。


要は、1日にひとつ必ず何かを捨てる、ということです。
これは使わなくなった”物”だけでなく、”儀式化していて意味がない習慣”を捨てることも含まれます。そうすることで効率化や時間の節約につながります。


この1日1捨を続けていくと、そもそも物を増やしそうなタイミングでも「これは本当に必要だろうか」と考えるようになり自分の目を鍛えることができます。


1ヶ月も続ければ、見違えるほど片付いていることでしょう。


④スピードアップの基本は「マニュアル」から
この本では、定期的に発生する仕事については必ずマニュアルを作るよう勧めています。
それは迷いや思考停止を吹っ切り、時間のロスを減らすことができるからです。


またマニュアル化することにより自分だけでなく他の人が作業しても一定の成果をあげることができるようになります。


マニュアルを作る場合、最初は作業しながら内容を箇条書きでメモしていきます。その際、ひとつづつの項目は出来るだけ具体的に、かつ単純な手順を書くようにします。
そして作業完了の後見直して、無駄な工程がないかやもっと効率化できないかチェックします。
またマニュアル作成時には「そんなこと常識で考えたらわかる」と思うようなことでも具体的に書いていきます。


このマニュアル作成作業は一つの手間になってしまうのですが、その時間はそのマニュアルを活用していくことで確実に短縮し元を取ることができます。


世間では「マニュアル通り」という言葉はあまり良い意味で使われませんが、マニュアルとは仕事をスピードアップさせてくれる重要なツールなのです。




今回は各週からそれぞれひとつづつピックアップしてご紹介したがこのほかにも実践的な方法がたくさん書かれています。


こうして作った「自分だけの3時間」を使いさらに勉強したり大切な人との時間を持つようにしたりして、人生をもっと充実させていきましょう!


2016年8月1日月曜日

「自分の時間 1日24時間でどう生きるか」アーノルド・ベネット著 渡部昇一訳


●書名・・・自分の時間 1日24時間でどう生きるか
●著者・・・アーノルド・ベネット
●価格・・・1200円+税


この本は1908年にイギリスで紹介された記事から始まった、内容としてはかなり古い部類に入る本だと思います。しかしそれだけ時間が経っても「1日24時間でどう生きるか」というテーマは、いまだに模索している人が多いのではないでしょうか。


本文は140ページほどでこの手の本としては少ないように感じるのですが、読むと己の(主に仕事以外の)時間を制する方法がまさに宝の山のように溢れています。




ではこれからその宝の一部をご紹介したいと思います。


①朝、目覚める。すると、不思議なことに、あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている。


これはこの本の序盤でかなりしっかり述べられている考え方の基本みたいなものなのですが、個人的にはこの表現がかなり好きです。


我々はお金についてはある程度細かく自分の持っている範囲について考えるのですが、どうやら時間については違うようです。
1日には24時間しかない。そうわかっていても、その使い方を考えて迷っているうちにいつの間にか思考が停止してどんどん浪費している。常に「もう少し時間があったら」といいながら、その実24時間を充分に生きているわけではないのです。


著者は毎日の”時間の与えられ方”について「奇跡が起こっている」と言っています。


時間はお金とは違いだれも取ったり盗んだりできないし、全員平等に朝起きるとそこからの24時間という1日が始まります。そしてこれは誰からも取られないのと同様、自分でも前借することなどできません。
我々にできるのは、常に今目の前にある現在という時間を使っていくことだけ。


これまでにどれだけ時間を浪費していようと、これからの24時間は常に自分の前に用意されています。


この意味で著者は、「その気になればいつからだって新規巻き返しができる」と述べています。
そしてそれは「明日まで待つことすら、なんの意味もない」ことと同義です。


これらを意識したうえで1日24時間で健康も楽しみも、金も満足も尊敬も得ていかなければならないのですから、人生の全ては時間の利用の仕方次第で決まるのです。


②習慣を変えるなら、あまり大きなことは公言せず、さりげなく始めなさい。


ではいかにしてその時間を利用していくのか。
著者は主に仕事から帰った夜の時間で、何か精神を向上させるような意義のあることを継続してやっていくことを勧めています。


そして手始めに週に3回、90分ずつだけ興味のある分野の勉強などに費やすことでそのほかの時間も、仕事をしている時間さえも今までより情熱が湧き生き生きと暮らせるようになると述べています。


この週に3晩と毎朝30分、合わせて一週間で約7時間半をつかって自分の精神と頭脳を磨いていく作業は決して「ささやかな努力」ではありません。


これを今までの生活に組み込むためには習慣を変える必要があります。
ですが習慣を変える際、一気に変えようとすると最初は情熱にあふれているのですが、ある時疲れが一気に出てなんの成果も出る前に頓挫することにもなりかねません。


