2016年5月20日金曜日
「センスは知識からはじまる」水野 学 著
●書名…センスは知識からはじまる
●著者…水野 学
●価格…1400円+税
「センスとは、数値化できない事象を最適化することである」
この言葉がすごく大切なことに感じられました。
今回は“くまモン”などをデザインした水野学さんの、いわゆるセンスと呼ばれるものについて書かれた本です。
センスと聞くと天才が生まれ持ったひらめきのように感じるかもしれませんが、この本によると蓄積された知識と論理的な思考により誰でも磨けるものだそうです。
これが僕にとってかなりしっくりきました。
以前から面白くない芝居を観たりするとつい「センスねぇな」とか思っちゃったりするのですが、それはあくまでセンスは“磨けるもの”という前提があっての感想なんです。
だから稽古でうまくいかなかったりすると自分に対しても思う時があります。
でも世の中ではあまりそういうものではないらしく、「センスが悪い」というのはもう何か絶望的なことのようにとらえられているようだと気づき違和感を覚えていました。
またこの本では学校教育における美術や音楽などにも言及していて、それが日本人を芸術から離し「センス」という言葉に恐怖を抱くきっかけになっているのではないかと書かれています。
これも俳優、すなわち芸術家である僕らには重要な問題だと思います。
僕の知人の間だけでも俳優=芸術家ととらえている人はごく少数ですし、お客様の中にも「芝居という芸術を観に行こう!」とか思ってる方は少ないと思います。
それ自体は構わないのですが、もし学校教育からつまづいていて芸術というものを何か「得体の知れないもの」のように感じられているとすれば、それは演劇界にも少なからず影響のあることだと思います。
今回取り上げた本は基本的にはセンスを磨く具体的な方法など面白い内容ばかりなのですが、個人的にお芝居と結び付けられる点が多くなかなか考えさせられてしまいました(^_^;
あらためて、己のセンスを磨く時に参考になる重要な一冊だと思います。
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