これを避けるためには、とにかくささやかなことから始めるのが重要なのです。


③よく読むと同時によく考えよ


上記にある夜の90分間でやることのひとつに読書がありますが、それについてこの著者は文学以外、特に詩を読むことを勧めています。その理由として、読書は頭を使って考えながら読むことで精神を向上させるからだそうです。


これは決して文学を下に見ているためではなく、質の高い文学作品ほど頭を使わなくても書かれている情景がありありと浮かんで楽しめてしまうからだそうです。


努力して読むからこそ糧になる、ということです。








このように「自分の時間」には短めな本文に対し我々の生活に応用できる知識が豊富に書かれています。


書かれた当初、1908年のロンドン市民も毎日時間に追われ大変だったのでしょうが、21世紀の現代人こそ「自分の時間」についてもっと真剣に考えるべきなのではないでしょうか。


2016年7月24日日曜日

「頭は「本の読み方」で磨かれる」茂木健一郎著




●書名・・・頭は「本の読み方」で磨かれる
●著者・・・茂木 健一郎
●価格・・・1300円+税


今回は著名な脳科学者、茂木健一郎さんの本です。


タイトルからもわかるように本を読むことについての本なのですが、読んでみると茂木さんご本人がいかに本や読書が好きかということが伝わってくるような感情溢れる内容になっています。
もちろん専門である脳科学者としての見地から様々な論説や科学的な現象も交えて書かれていますが、一冊通して茂木さんの本への愛が感じられます。


それでは一部、僕が気になった箇所をご紹介します。


①読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える。


本を読むとどんないいことがあるのかという質問に対して、茂木さんは「読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える」と答えています。


これは読んだ本を足場に例えて、これまでに読んだ冊数を足場の高さ、読んだジャンルを足場の幅と見立て、そこから世界を俯瞰することができるということです。
様々な本を読むことでそれまでの自分だけの世界観からはわからなかった視点から世界を見ることができるようになるわけですね。


これを脳科学的に「脳の側頭連合野にデータが蓄積されていく」とも表現しています。
側頭連合野とはその人の経験をストックする場所だそうで、本を読むことで他人の経験や考え方を自分の経験として蓄積することができるのです。


こうして経験値を増やすことで、様々な視点から世界を見渡すことができるのです。
これまで偉大な発見をしてきた科学者や多くの作品を書いてきた作家なども、みなこのように「巨人の肩に乗って」新たなアイデアを思いついていったのです。


②好きなことにのめりこんでしまうことが、充実した学びを得られるいちばんの近道


茂木さんは子供のころ「蝶オタク」だったそうです。小学生の貴重なお小遣いを使ってマニアックな蝶の本などを買っているうちに徐々に関連する科学の本などにも興味が湧いてきて、そして次第に科学者への道を歩むようになったようです。


日本では「オタク」といえば陰気で人付き合いの苦手な異星人のように思われていることも少なくありません。最近ではすこし変わってきたかもしれませんが、それでもオタクでない人からは多少奇妙な姿に映っていると思います。


しかしオタクとはそういう奇異なものではなく、「好きなことにとことん情熱を注げる人」なのです。


この情熱というのが非常に大切で、楽しいことなら人間はどんどんのめりこみ、学ぶことも苦痛ではなくなるのです。


こうして情熱をもって楽しめることを学ぶことで、自分を輝かせることができるのです。


③言葉には経済価値がある


言われてみれば当然なのですが、いい文章はありとあらゆるスキルと比べても圧倒的なお金を生む力があります。種類は違えど世界中の人間のほぼ全員が言葉を使って生活しているのだから当たり前ですね。しかし当たり前だからこそ、忘れがちなことでもあります。


ここで言ういい文章を書くにはもちろんいわゆる「文章力」が必要なのですが、この文章力も様々ないい本を読むことで磨かれていきます。


最近ではこのブログのようにネットで文章を書いたり読んだりすることも多いと思いますが、ネットの文章ではやろうと思えば簡単にコピー&ペーストで切り貼りできます。
こうして文章を書けば効率的だし専門的な内容も簡単に書けるかもしれませんが、やはり自分の頭から文章を絞り出さなければ自分の文章力は磨かれません。


効率が悪くても負荷をかけへとへとになりながら文章を書くことで脳は喜び、成長していくのです。






この本の最後の章では茂木健一郎さんおすすめの本が10冊厳選されて紹介されています。
今後の読書の参考に、さらなる読書体験を広げていってはいかがでしょうか。





「結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方」茂木 健一郎著